虐待されても家族がほしいです。
edit2016.06.19 1,260
これまで自分が何をされてきたのか書こうとすると、思考が止まってしまっていました。壁が現れるのです。まるでそこから先には行ってはいけないと言われてるように。思い出さない方がいいって警鐘を鳴らされているように。心が拒否していました。
でも今日は書けそうな私なので、書いてみようと思います。
父にお風呂や脱衣場を覗かれたこと。父がだんだん大人の体つきになっていく娘たちをにやにやしながら見てたこと。
母は早く死にたいと口にしていたこと。胃癌で全摘手術した父を死んでくれればよかったのにと言っていたこと。
なんで結婚したの?と母に聞いたら間違えたと言われたとき、じゃあ間違いから生まれた私はどうしたらいいのと思った。
車で遠出したとき、私だけ下ろされて置き去りにされそうになったこと。泣きながら走って車を追いかけたら車内で母が笑ってたこと。
てゆうかそもそも車酔いする体質の子どもを連れて遠出すること自体が虐待なのだと、恩田陸さんの『象と耳鳴り』を読んで思った。神奈川から父の実家の宮崎まで車で行こうって、酔狂も甚だしいでしょ。
おかしい人たちだったのよ。
酔うと吐いちゃうから、当事者である私は苦しいし気持ち悪いし申し訳なくていたたまれなかった。そんな私を介抱するのは母の役目。小学生のときは季節の変わり目で必ずと言っていい程体調を崩し、食べられなくなったり食べても吐いたりしていた。汚れた衣服や布団を洗うのも母。嫌われる理由なら十分だった。迷惑そうな顔をされていた。嫌われてしまうと思って普段の生活では「役に立ついい子」であろうとした。
寝ていて蹴られて目が覚めたことがある。父にも母にも。なんで?って思った。こわかった。涙さえこらえて寝たふりし続けるしかなかった。イライラしてたんだろうね。何か私の言動が気に食わなかったのかもね。でもやっていいことと悪いことってあるでしょ。
うちは3人姉妹で従兄弟は3人兄弟だったから、中間子の私は親戚が集まるたび「お前はあっちの家の子になれ」と言われた。真ん中っ子同士交換しようって。本当は男の子がよかったんだって。荷物は送ってやるから帰って来るなって。
「おまえなんかいらない」
大学で「養護原理」の授業のときに、自分がされていたのは虐待だったと知りました。虐待には4種類ある。人格を否定されることは心理的虐待。家は安心できる場所ではなかったし常におびやかされていた。授業中なのに泣いている私を友人は不思議そうに見ていた。
たかだかチャンネル争いでキレてお茶碗やおかずののったお皿を床に叩きつけた父。びっくりしてこわくてごはんの味なんかしなかった。
犬も食わない、って思ってた。度重なる夫婦喧嘩。お金を貯めて家を出るのが生きるモチベーションだった。ドキュメンタリー番組でみた施設で暮らしたいと思ってた。親なんか要らないから安定した生活が欲しかった。ゆっくり休める場所が欲しかった。でもどうやったらそこに行けるのかわからなくて、小学生のころから一人暮らしに憧れていた。
夫婦で話すからあっちに行ってなさいと言われ、扉を閉められた私たち。みんな泣きそうな顔をしていた。扉を開けたとき血まみれになってたら救急車を呼ばなきゃって思った。父か?母か?緊張で吐き気がした。
生きるか死ぬか、未成年が親を、みたいなニュースを見るたびに、他人事ではないと思った。物理的にも精神的にも飽和状態のあの家で、誰がぶちキレて包丁持ち出すか。今日か、明日か。殺るか、殺られるか。ベランダから突き落とすか?熱湯を浴びせるか?
殺す価値もないって、実行する前に高校の家庭科の先生に気づかせてもらえたし、私はめでたくお金を貯めて家を捨て、その後夜逃げ同然で母たちも家と父を捨て、しばらくして離婚も成立して。
でもたまに、いまだに父から連絡がくることがある。そもそも連絡先教えたことないんだけど。会いたい。元気にしてるか。入院してるからお見舞いに来てほしい。祖母が危篤だから会ってほしい。どこまで本当なんだろう。どこまで迷惑かけていいと思ってるんだろう。
自分のやったことがわかってないらしい。モラルハラスメントという言葉は姉がネットから拾ってきた。単なる頭の悪い変な人、とてもとても精神年齢の低い人だと思ってたら、世の中には父みたいなのが他にもいるらしい。
両親離婚してるんですっていうと、そんな辛いこと話させちゃってごめんねと言われることもありますが。大丈夫だよ。離婚してくれなかった日々が一番しんどかったから。血は乾いたしかさぶたもはがれたよ。消えない傷痕は生き延びた勲章だと思ってもいいかな?
虐待されても家族がほしいです。虐待されたから家族がほしいです。自分が育った家庭が自分の所属する唯一の家庭だなんて、そんな人生は嫌。
付き合う人や親しくなる男の人で、宮崎出身とか、自分より学歴の低い人とか(母は短大卒で父は高卒だったから)、年下とか(母が父より1歳上だから)、中小企業勤めとかは避けようと思っていたけれど、だんだんそういうものでもないってわかるようにもなりました。そんな括りでは人は判断できない。尊敬できる男性にも出会えたり、私を助けてくれる存在がいたり。恩師とも育ての父親とも呼べる人がいるおかげで、男性不信ではないです。
世代間連鎖なんて起こさないから。
あなたたちを反面教師にして、生きます。
親を否定して生きるのは自分のルーツを否定することで辛いから、否定も肯定も放棄します。そんなんどうだっていい。
お父さん?
パパ?
たぶんきっと20年以上口をきいていないけど、今日は父の日なんだって。私から最後の言葉をあげる。
あなたのことは親とも子とも思ってないです。もう憎んでも恨んでもない。あなたに興味がない。私の人生にこれ以上関わらないでください。
以上、ココトモライター・エディターチームのなつめでした。
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