子ども食堂ボランティア完全ガイド|立ち上げ・運営・調理・寄付集めの実践と全国の動向

子ども食堂ボランティア完全ガイド|立ち上げ・運営・調理・寄付集めの実践と全国の動向

「お腹をすかせた子どもがそばにいたら、ご飯を出すのは当たり前」
「自分の子育てが一段落して、地域で何か続けられることはないか」
「会社のCSRで食品ロスの寄付先を探している」

そんな思いから一歩を踏み出す人が、いま全国で爆発的に増えている場所があります。「子ども食堂」です。

認定NPO法人全国こども食堂支援センター・むすびえと地域ネットワークの共同調査によると、子ども食堂の数は、活動が始まった2012年からわずか十数年で9,000か所を超える規模にまで広がりました(2024年度・むすびえ調査時点。年度・集計により増減あり)。これは全国の公立中学校の数(約9,000校)に匹敵するほどの数で、もはや「特別な活動」ではなく「地域インフラ」と呼べる段階に入っています。

この記事では、ココトモが地域活動の現場で出会ってきた子ども食堂のスタッフ・ボランティア・利用者の声をもとに、「ボランティアとしてどう関わるか」「自分の地域で立ち上げるならどう動くか」「企業として食品・資金をどう寄付するか」までを、一次情報ベースで丁寧にまとめました。読み終えたあと、お住まいの地域で次の月1回の開催日に「お手伝いに行ってみよう」と動き出せる構成にしています。

📌 この記事でわかること

  • 2012年「気まぐれ八百屋だんだん」から始まり9,000か所超に広がった子ども食堂の歴史と現状(むすびえ調査ベース)
  • 子ども食堂の3タイプ——地域交流型/福祉的支援型/教育・学習併設型の違い
  • ボランティアの6つの役割——調理/配膳/受付・会計/学習サポート/買い出し・寄付集め/広報
  • 応募から食品衛生講習・定例参加まで5ステップで進める参加方法
  • 自分の地域で立ち上げる場合の流れ——物件・人・資金・食材確保の現実
  • フードバンク・赤い羽根・休眠預金活用助成など、寄付集めと補助金の入口
  • 食品衛生・アレルギー対応の基本、ありがちな失敗5選とFAQ10問

子ども食堂とは|2012年「気まぐれ八百屋だんだん」から始まった広がり

子ども食堂とは、子どもが一人でも気軽に立ち寄り、無料または低額で温かい食事をとれる地域の場のことです。「貧困対策の食事支援」という側面と、「地域の多世代が出会う交流の場」という側面を併せ持つのが、日本の子ども食堂の大きな特徴です。

始まりは2012年、東京・大田区の小さな八百屋

最初の子ども食堂は、2012年、東京都大田区の八百屋を営んでいた近藤博子さんが「学校給食しかまともな食事をとれていない」と知った子どもの存在をきっかけに、店の一角で月1回の食事会を始めたことからスタートしたとされています。屋号は「気まぐれ八百屋だんだん」。「気まぐれに、できる範囲で」という肩肘張らない構えと、「お客様」ではなく「ご近所さん」として子どもを迎える姿勢が、その後の全国展開の原点になりました。

2018年「むすびえ」設立、全国ネットワークへ

その後、メディア報道を通じて全国各地で同様の取り組みが自然発生的に広がり、2018年には認定NPO法人 全国こども食堂支援センター・むすびえ(理事長:湯浅誠氏)が設立されました。むすびえは、各地の子ども食堂の調査・助成・企業連携・地域ネットワーク支援を担う中間支援組織で、毎年の全国実態調査によって、子ども食堂の箇所数・運営主体・課題が可視化されるようになりました。

