プロボノとは?意味・由来・参加方法・ボランティアとの違いを完全解説

プロボノとは?意味・由来・参加方法・ボランティアとの違いを完全解説

📌 この記事でわかること

  • プロボノの正確な意味と語源(ラテン語 Pro Bono Publico =「公共善のために」、米国法曹界由来)
  • プロボノとボランティア・副業・CSR・寄付の違いを1枚にまとめた4軸比較表
  • 2009年のサービスグラント設立から現在までの日本のプロボノ普及史と最新の参加者数
  • エンジニア・デザイナー・マーケター・会計士・弁護士など職種別のプロボノ実例
  • サービスグラント/二枚目の名刺サポートプロジェクト/Code for Japan 等主要マッチングサービス比較
  • 初参加までの5ステップ(自己分析→登録→案件選び→アサイン→納品)
  • 本業圧迫・スコープ膨張・コミュニケーション断絶という3大失敗パターンと回避策
  • パナソニック・三井住友海上・PwC など企業導入事例とボランティア休暇制度との関係
  • 報酬・契約・著作権・社内規程など、参加前に知っておくべきFAQ8選

「プロボノって最近よく聞くけど、ボランティアと何が違うの?」
「自分のスキルで社会貢献したいけど、副業とどう線引きすれば?」
「興味はあるが、本業を圧迫しないか不安」

プロボノ(pro bono)は本業のスキルを生かして社会課題に取り組む新しい社会貢献の形として、ここ10年で急速に日本に広まってきました。一方で、「ボランティアの上位互換?」「副業との違いは?」「企業に内緒で参加してOK?」といった素朴な疑問に体系的に答える情報源は意外と少ないのが実情です。

この記事では、ラテン語の語源から日本での普及史、ボランティア・副業・CSRとの違い、職種別の参加例、代表的なマッチングサービス、5ステップの始め方、企業導入の動向、よくある失敗パターンまで、プロボノに関する全体像を一度で掴めるように体系的に整理しました。
読み終えるころには、自分の専門性を社会にどう貸し出せるか、その第一歩が具体的に見えているはずです。

プロボノとは?意味・語源・現代の定義

プロボノ(pro bono)とは、弁護士・会計士・エンジニア・デザイナー・コンサルタントなど、職業上の専門スキルを持つ人が、その専門性を無償(または実費のみ)でNPOや社会的事業者の支援に提供する活動を指します。 認定NPO法人サービスグラントは、プロボノを「ビジネスで培ったスキルや経験を活かしておこなう社会貢献活動」と定義しており、現代日本ではこの理解が一般的です。

ボランティアが「自由意志に基づき社会のために時間や労力を提供する活動」であるのに対し、プロボノは「専門スキルを提供する」という点が際立った特徴です。たとえば、災害ボランティアが現地で泥かきをするのもボランティア、IT技術者が被災地のNPOに無償で業務管理システムを構築するのがプロボノ、というイメージです。

語源は「公共善のために」を意味するラテン語

プロボノは、ラテン語の pro bono publico(プロ・ボノ・プブリコ)=「公共善のために」を略した表現です。 起源は米国の法曹界で、弁護士が経済的に苦しい人や公益のために無償で法的サービスを提供する伝統に由来します。アメリカ法曹協会(ABA)は会員弁護士に対し、年間50時間以上のプロボノ活動を職業倫理的な目標として推奨しており、現在も米国では弁護士の重要な社会的責務として根づいています。

その後、専門職一般に対象が拡大し、医師・会計士・建築家・コンサルタント・IT技術者・デザイナーなど、あらゆる専門職が「自分のスキルを公益のために使う」という意味でプロボノという言葉を使うようになりました。日本でも2000年代後半以降、ビジネスパーソンの社会参加の代表的な形として急速に定着しています。

