フランツ・リストと「器の広さ」「許すということ」

イケメンとは顔にあらず(´・ω・`)

こんばんわー。こたっちゃんです。
今日は、「器の広さ(博愛の心)」「許す」ということについて、カタカタしたいと思います。

突然ですが皆さんは、フランツ・リストというピアニストを知っているでしょうか?

超絶技巧イケメン、フランツ・リスト

フランツ・リストは音楽家で、人類史上最高のピアニストです。(もちろん、演奏技術は現代のほうが高いのでしょうが、その腕前は今でも伝説として残っています)
時代的には、モーツァルトとベートーベンのちょい次の世代ですね。
作曲家としては、ラ・カンパネッラというピアノ曲が一番有名と思われます。
フジ子・ヘミングさんや、最近では辻井伸行さんの演奏が有名で、みなさんも聞いたことがあるかもしれません。

この人を一言で言えば、
『超絶技巧を持った、すっげぇイケメンピアニスト』なのですが。(女の子にもモテモテ)
なんとこのイケメン、精神もイケメンなのです。
天才ピアニスト、リストには現代にもこんな逸話が語り継がれています。
今日は、そんな話を紹介させてください。

リストの弟子

その季節、東欧のハンガリーではぶどうが実っていた。
ここはハンガリーのある小さな村。
湖沿いにあるその小さな村も豊作に恵まれ。
明日は今年の収穫を祝って、収穫祭が開催されようとしていた。

その村へと続く、石畳でできた長い街道をゆく馬車が一つ。
「お客さん、収穫祭は見ていくの? なら修道院へ行きな、すごい見世物があるらしいよ!」
びら配りの青年が、馬車の中へびらを差し出しながら言いました。
そのびらをやんわりとした笑顔で受け取ったのは、緑色の目をした老齢の旅人。
彼の名はフランツ・リスト。
東欧では知らぬ者がいない、大ピアニスト。
今回は観光のため、この村を訪れていたのでした。

チラシにはある少女が演奏会を開く事と、ある肩書きが書いてありました。
『フランツリストの弟子』
そのビラには、リストの弟子が演奏会を開くと書いてあります。
ビラを見たリストは首をかしげました。
(奇妙やの。わい、こんな名前の弟子もったやろか?)
旅先のホテルに到着すると。
疑問を抱いたリストはびらを指差しながら、宿の主人に訪ねました。
「リストなんやけど、演奏会前に弟子に挨拶したいんや。この嬢ちゃんどこおるん?」
「ああ、その子なら……」と、宿の主人は丁寧に道順を教えました。
「そら、おおきに」
リストは礼を言って、宿を後にします。

「ここか……」
そこは、演奏会が開かれるという古びた修道院でした。
門を叩き、出てきた少女にリストは訪ねました。
「こんどの演奏会で演奏する子、おるか?」
「私だけど……」
少女はツギハギだらけのボロボロの衣服を来ていました。
もちろん、リストはこの少女に会ったことも、弟子にした記憶もありません。
「おじさん誰?」
「おじさんちゃうで、お兄さんやで」
「…………誰?」
「わいはフランツ・リストや」
リストが名乗ると。途端に少女は顔色が真っ青になり、その場に跪きました。
「ごめんなさい! 私は嘘をつきました!」
少女は涙ながらに説明します。
自分がこの修道院に住んでいること。
街は収穫祭で賑わっているが、修道院に住む自分たちはお金がなく、生活が困窮していること。
少女の唯一の特技がピアノで、お金のために演奏会を企画したが、貧しく身寄りのないじぶんの演奏会など、誰も来てくれないに違いないこと。
そして、演奏会にお客を呼ぶため、リストの弟子と嘘をついてびらをまいたこと。
少女の説明を全て聞いて、リストは、
「ピアノ、弾けるんかいな?」
と訪ねました。
「昔は裕福だったの。ピアノもうんと練習して、家もあってお父さんもお母さんもいたから。けど、病気でお父さんが死んでしまって、お母さんも倒れて……」
「ふうん」
「名前を盗んで、ごめんなさい。嘘をついてごめんなさい。演奏会も中止します。ビラもぜんぶ回収します」
少女は謝りながら、後悔の涙を流しました。ぽつりぽつりと、少女から溢れた雫が石畳の地面を濡らします。
リストは言いました。
「ほんなら、ちょっとこいや」

