《小説》時には素敵な色を

 

「お姉ちゃん、一緒に福井行こうよ!」

 

その言葉をキッカケにして、私は今、特急列車に揺られている。片耳にはイヤホンをはめ込み、右隣には妹がいる。 ときどき、ちょっと不安げに瞳を揺らす妹、それでもこれに乗れば目的地に着くとわかっている分、ちょっとワクワクしているようだ。

何のことはない、母方実家への帰省である。

 

 

同じ道を5年前の冬、親友と共に辿ったことがある。

その時は私自身も電車で行くのは初めてで不安ばかりだった。あの時見た景色すら、ろくに憶えていない。ただ憶えているのは、親友といろいろな話をしながら笑っていたことである。

 

あの頃はかなり遠い道だと思っていた。

 

今は随分と遠出するようになった。そもそも大学へ行くのに2時間はかかるのだから当たり前なのだけど。だからこそ、特急列車に乗るための駅までの距離すらあの頃よりも近く感じる。

 

 

 

そして、そっと窓を見るといろいろな景色が見える。

いつもの電車で見る景色とは、また全然違った景色。そこには田んぼがあって、畑があって、店や工場があって、その町の暮らしがある。

普段から電車からの景色を見るのは好きだけど、こうやって見る景色はまた全然違って美しい。

 

 

隣に座る妹は、一心不乱に窓を覗いている。

私と妹が見る景色は、きっとそれぞれ違って見えるのだろうけれど、それでもその景色が妹の心に鮮明な色合いのまま残っていて欲しいと思う。

 

 

 

時には素敵な色を心のキャンバスに残すのもいいのかもしれない。

 

 

 

 

 

あとがき

現在進行形で愛すべき末の妹と電車旅してます雪灯です。

今回は「景色」をテーマに小説を書いてみました。何となくまとまっているのかどうなのか不安ではありますが、何となく書きたくなってしまったのです。旅の思い出を書き残しておく、というより私が景色を見て感じたことを書きたいなと思って書きました。

また余裕がある時にしっかりした小説書けたらいいなと思っています(*ˊ˘ˋ*)♡

ご愛読ありがとうございました!

 

 

.*・゚雪灯.゚・*.

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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コメント一覧

全2件
  1. schedule2018.05.14

    雪灯

    @ぬいさま
    コメントありがとうございますm(❁_ _)m
    確かにそうなのかもしれませんね。
    その時その時によって立場も考え方も違うんだろうなって思っています。親友と一緒だった時は私はまだ中学生だったし、電車にもほとんど乗ったこともなかったんです。電車通学生になった今とはまた違った感覚で電車に乗っているんですよね。そうやって考えていくとやっぱりどこか不思議なところがある気がします……。
    今回も素敵なコメントありがとうございました!

  2. schedule2018.05.07

    ぬい

    同じ景色を眺めても
    自分の心が違えばまた違う
    なんだか唯識論だったり
    景色が同じなのに違うふうに見えるのは
    もしかしたら景色を眺めているつもりで
    本当は自分の内面がそこに現れているのかもしれませんね

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