「スキルを提供する」がボランティアと決定的に違う

現代日本でプロボノを語るときの本質的なポイントは、「労力ではなくスキルを提供する」という点です。 たとえば次のような違いが挙げられます。

  • 労力提供型ボランティア:清掃、配膳、運搬、見守り、イベント運営など、特別なスキルを必要としない活動。誰でも参加できる
  • プロボノ(スキル提供型):Webサイト制作、業務システム開発、財務分析、マーケティング戦略立案、法律相談、デザイン制作など、本業で培った専門スキルを必要とする活動

プロボノは「ボランティアの上位互換」ではなく、「自分が一番得意な分野で社会貢献する形態」と捉えるのが正確です。一般のボランティアとの全体像の整理はボランティアとは?意味・4原則・種類・始め方を完全解説もあわせてご参照ください。

出典:認定NPO法人サービスグラント「プロボノとは」(servicegrant.or.jp)/American Bar Association「Model Rule 6.1 Voluntary Pro Bono Publico Service」を参照

プロボノとボランティア・副業・CSRの違い|4軸で整理

プロボノはしばしば「ボランティア」「副業」「CSR」と混同されますが、目的・主体・対価・スキルの4軸で整理すると違いがクリアになります。

プロボノボランティア副業CSR
主目的 専門スキルで社会課題を解決 社会・他者のために時間/労力を提供 個人の収入を補完/キャリア拡張 企業の社会的責任を果たす
主体 個人(職業上の専門家) 個人(誰でも) 個人 企業(法人として)
対価 原則無償(実費弁償可) 原則無償(実費弁償可) 金銭報酬あり(労働対価) 企業活動の一部・本業内
スキル要件 本業レベルの専門性が前提 不問(誰でも参加可) 業務遂行に必要なスキル 企業の事業領域に準ずる
関係性 NPO等の支援先との対等な伴走 活動団体への参加 クライアントとの業務委託 ステークホルダーへの責任

💡 プロボノと副業の最大の違いは「対価の主目的」

副業もプロボノも「本業外で専門スキルを使う」という外見は似ていますが、副業は金銭報酬を主目的とした労働契約であり、所得税の対象です。一方プロボノは無償または実費のみであり、原則として税務上の問題は発生しません。 副業との詳しい違いはプロボノと副業の違い|税金・契約・社内規程の観点から徹底比較で解説予定です。

CSRとの違い|企業活動か個人活動か

CSR(Corporate Social Responsibility/企業の社会的責任)は企業が法人として行う社会的活動を指します。一方プロボノは原則として個人が自発的に行う活動です。ただし近年は、企業がCSR活動の一環として「コーポレートプロボノ」を制度化し、社員のプロボノ参加を支援する例が増えており、両者は重なり合う領域も広がっています。 詳しくはCSRとプロボノの違い|企業の社会貢献活動の使い分けもご参照ください。

日本におけるプロボノの広がり|2009年サービスグラント設立から現在まで

日本に「プロボノ」という言葉が一般化するきっかけとなったのが、2009年に法人化された認定NPO法人サービスグラントの活動です。それ以前にも弁護士会の法律相談など個別領域のプロボノは存在しましたが、「ビジネスパーソンが本業のスキルでNPOを支援する」という形を制度化し、案件マッチング型で一般化したのはサービスグラントが嚆矢といえます。

  1. 1

    2005年|任意団体としての活動開始

    現在の認定NPO法人サービスグラントの前身となる活動が、米国Taproot Foundationの仕組みを参考に日本でスタート。チーム型でNPOを支援するモデルの試行が始まります。

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    2009年|サービスグラントがNPO法人化

    NPO法人として正式に発足。Webサイト構築・事業計画策定・マーケティング戦略立案など「成果物(プロジェクト)単位」でNPOを支援する仕組みが本格稼働します。

  3. 3

    2011年|東日本大震災を契機に企業導入が加速

    パナソニック・NEC等の大手企業が、社員のプロボノ参加を制度化。震災を契機に「ビジネスパーソンの社会貢献」への関心が一気に高まります。

  4. 4

    2011年|NPO法人二枚目の名刺 設立

    「本業の名刺の他にもう1枚、社会と関わる名刺を持とう」をコンセプトに発足。3〜4ヶ月のサポートプロジェクトを中心に、若手〜中堅ビジネスパーソンの社会参加を後押し。