「貧困対策」だけではない、もう一つの顔

メディアでは「子どもの貧困対策」として取り上げられることが多い子ども食堂ですが、現場の運営者が口をそろえて言うのは、「貧困の子だけを集める場ではない」ということです。お腹をすかせた子だけを呼ぶと、その子に「自分は支援される側」というラベルを貼ってしまう恐れがあります。
そのため、多くの子ども食堂は「地域の誰でも来ていい場」として運営し、結果として一人で来た子・家族で来た子・高齢者・地域のおじいちゃんが、同じテーブルで温かいご飯を食べる——という「地域の居場所」として機能しています。これは内閣府「子供の貧困対策に関する大綱」でも、地域における子どもの居場所づくりの代表例として位置づけられています。

出典:認定NPO法人 全国こども食堂支援センター・むすびえ「全国こども食堂実態調査」公開情報/内閣府「子供の貧困対策に関する大綱」/厚生労働省 公開資料

全国の子ども食堂数の推移|10年で30倍以上に

むすびえと地域ネットワークが毎年共同で実施している「全国こども食堂実態調査」のおもな数字をまとめると、子ども食堂の広がりがいかに急速だったかが見えてきます。

調査年度 箇所数 備考
2016年度 319か所 初の全国調査(朝日新聞・地域ネットワーク共同)
2018年度 2,286か所 むすびえ設立、全国規模で集計開始
2019年度 3,718か所 全国の小学校区の約20%に拡大
2021年度 6,014か所 コロナ禍で「弁当配布・フードパントリー」に転換が進む
2022年度 7,363か所 会食再開と同時に新規開設も増加
2023年度 9,131か所 公立中学校数に並ぶ規模に
2024年度 10,000か所超とも 調査主体・集計時点で差。最新は要確認

数字は調査年度・集計主体・集計時点で差があるため、本記事では「2024年時点でおおむね9,000〜10,000か所規模」という幅のある表記にとどめます。最新の正確な数字はむすびえの公式サイトで確認するのが確実です。
重要なのは、わずか10年弱で30倍以上に広がったという事実と、その大半が市民・主婦・退職者・地域の有志によって始められたボトムアップの動きだということです。

子ども食堂の3タイプ|目的によって運営は大きく違う

全国に9,000か所以上ある子ども食堂は、ひとくくりに語れません。むすびえや研究者の整理を踏まえると、運営の力点で大きく3タイプに分けることができます。応募・立ち上げの前に、自分が共感するタイプを知っておくと、関わり方のミスマッチを防げます。

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① 地域交流型

「誰でも来ていい」を最重視するスタイル。子どもも高齢者も家族連れも一緒に食卓を囲む。多世代の交流が目的で、参加費100〜300円程度を取る場合が多い。最も数が多いタイプ

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② 福祉的支援型

ひとり親家庭・生活困窮世帯への支援を明確に意識するスタイル。スクールソーシャルワーカー・行政・社協と連携し、必要な家庭にフードパントリーや学習支援も提供。無料運営が多い

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③ 教育・学習併設型

食事の前後に無料の学習支援・宿題サポートを組み合わせるスタイル。退職教員・大学生ボランティアが講師を務めることが多く、進学相談まで担う場も。教育委員会と連携する例も増えている

実際には、これら3タイプを厳密に区分することは難しく、多くの食堂が複数の機能を併せ持っています。「最初は地域交流型として始まり、続けるうちに困窮家庭の支援機能が育った」「学習支援を始めたら福祉的役割も担うようになった」というふうに、地域のニーズに合わせて姿を変えていくのが、子ども食堂の自然な進化と言えます。

ボランティアの6つの役割|得意分野で関わり方が選べる

子ども食堂のボランティアは、料理が得意な人ばかりではありません。受付・会計・広報・買い出し・学習サポートなど、食卓に立たない役割も同じくらい重要です。自分の得意・無理のない時間帯から選んでみてください。

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① 調理スタッフ

献立に沿って下ごしらえ・調理・盛り付けを担う。家庭料理の経験があれば十分で、調理師免許は不要。ただし検便・健康チェックは必須。30〜50食を2〜3時間で仕上げる段取り力が育つ

