tの日記『煙』
edit2023.09.19
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吐き出された毒は 心に蔓延し いつまでもメンタルに重々しい息苦しさを残す。
私は、毎日毎日 同じように煙を吸っては、吐き出され蔓延する毒をまた吸う。
景色が霞み、吐き気に近いストレスを感じて
意味のない誰のためでもない 無意味な抑制で
己の心を殺し続ける。
今思えば、あの煙は 死んだ私達の異臭だったのかもしれない。
いつしか私は慣れてしまった。
いつものように、今でも続く15年の慣れた作業、
爪を噛む。
「ああ、まだ伸びてないな 何度も噛むから」
私は血が出ないよう、器用に先端や中指の皮膚を噛んだ。
深爪で血を出した事は無い。とても器用だから
だからか 私はこれを辞められない。
辞める理由も無かった。
強いて言えば、人前でこれをするのは恥ずかしいことだと理解しているから
"目の前にいる人間達が邪魔で仕方なかった"
自分の死臭を、理解(愛)した人間に吸わせるのが
私の幸福だった。
仲良くなるには必ず相手を理解し続けた
(こいつは駄目そうだな)
そう考えながら器用に楽しそうにするフリをした
慣れている、他人との交流は。
ひよこの選別みたいに、他人の事はすぐに理解出来た、直感も常に働く。
選りすぐりの人間だけを抽出して
どこまで行けるか試して
最後の最後に、 私が吸った毒を 綺麗に飾り付けて盛り付けしながらご馳走する。
嘘偽りはしなくとも、吸わせるまでに
それに至るまでに 準備が必要だった。
友人なら、きっと俺のことを心配してくれる
けど、きっと"君じゃ解決には至れない"
それも、それも私からすれば嬉しいことだった。
私は100%の気持ちで苦しみながら
100%の気持ちで、楽しみながら 自分の毒を吸わせた。
恋人になる前や、狙っている異性なら
もっと楽しかった。
肉体以外で 異性との交流に快感を得られるだなんてとても不思議だ。
お互いに好意的であるなら それは愛や恋である必要は無かった。
獣みたいに丸出しの自分を吐き出して
ボロボロの中古車みたいになった私を 感じてくれている。
下品だが、とても興奮する。
人間は信用出来ない。理解出来るが、それは構造までだ。 だからだろうか
目の前の人間が 私と同じ毒を吸って
苦しんでいるという絶対的な事実が とても心地良い。
食事と同じように 私は他人を味わっていた。
今日できたこと♪
ひとでなしが
読んでくれた人へのメッセージ
わざと分かりにくくしました。
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