  5. 5

    2013〜2020年|地方自治体・コーポレートへ拡大

    東京都「東京ホームタウンプロジェクト」、各都道府県の地域プロボノ事業など、自治体主導のプロボノが広がる。同時に大企業の社員ボランティア制度の選択肢としてプロボノが定着。

  6. 6

    2020年代|オンラインプロボノとマイクロボランティア化

    コロナ禍を契機に、ほぼすべての案件がオンラインで完結するように。サービスグラントの「GRANT」などプラットフォーム型サービスも登場し、地理的・時間的制約が大幅に緩和されました。

認定NPO法人サービスグラントの公式情報によれば、これまでに約2,400件超のプロジェクトが完了し、累計参加者は約6,800人超。連携する企業・自治体・中間支援組織は25社・40機関にのぼり、サービスグラントは30か国60団体が参加するGlobal Pro Bono Networkの日本事務局も務めています。

出典:認定NPO法人サービスグラント 公式(servicegrant.or.jp)/NPO法人二枚目の名刺 公式(nimaime.or.jp)に基づく整理

参加できる職種別の例|あなたのスキルがどう生きるか

プロボノは「特別な肩書きを持つ人だけがやる活動」ではありません。 会社員として日常業務の中で培っているスキルが、そのままNPOの貴重な戦力になります。代表的な職種別の活躍パターンを整理しました。

💻

エンジニア

業務管理ツール構築、Webサイトリニューアル、寄付決済システム導入、データ可視化、シビックテック開発(Code for Japan等)

🎨

デザイナー

ロゴ刷新、パンフレット・チラシ制作、Webサイトデザイン、プレゼン資料テンプレ整備、SNS用ビジュアル作成

📊

マーケター

広報戦略立案、SNS運用方針策定、寄付者ペルソナ設計、Google Analytics分析、メールマーケ設計

📝

ライター・編集者

活動報告書の編集、寄付呼びかけ文のリライト、インタビュー記事作成、団体ストーリーの言語化

📈

コンサルタント

中期事業計画策定、事業評価設計、組織課題の整理、ロジックモデル作成、KPI設計

💼

会計士・税理士

月次決算の仕組みづくり、認定NPO申請支援、会計ソフト導入、内部統制構築、税務相談

⚖️

弁護士・法務

利用規約・プライバシーポリシー整備、契約書レビュー、ハラスメント相談窓口、定款改定支援

👥

人事・採用

採用基準づくり、評価制度設計、ボランティアマネジメント、研修プログラム作成、組織サーベイ

📷

フォト・映像

活動現場の撮影、PR動画制作、クラウドファンディング用映像、SNS用ショート動画編集

「自分のスキルが本当にNPOの役に立つのか不安」という声をよく聞きますが、NPOの多くは慢性的に「ビジネスの基本所作(資料作成・スケジュール管理・ロジカルな課題整理)」を担う人材が不足しています。会社で当たり前にできていることが、現場では大いに歓迎されるケースが少なくありません。 エンジニア向けの具体的なプロジェクト事例はエンジニア向けプロボノ完全ガイド、デザイナー向けはデザイナー向けプロボノで詳しく扱う予定です。

代表的なマッチングサービス|サービスグラント/二枚目の名刺/Code for Japan

プロボノ案件はNPOから直接依頼を受けるケースもありますが、初心者にはマッチング型の中間支援組織を経由するのが安心です。代表的なサービスを比較表で整理します。

サービス名特徴期間形式対象スキル
サービスグラント 日本最大級。チーム型で成果物単位の支援を行う老舗 約6ヶ月 チーム(4〜6人) IT・マーケ・経営・デザイン等幅広い
GRANT(サービスグラント運営) 個人で短期に参加できるプラットフォーム型 1〜3ヶ月 個人または小チーム 多岐
二枚目の名刺サポートプロジェクト 「もう一枚の名刺を持つ」をコンセプトにした若手〜中堅向け 3〜4ヶ月 チーム ビジネス基礎全般
Code for Japan シビックテック領域。地域課題をテクノロジーで解決 継続〜随時 コミュニティ エンジニア・デザイナー中心
東京ホームタウンプロジェクト 東京都の地域課題に特化。サービスグラント運営 約3〜6ヶ月 チーム ビジネス全般
ママボノ 育休中・育児中の女性が参加しやすいよう設計 約3ヶ月 チーム ビジネス全般