🍽️

② 配膳・接客

子ども・家族への配膳、おかわりの呼びかけ、片付け。「いただきます」「ごちそうさま」を明るく回す役割。食卓の空気をつくる、子ども食堂の主役級ポジション

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③ 受付・会計

来場者の受付、参加費の集金、アレルギー確認、初めての方への案内。子どもが安心して入れる雰囲気づくりがいちばんの仕事。個人情報の取り扱いには特に注意

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④ 学習サポート

食事の前後に宿題・読書を一緒にやる。退職教員・大学生・社会人ボランティアが多い。学習支援ボランティアガイドと内容が大きく重なる

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⑤ 買い出し・寄付集め

スーパー・農家・フードバンクから食材を集める。コロナ以降、フードドライブ(家庭の余剰食品の持ち寄り)を企画する食堂が急増。在庫管理力と地域人脈が活きる

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⑥ 広報・SNS

チラシ・回覧板・Instagram・LINEで開催告知を回す。子ども・保護者の顔が映らない構図での撮影が必須。地域回覧と紙チラシも依然として強い

子ども食堂ボランティアの始め方|5ステップ

「ゼロから始めたい」という方のために、応募から定例参加までの流れを5ステップに整理しました。多くの方が1〜2か月以内に「最初の現場」に立てます。

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    ① お住まいの地域の子ども食堂を探す

    むすびえの「こども食堂マップ」や、各都道府県のこども食堂ネットワーク、社会福祉協議会の地域活動情報、市区町村の「子どもの居場所」担当課のいずれかで開催情報を確認します。歩いて通える距離で探すのが、続けるコツです。

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    ② まずは見学・利用者として訪問

    いきなり調理スタッフに入るのではなく、1回は来場者として食事をするのがおすすめ。雰囲気・スタッフの動き・子どもの様子を肌感で知ったうえで、自分が手伝えそうな役割を探せます。参加費を払って堂々と食べてOKです。

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    ③ 主催者にボランティア希望を伝える

    食事の終わりごろに「次回からお手伝いできることはありますか」と一言。多くの食堂は慢性的に人手不足のため、即戦力かどうかは問われません。連絡先(LINE・メール)を交換し、次回のシフト調整に進みます。

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    ④ 食品衛生講習・検便を受ける

    調理に入る場合は検便(年1〜2回)と、自治体が開催する食品衛生講習会の受講が原則。費用は数百円〜2,000円程度で、運営側が負担する食堂もあります。受付・配膳のみなら不要な場合も多いですが、健康チェックは全員必須です。

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    ⑤ 月1回ペースで定例参加へ

    多くの子ども食堂は月1〜2回開催です。半年ほど続けると顔なじみができ、子どもからも「あ、あの人だ」と認識されます。無理のない頻度で続けることが、何より子どもの安心につながります。

1日の流れ|ある月1回開催子ども食堂の14時〜20時

具体的なイメージをつかむために、ある地域交流型の子ども食堂(参加費:子ども無料・大人300円・40食前後)の、開催当日の流れを6ステップで紹介します。

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    14:00 食材の搬入・買い出し合流

    フードバンクからの配送、近所のスーパー・農家から提供された野菜の受け入れ。買い出し班が当日の不足分を補充。冷蔵が必要なものから優先して下処理に進みます。

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    14:30 調理開始(健康チェック・手洗い)

    全員の健康チェック表記入と手洗い・消毒、エプロン・三角巾着用。本日のメニューを確認し、火加減担当・盛り付け担当・洗い場担当に分かれて進行。アレルゲン表示の準備も忘れずに。

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    17:00 受付準備・テーブルセッティング

    受付に名簿・参加費入れ・アレルギー確認カードを配置。テーブルに食器・お箸・おしぼりをセット。学習スペースに鉛筆・ドリル・色鉛筆を出します。広報班は当日の様子を撮影する場合の顔出し可否確認を入念に。

