トミー8181の日記『幽霊だったかもしれない話し』

30年前、オレはシステム・エンジニアだった。

徹夜で仕事をやってたんだ。
夏の深夜2時ごろ、「ピンポーン・・・」

社屋ビルの中にはオレひとり、オレは内線電話の受話器をとり、返答した。
内心ビクビクしながら「はい?」

だって、そうだろう、ここは熊本空港そばの工業団地のなかだ。
公園はあるが、一般人は少ない。ましてや夜中の2時だ、なにごとか?

受話器には玄関のインターホンからの音が入ってくる。
「(サー)・・・・・・・」風の音しかしない、相手は無言だ。

オレはいらつき、声を出した「もしもーし、なんでしょう?」

インターホンから声が聞こえる。
女だ。か細い声で言っている。
「あのー・・・・わたし困っちゃって」

はぁ? なに言ってるんだ? 夜中に女性が困ったとか言って、工業団地の中を彷徨い歩くか、ふつう。

オレは怖くなってきた。
「どうしました?」

女はインターホンで言う。
「わたし置いてかれちゃって・・・彼が私をここに置いたまま帰ったんです」
「わたしお金なくて、タクシーも呼べないんです」

はぁ? なに言ってるんだコイツは・・
くっそー、夜中にこんな所にタクシーなんか来ねぇよ、と思いながら、オレは玄関のエントランスホールに向かった。

女「すみません、どうしようもなくて、下のほうまで送ってもらえませんか・・」

はぁ? なに言ってるんだコイツは、とか思いながらも、朝まで付き合ってたら、あとあと面倒なことになるので、クルマで送ることにした。

女「すみません、夜中に送ってもらって・・・」
オレはビクビクしながらクルマを走らせていた。

ここは熊本空港の近く、周りよりも高台になっている。そこを下っているわけだ。

女「あ・・・ここでいいです、ここで降ります!!」
女が突然声を出し、オレはクルマを止めた。

この道路は第二空港線と呼ばれ途中は何もない、畑が広がっているだけだ。
こんな所で、いったいどうするというのだ。

しかし女は礼を言って、去っていった。
女がクルマを降りた所は、ただ荒れた土地が広がっているだけだった。

オレは不思議な感覚が残ったまま職場へ戻り、いつものように徹夜明けの朝を迎えた。
あれは何だったのだろう?

いまも不思議だ。
彷徨った霊が、お人好しのオレに助けを求めに来たのか?

star今日よかったこと♪

昔の不思議体験を思い出して書いてみました。

favorite読んでくれた人へのメッセージ

皆さんにも不思議体験ありましたら、教えてくださいね。
(^^)/

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