🙋 初参加なら「チーム型」がおすすめ

初めてのプロボノは、チーム型の案件を選ぶと精神的なハードルが下がります。一人で抱え込まず、複数のメンバーで役割を分担できるため、本業が忙しい時期の負担を平準化しやすく、メンバー同士の学び合いも生まれます。 まずはサービスグラント、もしくは二枚目の名刺サポートプロジェクトの説明会に参加してみるのが定番ルートです。

マッチングサービスの選び方や説明会の予約方法・登録手順は、プロボノマッチングサイト10選|選び方・登録手順・体験談で詳しく解説していきます。 サービスグラント単体についてはサービスグラントとは?日本最大のプロボノ団体を徹底解説、二枚目の名刺はNPO法人二枚目の名刺サポートプロジェクト解説で深掘りする予定です。

出典:認定NPO法人サービスグラント(servicegrant.or.jp)/NPO法人二枚目の名刺(nimaime.or.jp)/一般社団法人コード・フォー・ジャパン(code4japan.org)公式情報を整理

プロボノ参加の5ステップ|自己分析から納品まで

プロボノは「思い立ったその日に始める」というよりも、自分のスキルの棚卸し→案件選び→アサイン→納品という一連のプロセスを踏んで進めるのが標準です。 一般的な流れを5ステップで整理しました。

  1. 1

    自己分析|提供できるスキルと使える時間を棚卸し

    まず「自分は何が得意で、どれくらいの時間を割けるか」を整理します。
    ・スキル:本業の専門領域、副業で培ったスキル、趣味で得た技能
    ・可処分時間:週あたり何時間/月あたり何時間(最低でも週2〜3時間が目安)
    ・参加形式:チームで動きたいのか/個人で短期完結したいのか
    所要:30分〜半日

  2. 2

    マッチング団体に登録|説明会への参加が定番

    サービスグラント・二枚目の名刺等のマッチング団体に登録します。初回はオンライン説明会に参加して仕組みを理解するのが一般的。 登録は無料で、登録した時点で何かに参加する義務は発生しません。
    所要:説明会1〜2時間+登録30分

  3. 3

    案件選び|興味あるNPOと役割を選定

    公開される案件リストから、「分野」「期間」「役割」で絞り込みます。 初参加なら、自分のスキルが100%フィットする案件よりも、「8割マッチ+2割は新しい挑戦」というバランスがおすすめ。学びにもつながります。
    所要:1〜2週間

  4. 4

    アサイン・キックオフ|NPOとチームメンバーと顔合わせ

    選考またはマッチング後、キックオフミーティングでNPO側の課題・成果物の定義・スケジュールを確認します。 ここで「ゴールと納期と役割」を文書化しておくと、後のスコープ膨張を防げます。
    所要:キックオフ2時間+準備

  5. 5

    プロジェクト遂行・納品|定例MTG+成果物の引き渡し

    週1〜隔週でオンライン定例MTGを行い、進捗を確認しながら成果物(Webサイト・事業計画書・分析レポート等)を制作。 完成後は納品+運用引き継ぎまで行うのがプロボノの完成形。3〜6ヶ月で1プロジェクトが標準的な期間です。
    所要:3〜6ヶ月/週2〜5時間

💡 もっと詳しい始め方は別記事で

週あたりの所要時間の目安、応募メールの書き方、初回キックオフでの自己紹介テンプレート、納品後の振り返り方まで含めた完全マニュアルは、プロボノの始め方ガイド|初参加までの5ステップ完全版で別途展開予定です。