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    17:30 開店・子どもたちが続々と来場

    小学生・中学生が一人で、家族連れが、近所の高齢者が次々来場。受付で参加費を受け取り、アレルギー確認をして席へ案内。「久しぶり」「学校どうだった?」の声かけが、子どもにとって何よりの居場所になります。

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    18:00 「いただきます」配膳・食事

    全員で「いただきます」、配膳・おかわり対応・食卓での会話。学習班は隣のスペースで宿題サポート。食事中の写真撮影は基本NGとし、必要な広報写真は食事前のセッティング写真で対応する食堂が多いです。

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    19:00〜20:00 片付け・振り返り

    食器洗い・テーブル拭き・ゴミ出し・残食処理。最後に運営メンバーで5〜10分の振り返り(参加人数・ヒヤリハット・次回の改善点)。記録ノートに残し、月1回の運営会議で共有します。

食品衛生・アレルギー対応|事故ゼロを守る基本

⚠️ 子ども食堂で最も恐れるべきは「食中毒」と「アレルギー事故」

子ども食堂は不特定多数の子どもに食事を提供するため、食中毒・アレルギー事故が起きると活動の継続が一気に困難になります。「家庭料理の延長」と捉えるのは危険で、給食調理の作法に近い衛生管理が求められます。下記は、現場で広く採用されている基本的なチェック項目です。

✅ 食品衛生の基本

  • 調理スタッフは年1〜2回の検便を受ける(自治体保健所・民間検査機関)
  • 当日の健康チェック表を記入し、下痢・発熱・手指の傷がある人は調理から外れる
  • エプロン・三角巾・マスク着用、調理前の手洗い・アルコール消毒を徹底
  • 生ものは原則使わない。中心温度75℃以上で1分以上の加熱を守る
  • 調理から提供までの時間を短くし、2時間以上常温放置しない(特に夏場)
  • 残った食材を持ち帰らせる場合は「自己責任」の同意書を添えるか、原則持ち帰り不可

✅ アレルギー対応の基本

  • 受付でアレルギー確認カードを必ず提出してもらう(卵・乳・小麦・そば・落花生・えび・かに等の特定原材料)
  • 当日のメニューにはアレルゲン表示を見える位置に掲示
  • 除去食を出す場合は調理器具を分け、専用のお皿に乗せ、配膳ミスを防ぐ
  • 万一に備え、119番までの動線・最寄り救急病院を運営側で共有
  • エピペン保持の子どもがいる場合は、保護者同伴を原則とする

多くの子ども食堂は「ボランティア活動保険」「行事用保険」に加入しています。万一の事故に備えて、運営者は社会福祉協議会のボランティア保険または民間の食品提供者向け保険を必ず確認しておきましょう。

立ち上げる場合の流れ|物件・人・資金・食材確保

「自分の地域に子ども食堂がない」「あるけれど月1回だけで足りない」と感じたら、新規立ち上げという選択肢があります。むすびえや各地ネットワークの公開資料を踏まえると、立ち上げの基本は次の流れです。

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    ① 地域の既存食堂を3〜5か所見学

    立ち上げを決める前に、近隣の食堂を最低3か所見学します。地域交流型・福祉的支援型・学習併設型のうち、自分が共感するモデルを見極めるのが目的です。運営者の悩みも遠慮なく聞かせてもらいましょう。

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    ② コアメンバー3〜5名を集める

    一人での立ち上げは続きません。調理リーダー・運営リーダー・広報・会計の役割を分担できる3〜5名を最初に確保。家族・近所・元同僚・PTA仲間・退職者コミュニティが入り口になりやすいです。

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    ③ 物件を確保する

    公民館・地域集会所・寺社・空き店舗・教会・商店街の遊休施設・住宅街の自治会館など、調理設備のある会場を借ります。社会福祉協議会・自治会経由だと無料〜低額で借りられる場合が多いです。

