ココトモのコンセプトである友達として相談にのる方法をご案内します。
友達として相談にのる手順は2ステップ
相談員と相談者は最初は友達ではありません。
信頼関係もできていないうちに友達のように接した場合、逆に相談者を不快にしたり傷つけたりしてしまうことが多くあります。
そのため、友達として相談にのるためには以下の2ステップで対応する必要があります。
- 友達として相談にのる手順
-
-
まずは友達(=安心できる繋がり)になる
⇒孤独のケア -
そのうえで相談にのる
⇒生き方・考え方のケア
-
まずは友達(=安心できる繋がり)になる
まずは友達という関係性をつくること。
そして関係性ができたうえで相談にのること。
友達として相談にのるとは、この2ステップを守ることです。
友達として相談にのる方法
友達として相談にのる2ステップについてさらに詳しく説明します。
①まずは友達になる
- 目標
-
相談者から「そうなんです」と言われること(*)
- 対応手順
-
ⅰ.相談者の話を否定せず、悩みに共感しましょう
ⅱ.相談者の気持ちや状況を深く理解するために、たくさん質問しましょう
ⅲ.相談者の悩みと重なる体験があれば、必要に応じて自己開示しましょう
- 必要なスキル
-
相談者と対等かつ良好な関係性をつくるためのスキル。
▽スキル講座はこちら
ココトモ相談員講座『友達になる講座』
*相談者は気持ちを分かってもらえたと安心できたときに「そうなんです」と言い、逆に気持ちを分かっていないうちは「でも…」「いや…」などの言葉が返ってきます(参考「ケアする人の対話スキルABCD」)
②そのうえで相談にのる
- 目標
- 相談者から「XXさんに相談して良かった」と言われること
- 対応手順
-
ⅰ.①の友達になる対応手順を日々繰り返して接しましょう(*)
ⅱ.相談者のニーズに合わせて、お話相手になったり、意見や提案を伝えたりしましょう
- 任意のスキル
-
友達なので自分の個性や経験を活かして相談にのりますが、深刻な状態の相談者や疾患を抱えた相談者の対応をする際には自分や相手を守るために必要最低限の専門職知見があると良いです
▽スキル講座はこちら
ココトモ相談員講座『相談にのる講座』
*相談にのるうえでも、相談者の気持ちやニーズを理解するために共感・質問・関係構築が大切になります。
ココトモが大切にしていること
ココトモ相談員の役割でお伝えしたとおり、ココトモが大切にしていることは「①友達になる」です。
①が達成されることで相談者には「友達=安心できる繋がり=居場所」がつくられるため、ココトモ相談員の役割も①を達成した時点でほとんど達成されます。
友達の強みは、的確な助言ではなく、その存在があることです。
友達であれば専門家ではなくても一緒に考えてくれることが嬉しいし、友達であれば仮に的外れな助言であってもその気持ちが嬉しく感じられるようになります。
補足:最も良くない行為は、共感や質問がなくいきなり助言すること
ここまでの内容からも分かるとおり、相談員として最も良くない行為は『共感や質問がなくいきなり助言すること』です。
相手にたいして共感や質問をせずいきなり助言する行為については、すべての心の支援職(カウンセラー、臨床心理士、精神科医など)が共通してNGとしています。
まずは信頼関係を築くこと
たとえば、あなたが仲良い友達から相談を受けた場合であれば「〇〇君だったらこうしてみたら良いと思うよ」とすぐに助言したとしても肯定的に受け取ってもらえることが多いと思います。
なぜ肯定的に受け取ってもらえるのかというと『前提として2人の間に信頼関係がある』からです。すでに友達だからです。
相手はあなたの性格や考え方を知っていて信頼して相談するし、あなたも相手の事情や性格を分かったうえで言葉をかけるからこそ、すぐに助言しても相手を傷つける可能性が低く相談対応が成り立ちます。
しかし、この話を「仲良い友達」から「ココトモの相談者さん」に置き換えると前提が変わります。
ココトモの相談者さんはあなたのことをほぼ何も知りません。信頼関係がゼロの状態から関わりがスタートします。まだ友達ではありません。
さらに言えば、はじめて利用する相談サイトで、テキストだけで悩みを記入しなければいけない相談フォームに、自分の悩み・感情・背景、そのすべてを詳細に表現することはきっとできないでしょう。
悩んでいることの一部しか伝えられず、信頼関係がゼロの他人への相談。
そのような状況で、担当した相談員からはじめの相談文章だけを見て推測ですぐに「こうしてみては?」「ああしてみては?」と助言されてしまったら、、、どうでしょうか。
きっと「自分の気持ちを深く知りもしないで…」「なんだよコイツ上から偉そうに…」と感じてしまう相談者さんも少なくないと思います。
実際に共感や質問なく助言をした場合、相談者さんからの平均返答率は低いです。
相談者さんの悩みの表面しか見ずにすぐ助言してしまうような行為が、相談者さんの心に深く寄り添う対応になるわけないですもんね。。。
ココトモで相談対応をする際には、必ず本ページに記載した「友達として相談にのる方法」を守っていただくようお願いします(*´`)
- 相談マニュアル参考文献
-
- 孤独の本質 つながりの力
- 技法以前
- 雨の日の心理学 こころのケアがはじまったら
- 聞く技術 聞いてもらう技術
- 居るのはつらいよ ケアとセラピーについての覚書
- ふつうの相談
- 当事者主動サービスで学ぶピアサポート
- 精神障がいピアサポーター
- ピアスタッフとして働くヒント
- 臨床心理学の倫理を学ぶ
- カウンセラー 専門家としての条件
- こころの葛藤はすべて私の味方だ。
- 人を助けるということ
- 精神分析における境界侵犯 臨床家が守るべき一線
- 傾聴の基本
- ケアする人の対話スキルABCD
- 「死にたい」に現場で向き合う 自殺予防の最前線
- 「死にたい」と言われたら
- 自殺学入門 知っておきたい自殺対策の現状と課題
- いのちの電話を支える
- 電話相談の実際
- プロカウンセラーの共感の技術
- 精神科医はどのように話を聴くのか
- 野の医者は笑う 心の治療とは何か?
- ロジャーズ クライエント中心療法
- カール・ロジャ-ズ入門 自分が自分になるということ
- SNSカウンセリング・ハンドブック
- SNSカウンセリング・ケースブック
- テキストカウンセリング入門
- 遠隔心理支援スキルガイド
- クライシス・カウンセリング
- カウンセリングとは何か
- カウンセリングの話
- 新・カウンセリングの話
- 河合隼雄のカウンセリング教室
- 河合隼雄の"こころ" 教えることは寄り添うこと
- カウンセリングの実際
- 心をはなれて、人はよみがえる
- ころんで学ぶ心理療法
- 「自己発見」の心理学
- 精神科医の本音
- かかわりの途上で
- だれかに、話を聞いてもらったほうがいいんじゃない?
- なんでも見つかる夜に、こころだけが見つからない
- 心はどこへ消えた?
- ケアとは何か
- 物語としてのケア
- 社会的処方 孤立という病を地域のつながりで治す方法
- 望まない孤独
- 「死んでもいいけど、死んじゃだめ」と僕が言い続ける理由
- 臨床のフリコラージュ 心の支援の現在地