プロボノのメリット・デメリット|参加前に必ず知っておきたい両面

プロボノは「自分のスキルが社会に役立つ」というポジティブな面が強調されがちですが、本業との両立や責任の重さなど特有の難しさもあります。両面を率直に整理します。

メリット

  • 普段会わない業界・職種の人と協働でき、ネットワークが広がる
  • 本業では得られない「経営層と直接話す」「ゼロから提案する」等の経験
  • 自分のスキルの「市場価値」を社外で確認できる
  • 転職・キャリア再設計の「もう1枚の名刺」として活用可
  • 社会課題への解像度が上がり、本業のアウトプットも変わる
  • 仕事と家庭以外の「サードプレイス」を持てる

デメリット・注意点

  • 本業繁忙期と重なると「両立困難」になりやすい
  • 無償ゆえに「途中離脱」のハードルが下がりがち
  • NPOとの意思疎通コストを甘く見ると消耗する
  • 成果物の品質を本業の納品物と同水準に保つプレッシャー
  • 本業の利益相反・情報管理に細心の注意が必要
  • 会社の就業規則・副業規程の確認が必須

メリット・デメリットの詳細解説と、参加前のセルフチェックリストはプロボノのメリット・デメリット完全比較もご参照ください。

プロボノでよくある失敗パターン3つと回避策

複数のプロボノ参加者・コーディネーターから繰り返し聞かれる「3大失敗パターン」を整理し、それぞれの回避策を併記します。

失敗① 本業圧迫|気がつけば睡眠を削っている

プロボノは「やればやるほど」成果が出るため、真面目な人ほど本業の合間に過剰投入してしまう傾向があります。気づけば睡眠時間や家族時間を削っており、結果として本業のパフォーマンス低下や体調不良につながるケースが少なくありません。

回避策:プロジェクト開始時点で「週あたり●時間まで」と上限を文書化し、チームメンバーにも共有する。締切前のスプリント期間以外は、上限を超えないルールを自分とチームに課す。

失敗② スコープ膨張|「ついでにこれも」が止まらない

NPO側に悪意はないものの、関係性が深まるにつれ「これもお願いできますか?」「ついでにこちらも見てもらえますか?」と当初合意したスコープを越えるリクエストが増えていく現象です。プロが入ったことで、それまで諦めていた課題も「相談してみよう」となるためです。

回避策:キックオフ時に成果物・納期・スコープ外項目を明文化した「スコープ定義書」を共有する。追加要望が出た場合は「次フェーズ」または「別プロジェクト」として切り出すルールを最初に共有。

失敗③ コミュニケーション断絶|返信が遅い/連絡が来ない

NPOスタッフは少人数で多業務を抱えていることが多く、定例MTGの返信が滞る・キーパーソンと連絡が取れない等の事態が起きがちです。プロボノ側もボランティアなので催促しづらく、結果としてプロジェクトが立ち消えになる失敗例があります。

回避策定例MTGの曜日・時間を固定し、当日欠席でも資料はSlack等で共有するルールを作る。NPO側のキーパーソンを2人以上確保しておくことも重要。中間支援組織(サービスグラント等)のプロジェクトマネジャーに橋渡しを頼むのも有効です。

企業導入の動向|パナソニック・三井住友海上・PwC・NEC等の事例

近年、大企業がプロボノを正式な人材育成・エンゲージメント施策として導入する動きが広がっています。 背景には、経団連「企業行動憲章」が掲げる持続可能社会への貢献、人的資本経営の潮流、若手社員の社会貢献志向の高まりなどがあります。

主な企業導入事例(公開情報ベース)