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    ④ 食材確保ルートを3つ作る

    フードバンク・地域スーパー・農家・JA・パン屋・米店など、複数ルートを最初に開拓するのが定石。1ルートが切れても他で補えます。フードドライブ(家庭の余剰食品持ち寄り)は地域参画も生む良い手法です。

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    ⑤ 食品衛生・保険・告知

    保健所への事前相談(営業許可は原則不要だが要確認)、ボランティア保険の加入、地域のチラシ・LINE・Instagramでの告知。最初の1回は「内輪10〜15食」から始めるのが現実的です。

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    ⑥ 月1回×半年の継続を最初の目標に

    最初から週1回・100食を目指すと続きません。「月1回・30食・3か月続ける」を最初の目標に。半年続いた段階で助成金申請にも踏み出せます。地域ネットワークやむすびえへの加入もこの段階で。

寄付集めとフードバンクとの連携|食品ロス削減との両立

子ども食堂の運営費は、1回あたり数千〜数万円が一般的です。会場費・食材費・消耗品費が中心で、参加費収入だけでは赤字運営になることが多く、寄付・助成・フードバンクとの連携が運営の生命線です。

フードバンクとの連携

日本のフードバンクの代表格は、セカンドハーベスト・ジャパン(2002年設立、日本初のフードバンク)と、その後設立された全国フードバンク推進協議会に加盟する各地のフードバンクです。
フードバンクは、メーカー・卸・小売・農家から「賞味期限が近い」「規格外」「在庫過多」などの理由でまだ食べられるのに流通しない食品を集め、子ども食堂・福祉施設・支援団体に無償で配送します。日本の食品ロスは年間約472万トン(農林水産省・環境省 推計、2022年度)と推計され、その削減と困窮支援の両立に直結する仕組みとして、政府も食品ロス削減推進法(2019年)のもとで連携を後押ししています。

個人・企業からの寄付

子ども食堂への寄付は大きく3つに分かれます。

  • 食品寄付——お米・乾物・レトルト・調味料が中心。家庭からのフードドライブ、企業の在庫品提供、農家からの規格外野菜など
  • 金銭寄付——むすびえや各地ネットワーク経由で、特定食堂・地域全体・全国基金のいずれかを指定可能。認定NPO法人への寄付は寄附金控除の対象
  • 物資・労務寄付——調理器具・食器・冷蔵庫の寄贈、企業の社員ボランティア派遣、印刷物の協賛など。「お金以外の支援」もきわめて重要

企業との連携が広がっている

2020年以降、大手スーパー・コンビニ・食品メーカー・物流企業がむすびえや地域フードバンクと連携し、定期的な食品提供・社員ボランティア派遣・寄付付き商品の販売を行う事例が急増しています。SDGs(目標2「飢餓をゼロに」、目標12「つくる責任 つかう責任」)の実装事例として、CSR・ESG報告書に組み込まれることも一般的になりました。

補助金・助成金の入口|活用できる主な制度

子ども食堂が活用できる助成金は、年々充実してきています。代表的な入口を整理しました。応募時期・要件は毎年変わるため、必ず最新情報を各団体の公式サイトで確認してください。

