5分で音楽通になろう。#002 ~【戦前の最強ピアニスト】ラフマニノフとピアノ協奏曲第3番 後編~
edit2015.12.10 5,229
前回のつづきです。
こんばんわー。
入って入って。
はい、コーヒー。
いつもお疲れ様。
じゃ、今日も少しだけ、音楽の話をしようか。
座って座って。
(イスをゴゴゴゴッ)
ラフマニノフ、つづき
さて、改めて今回紹介するのは、1900年代前半に活躍した、音楽家。
最強ピアニスト、ラフマニノフさんです。
ラフマニノフ。フルネームは、
セルゲイ・ヴァシリビッ……!(噛んだ)・ラフマニノフ。
うん、読めるか、こんなん。
プロフィールはこんなんだ。
セルゲイ・ラフマニノフ(ロシア帝国)
1873年4月1日生まれ。
1943年3月28日(満69歳没)←すっごい重要。テストに出る。
身長=めっちゃ高い(2mある)
手=めっちゃデカい(12度の音程を左手のみで押さえる事ができた)
性格=真面目
顔=くっそイケメン(まぁ、リスト様ほどじゃないがな!ふぁっふぁっふぁ!)
名言その1=「(第3番を弾くホロヴィッツに)作曲者より上手く弾いてんじゃねぇぞゴルァ!!(褒めてる)」
名言その2=「君の指はゆですぎたスパゲッティのようだね(褒めてない)」
名言その3=「ホロヴィッツ(20世紀最大の大ピアニスト)のようになりたいかい?」「だったらもっと練習しないとね(ニッコリ)」
名言その4=「ペテルブルグにいたボクと、その後のボクは別人なんだ。……クククなぜか知りたいかい?(暗黒微笑)」
ラフマニノフ、
新曲発表に失敗して、鬱になって、精神科医の支えがあって鬱を克服。
見事代表作を生み出すと言う、彼の人生を語る上で欠かせない大切なエピソードがあるんだけど、
今回は長くなるんで割愛(スマヌ……)。
コーヒーオカワリドゾー。
さて、話を『ラフマニノフ ピアノ協奏曲第3番』に戻しましょう。
RACH3とも略されるこの曲。
なんと、作曲者自身の自作自演が録音として残っています。
それもそのはず、
伝説の音楽家である彼の死没は1943年。
そのころにはレコード(1877年発明)もあったしラジオ(1920年公共放送)もあった。
言うに及ばず、音質は悪い。
しかし、リストやショパン、ベートベンとは違い、かの巨匠は現在まで自分の音を残すことができたのである。
ちなみに、現在でも割と簡単に聞くことが出来る(ググるんだ、そしてCDを買うんだ)。
その感想もちらほら……。
曰く、「音質が残念」
…………。
「速い、上手いんだろうけど、良くわからん」
「巨匠の音を聞くことができる貴重な名盤」
「ピアノの音程あってんの?」
……。
…………。
はあああああああああ?
ざっけんなああああああああ!!!!!(がちゃーんぱりーん、どどどどど)
ハァハァ失礼。取り乱しました。
いやでもね。
聞いてよ(皿を片付けながら)
ま、録音悪いし、なんか早いけどこんなもんかー。
って、俺も初めは思ったさ。
思ったけれど、思い直したんですよ。
あれ? この人凄くね?
って。
「いやいや、ホロヴィッツとかランランの方がいいって!」
「ブロンフマンには勝てんでしょ、やっぱ現代のはピアノも違うし技術も……」
そんな人はこの演奏をもっと表面から理解してほしい。
そう。表面からでおk。
解説しよう。
このCDの3番が録音されたのが1940年。(現存するCDの協奏曲3番の録音年が1939/12月と1940年2月)
そして
ラフマニノフの没が1943年。
その差、3年。
つまり
この演奏。ラフマニノフが没する3年前の事である。
この演奏をするラフマニノフ、御年66歳。
(参考:1947年の日本人男性平均寿命50.06)。
ざっくばらんに、身もふたもない言い方をすると、
瀕死のおじいちゃんの演奏がコレなのだ。
齢60を越え、フルマラソンに挑むような強さ
体が衰え、
平均寿命を10年超え、
死ぬほとんど直前の演奏がコレ。
すごくないです?
個人的には、すごいと思うんです。
ふつう、体力が衰えたり、反応が鈍ると、ゆっくり曲を弾いたり、感情表現や情緒的深みを出す方に行くと思うんです。
しかし、ラフマニノフは違った。
これが俺の音楽だと言わんばかりに突っ走った。
これが俺だー!
人生の最盛期をとうに過ぎ、他の演奏者が現役を退いたり、技巧や表現の円熟を求める中、
ラフマニノフは己に妥協を許さなかった。
フルマラソンを走り終え息を整える者たちの意も介さず、ゴールしてなお最短距離を突っ切る様な演奏はなんと表現すればいいのか。
ピアノの鬼、
鬼神。
狂気
そう、まさに狂気の沙汰。
弾けるものが増えたとはいえ、今日でももちろん、
RACH3(第3番の略称)は最難関のピアノ曲の一つ。
前編のコメントでSAKURAさんが紹介してくれた映画SHINE。
この映画ではなんと、
RACH3が難曲過ぎて主人公は精神が崩壊します。(演奏習得と引き換えに病気になる、それほどの曲として描かれている)
第一楽章のカデンツァ(ピアノソロでヒャッハーする部分)が超難易度なのです。
衰えてなお、最難関曲を弾きこなすその器。
かっこいい!!
だから私は、ラフマニノフが大好きなのです。
I love ラフちゃん
そんな訳で、この記事を見た後は、
ぜひもう一度、彼が弾く、彼自身の第3番を聞いてほしいのです。
そして考えて欲しい。
これが果たして死を直前に控えたものの演奏なのかどうか。
そして、
これが彼の全衰期であったのならば、彼の全盛期は一体どれほどのものであったのかを。
…………。
雑談
はてさて。
今宵もまた、わたくしめの与太話にお付き合いいただきありがとうございます。
ラフマニノフのすごさが少しだけでもあなたに伝わったのなら、幸いでございます。
時間があればまたお話しましょう。
その時も、美味しい一杯のコーヒーと共に。
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