馬車を呼び、リストが少女を連れて向かった先は、彼宿泊先のホテル。
ホテルのロビーには、綺麗なアップライトピアノが鎮座していました。
「なにか弾いてみ」
リストの言葉に、少女は恐る恐る演奏を始めます。
「うんうん」
リストはだまって演奏に耳を傾けます。
わけのわからぬまま、少女はピアノを引き続けると。
「コンサートで弾くつもりやった曲、弾いてんか?」
と、リストは新しい注文をつけました。
言葉通り、少女はコンサートのプログラム曲を弾いていきます。
「ここは、こうしたほうがええな。もっと力抜いて、リズムよく……」
リストがいくつか指導し、
なぜ彼がこんなことをするのか疑問に思いながらも、少女はリストの指導に従いました。
「うん、うん。嬢ちゃんなかなかええ筋しとる」
演奏を続け、しばらくすると、少女のピアノはずっと良い音色にならいました。
少女のピアノが上達したのを確認して、リストはポン、と少女の頭に手を置き、言いました。
「ほら、こうやってわいが指導したんや。嬢ちゃんは立派なリストの弟子やで。嘘つきでも盗人でもあらへん、ピアニストや。明日は堂々と胸を張って演奏するんやで」
そのまま、リストはポンポンと少女の頭を優しくなでました。
もう少女の目に悲しみの涙はありません、あるのはリストというピアニストと出会えた感動と嬉しさに対する涙です。

さて、『リストの弟子が弾く』という演奏会は超満員になりました。
少女の演奏も、もちろん大成功。
観客の拍手喝采の中、聴衆の一人であったリストはゆっくりとステージへと歩み寄り、言いました。
『みなさん、私はフランツ・リストです。今日は弟子の演奏会に来てくれて、ありがとう。お礼を込めて、私からも一曲弾かせていただきます』
かつてヨーロッパ中を沸かせた、フランツ・リストの演奏に観客は熱狂し大満足。
演奏会は最高の盛り上がりを見せ、リストと小さなピアニストの確かな友情が芽生えたのでした。

おしまい。

元祖、ミュージックスター

っとまぁ、リストさんにはそんな逸話が残っているのです。
この話の中で、確かに少女は嘘をつきました。
けれど、リストは感情的にを咎めることなく。嘘を誠に変えたのです。

『ピアニストとしての実力』
『相手の側に立つ慈悲の心』
『相手を許す器の広さ』

どうです? イケメンじゃありません?
(ちなみに、弟子が少女だったり、知らないおっさんだったりといくつかのバージョンがあります)
どこまで実話なのかはわかりませんが、文献を漁ると、彼が人格者だったというのは事実のようです。
実際、彼の実力と人柄に惹かれ、リストの弟子はめちゃめちゃいたそうです。

まぁ、最終的には僧侶にまでなったというリストさんなんですが、
残ってるのは良いエピソードだけじゃなくて、
友人であるショパンのアパートに女性を連れ込んで、ショパンが「なにしとんじゃ」とブチ切れて疎遠になったという話もあり、
(あとクララ・シューマン泣かせた事件とか)
そういう人間臭さも含めてリストという音楽家の魅力なんだと思います。

リストは稀代のイケメンだったそうなのですが、
心までイケメンだったと俺は信じてやみません。

雨が降りしきる梅雨の時期。
良かったら窓を開けて、
雨のカーテンと彼の代表曲『愛の夢』に耳を傾けてみてはいかがでしょう。

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全6件のコメント

  1. こたっちゃん 2015/06/17 01:58

    いだっちさん
    いだっちさん!!!コメントありがとうございます(つ∀`).+°o*。.”