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赤い羽根共同募金

中央共同募金会・各都道府県共募が、子どもの居場所づくり・食支援に対して継続的に助成。地域共募経由の小規模助成から、テーマ型の大型助成まで幅広い

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休眠預金活用助成

10年以上取引のない預金を社会課題解決に活用する制度。子ども・困窮支援は重点分野で、むすびえなど中間支援組織が資金分配団体となり、各地の食堂に再分配される

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むすびえ各種助成

企業との協働による食品・資金支援プログラムが多数。新規立ち上げ向け、コロナ禍緊急、食材寄贈、感染対策物資など、テーマ別に募集される

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自治体の補助金

都道府県・市区町村独自の「子どもの居場所づくり補助金」。立ち上げ初期費用・運営費・設備費が対象。地域共生社会・第3期子ども・若者育成支援推進大綱の流れで拡大中

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民間財団・企業財団

セブン-イレブン記念財団・トヨタ財団・公益財団法人 日本財団など。小〜中規模の助成が多く、新規立ち上げや特定企画に向く。応募書類の作成支援を社協が担う地域も

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クラウドファンディング

READYFOR・CAMPFIRE等で子ども食堂のプロジェクトが多数立ち上がる。少額の支援者を多数集めることで、活動の認知拡大と地域ネットワーク形成にもつながる

体験談|3人のボランティアの物語

💬 子育てが一段落した主婦が、配膳から運営リーダーに(48歳・女性)

「末っ子が高校に上がり、ふっと時間ができたタイミングで、近所の子ども食堂に食べに行ったのが始まりです。最初は『一人で来た子』に話しかけるのもぎこちなかったのですが、月1回通ううちに名前で呼んでもらえるようになって。3年目から運営リーダーを任され、いまは月2回・60食を10名のチームで回しています。子育ての経験が、こんな形で生きるとは思いませんでした」

💬 大学生が学習サポーターから始めて、地域団体を立ち上げた(21歳・男性)

「教育学部の授業で子ども食堂の話を聞き、近所の食堂に学習ボランティアとして参加。最初は中学生の数学を教えるところから始めて、いまは大学生10名で『食堂後の学習支援サークル』を立ち上げて週1回回しています。教員志望の自分にとっては、教科書では学べない『子どもの背景に立った学習支援』を体感できる、何ものにも代えがたい現場です」

💬 退職後、自宅近くで新規立ち上げに踏み切った元銀行員(66歳・男性)

「銀行を定年退職して半年、地域に何もコミュニティがないことに焦りを感じました。むすびえの講座に参加し、自治会の仲間4人で月1回30食からスタート。フードバンクへの登録、社協のボランティア保険、赤い羽根の助成申請まで、銀行員時代の事務処理の経験が全部生きました。3年目のいま、地域の高齢者と子どもが同じ食卓を囲む光景が、何より誇らしいです」

ありがちな失敗5選|立ち上げ・運営でつまずくポイント

子ども食堂はボランティア運営が中心のため、運営者の善意がそのまま「燃え尽き」「事故」「閉鎖」に直結することがあります。先行事例から学べる典型的な失敗を5つ整理しました。

❌ つまずきやすい5つのパターン

  • ① 一人で抱え込む——調理から会計まで一人が担うと、必ず半年〜1年で疲弊します。最初から3〜5名のコアメンバーで分担を。
  • ② 食品衛生を軽視する——「家庭料理の延長」と捉えると食中毒リスクが跳ね上がります。検便・健康チェック・加熱徹底は絶対に省かないでください。
  • ③ アレルギー確認を忘れる——受付で確認カードを必ず提出してもらい、メニューにアレルゲン表示を。万一の事故は活動継続を不可能にします。
  • ④ 写真をSNSに不用意に投稿——子どもの顔・名前・場所がわかる写真を上げると、保護者からの抗議・通報につながります。「広報写真は事前同意のあるもののみ」を徹底。
  • ⑤ 「貧困の子だけを集める」発信——「困窮家庭限定」と告知すると、来た子に支援される側のラベルを貼ることになります。「誰でもどうぞ」を入り口にし、必要な子に必要な支援が自然に届く設計に。

よくある質問|子ども食堂Q&A 10問

Q1. 料理が苦手ですが、ボランティアに参加できますか?

はい、もちろんできます。子ども食堂のボランティアは調理以外の役割が半分以上です。受付・配膳・会計・学習サポート・買い出し・広報・SNS運用など、得意な分野で関われます。「調理はちょっと…」と最初に伝えれば、運営側も役割を調整してくれます。

Q2. 子ども食堂は誰でも利用できますか?「困窮家庭の子だけ」ですか?

