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蝉と自分が嫌いでした。
1490 edit2015.07.30
みんみんみんみん、気が狂うぐらいに鳴いてるし
“夏の風物詩”だなんて言われてる割には、うだるような暑さを引き立てることにしか役立っていない。
あぁ~、それって私もだな。性格悪いし、実行もしないくせにグチグチ悪いことばかり考えてしまう。それで、たまにでる一言で周りの空気を悪くしてしまう。
だから私自身が嫌いで、そんな私に似ている蝉が嫌いでした。
鬱陶しいなと思っていました。自分と蝉が憎むほど嫌いでした。
学校での人間関係とか、思春期まっただ中で家族と仲良くしたいのにできないこととか、そんな悩みをほったらかして、夏になるといつも蝉だけに嫌々ベクトルを向けていました。
ですが、1週間前に、凄い場面に遭遇して、大っ嫌いだった蝉のお陰で、
大っ嫌いだった自分のことが少しだけ好きになりました。
私に大切なことを教えてくれた蝉のことも、少しだけ好きになりました。
部活帰りに、ぼーっと歩いていると、私の天敵が目の前に現れ、
そいつはいつも通り、みーんみーんと鳴いていました。
元気だなぁ…と思いながら通り過ぎようとすると、急に鳴き声が小さくなってきて
コロンっと、音もなく落ちました。
……何と言うか、呆気なかったです。蝉はいつもうるさいのに、こんなに静かに一生を終えたのか。と。
命の終りに直面したようで、見てはいけないものを見た気分になりました。すごく悲しかったです。
と、ここでふと考えました。
心底嫌っている蝉が、目の前で死んだ。その事実を私は、受け止められないでいる。悲しく思っている。
でも自分は時々心無い言葉を、「死にたい」と、ひとりで勝手に嘆いてみたりする。
バカだな、自分。蝉みたいに、不格好でうるさく目立って、でも最後は静かに消えていく、そんな人生を送れよ。なんで死にたいって言ったの?
必要とされなくたっていいじゃん。自己満でもいいじゃん。
自分のことを、今までにないぐらい恨んだのと同時に
大切なことに気づけた自分が、ちょっとだけ好きになりました。
蝉のこともほんのちょっと好きになりました。
皆さんにも、何かによって大切なものを得た経験はありますか?
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