    よくぞ聞いてくださいました!
    クラシックは……俺もそこまで詳しくはないのですが、
    おすすめは二つあって、

    ①っこは、気分から入るルートをおすすめしますー。(オムニバスCDから好きな曲を探すルート)

    寝る前に聞きたい曲、家でくつろいでいる時の曲など、
    レンタルCDショップに行くとイージーリスニングとかオムニバスのコーナーがあるので、そこでレンタルして、生活の中で流すのおすすめですー。
    いだっちさんのような、優雅というか、大人の余裕を感じさせる方にはぴったりだと思います!
    ちなみに、俺は作業中ジムノペディ1番を延々流しています。

    2つめは、名演や名曲をyoutubeなどでひたすら聞いていくルートをおすすめしますっ!
    聞くだけじゃなくて、映像があるとやっぱすごいなーと関心が倍増します。

    個人的に大好きなのが、
    ホロヴィッツ演奏 ラフマニノフピアノ協奏曲第3番(若いのも年老いても好き、アルゲリッチの演奏も好き)
    サミュエル・バーバー agnus dei(弦楽のためのアダージョの合唱版)
    ヴィヴァルディ 四季より 「冬」

    ハッ! リストの記事なのにリストのおすすめがない!
    リストはハンガリー狂詩曲2番と、パガニーニによる大練習曲の6番がかっこ良くて好きです!ぜひぜひっ!

  2. いだっち 2015/06/17 01:24

    リストさん、イケメンですね!
    クラシックって全然知らないのですが、何から入ったら良いですか?(^^)
    (こたっちゃんのプロフィール写真がいいね☆)

  3. こたっちゃん 2015/06/16 23:28

    ゆきえさんへ
    こんにちわー!
    あったんですよー!(たぶん……)
    少女バージョンとおっさんバージョンがあって、実話だとしたらおそらくおっさんバージョンが真実なんだろーなーと個人的には思っています(*´д`;)

    わーい褒められた!(((o(*゚▽゚*)o)))
    水野さんてどの水野さんだろう……(ガネーシャ書いた人かな?)

    楽しみにしています、という言葉が何よりの励みになります!
    ありがとうございますm(_ _)m

  4. ゆきえ 2015/06/16 13:20

    こんにちは。
    リストにそんな一面があったなんて。
    知りませんでした!

    何よりこたっちゃんさん、
    文章を書くのがお上手でびっくり。
    水野さんみたい。
    もはやプロだなぁと思いました!

    またブログ楽しみにしています

  5. こたっちゃん 2015/06/15 19:29

    みなさんへ
    みなさんはじめましてー!ヽ(*´∀`)ノ
    そうなんです!リストは心が広いんです!(さすが元祖ミュージックスター)
    でも、リストの心の広さには、昔、師匠のカール・ツェルニーが無料でリストに指導してくれたとか、そんなエピソードが絡んでいたりします。
    リストはその恩を生涯忘れなかったとか……。
    俺はピアノが弾けないのですが、
    ラフマニノフとリストはすごく手が大きくて、同じ手の大きさの人じゃないと弾きこなすのが難しいと聞いたことがあります((φ(・д・。)
    というか!すごい! ため息や愛の夢が弾けるってすごいですね!一度生で聞いてみたい曲の一つです。
    俺から見るとみなさんも神さまのような存在ですヽ〔゚Д゚〕丿

  6. みな 2015/06/14 12:24

    こたっちゃんさん!はじめまして‧✩͓̊(´๑•ω•๑)ɞ₎₎✩みなです。リストにそんなストーリーがあったとは、知らなかったです!リストは心が広いですね。私もリストを見習います(⑅•͈꒶૩•͈)୨୧˖私はリストのため息や愛の夢を弾いたことがあるのですが、リストは手が大きいですね(笑)愛の夢、久しぶりに弾いてみます♪

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