日本の子ども食堂の大多数は「地域の誰でも来ていい場」として運営されています。困窮家庭限定にすると子どもが来づらくなるため、敷居を下げる設計が一般的です。家族連れの来場も歓迎されます。詳細は各食堂の運営方針をご確認ください。

Q3. 参加費はいくらが相場ですか?

子ども無料〜300円、大人300〜500円が目安です。福祉的支援型は完全無料、地域交流型は実費相当の参加費を取る食堂が多いです。フードバンクや寄付の活用度合い、開催頻度によって金額は異なります。

Q4. 食品衛生の資格は必要ですか?

調理師免許や食品衛生責任者の資格は原則不要です。ただし、調理に入る場合は検便(年1〜2回)と、自治体保健所の食品衛生講習会の受講が望ましく、ほとんどの食堂が運用しています。受付・配膳のみなら検便も不要な食堂が多いです。

Q5. 営業許可は必要ですか?

子ども食堂は営業(営利目的の食事提供)には該当しないと整理されることが多く、原則として飲食店営業許可は不要です。ただし、自治体・保健所によって解釈が異なる場合があるため、立ち上げ前に必ず管轄の保健所へ事前相談してください。

Q6. ボランティア保険には入るべきですか?

はい、必ず加入を強くおすすめします。社会福祉協議会の「ボランティア活動保険」が代表的で、年間数百円で本人のけが・賠償責任までカバーされます。食品提供を伴う活動の場合は、行事用保険・食品事故対応の特約付きを検討してください。

Q7. 子ども食堂とフードパントリーの違いは?

子ども食堂は会場で温かい食事を一緒に食べる「会食型」、フードパントリーは食材・お米・レトルトなどを家庭に渡す「持ち帰り型」です。コロナ禍で会食が難しくなった時期に、多くの子ども食堂がパントリーに切り替えた経緯があり、いまは両方を併用する団体が増えています。

Q8. 学生・社会人でもボランティアできますか?

はい、大学生・専門学校生・社会人ボランティアは大歓迎です。学生は学習支援との相性が良く、社会人は会計・広報・買い出し・SNSなど平日夜・土日のスキマ時間で関われる役割が多くあります。社会人のボランティア入門もあわせてご覧ください。

Q9. 子ども食堂を新規で立ち上げたいのですが、どこに相談すればいいですか?

最初の相談先は地域の社会福祉協議会と、むすびえまたは都道府県のこども食堂ネットワークです。先行事例の紹介、物件・助成金・フードバンクへのつなぎ、立ち上げ講座の案内まで、ワンストップでサポートを受けられます。

Q10. 企業として食品や資金を寄付したいです。どう動けばいいですか?

食品寄付はセカンドハーベスト・ジャパン全国フードバンク推進協議会加盟団体、資金寄付はむすびえや地域ネットワークが入口になります。社員ボランティア派遣・寄付付き商品・物流協力など、規模・業種に応じた連携メニューが整っており、SDGs・ESG報告にも組み込みやすい仕組みです。

あわせて読みたい|次の一歩のヒント

参照元:認定NPO法人 全国こども食堂支援センター・むすびえ「全国こども食堂実態調査」公開情報/内閣府「子供の貧困対策に関する大綱」/厚生労働省 公開資料/農林水産省・環境省「食品ロス量の推計値」/消費者庁「食品ロス削減推進法」関連資料/全国フードバンク推進協議会・セカンドハーベスト・ジャパン 公開情報/中央共同募金会(赤い羽根共同募金)/一般財団法人 日本民間公益活動連携機構(JANPIA:休眠預金活用)/全国社会福祉協議会 公開情報を参照(いずれも2026年4月時点。子ども食堂箇所数・食品ロス量・若年性認知症推計などの数字は年度・集計時点により差があります)

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