  • パナソニック:NPOへのプロボノ支援プログラムを長年継続。社員のチームを編成しNPOの組織基盤強化を支援
  • 三井住友海上火災保険:社員参加型のプロボノ・社会貢献活動を制度化し、「次世代育成」「地域貢献」と連動
  • PwCコンサルティング:コンサル知見を活かしたプロボノ・サービス(戦略立案、業務改善等)を社会的事業者へ提供
  • NEC:ICTスキルを活かしたNPO支援、プロボノ研修プログラムを実施
  • 富士通:DX人材育成と連動した形でNPOデジタル支援プロボノを展開

多くの企業では、プロボノ参加をボランティア休暇制度と組み合わせ、業務時間内・有給扱いで参加できる仕組みを整えつつあります。社内制度として整備されていない場合は、就業時間外(夜・週末)に個人として参加するケースも一般的です。ボランティア休暇の制度設計についてはボランティア休暇制度の作り方|企業導入のポイントもあわせてご参照ください。

⚠️ 参加前に必ず社内規程を確認

プロボノは原則無償ですが、会社の就業規則・副業規程・利益相反規程に抵触するケースがゼロではありません。特に競合領域のNPO支援、機密情報を扱う可能性がある案件は注意が必要です。 不安があれば事前に人事・コンプラ部門に確認するのが安全です。「無償ボランティアだから報告不要」と即断せず、社内規程の文言をよく読みましょう。

出典:一般社団法人 日本経済団体連合会「企業行動憲章」(keidanren.or.jp)/各社公開情報を整理

コーポレートプロボノ導入のメリット

企業側から見たコーポレートプロボノ導入のメリットは、「社会貢献」「社員エンゲージメント向上」「社外スキル研鑽」「採用ブランディング」「事業領域の社会接点拡大」の5点に整理できます。 詳しくは企業がプロボノを導入する5つのメリットで解説予定です。

よくある質問

Q1. プロボノに報酬は本当に出ないの?

原則として金銭報酬はありません。ただし、活動に伴う交通費・通信費等の実費弁償は受け取って問題ありません。報酬を主目的にしたい場合はプロボノではなく副業(業務委託契約)を選ぶのが筋です。詳細はプロボノと副業の違いを参照してください。

Q2. 本業との両立は本当にできる?

標準的な案件は週2〜5時間の稼働を想定して設計されており、フルタイム会社員でも参加可能です。重要なのは「上限時間を最初に決めて守る」こと。チーム型を選び、繁忙期はメンバーにフォローしてもらえる体制を作っておくと安全です。

Q3. 案件期間はどれくらい?短期も可能?

サービスグラントの本格チーム型案件は約6ヶ月、二枚目の名刺サポートプロジェクトは3〜4ヶ月が標準です。短期で参加したい場合は、サービスグラント運営の「GRANT」のような1〜3ヶ月の小規模案件から始めるとハードルが下がります。

Q4. 何か契約は必要?秘密保持契約とか?

マッチング団体経由の場合、参加規約や秘密保持に関する誓約書を登録時にチェックする形式が一般的です。NPOから直接依頼を受ける場合は、簡易なNDA(秘密保持契約)を交わしておくと双方安心です。著作権の帰属についても、契約や誓約書で確認しておくのが望ましいでしょう。

Q5. 海外NPOにも参加できる?

はい。サービスグラントは30か国60団体が参加するGlobal Pro Bono Networkの日本事務局を務めており、海外案件への参加機会も提供されています。英語力や時差調整は必要になりますが、オンライン化により海外プロボノのハードルは大きく下がっています。

Q6. フリーランス・無職でも参加できる?

はい。会社員でなくても参加できます。フリーランスの場合は新規顧客獲得の場としても活用される例があり、育休中・転職活動中の方が次のキャリアを探る場として参加するケースも増えています。「ママボノ」のように育児中の方向けに設計されたプログラムもあります。

Q7. 成果物の著作権はどうなる?

マッチング団体経由の案件では、原則としてNPO側に著作権・利用権を譲渡または許諾する形が一般的です。プロボノ参加者は実績として「ポートフォリオ掲載可」とされる場合が多いですが、団体・案件ごとに取り扱いが異なるため、キックオフ時に必ず確認しましょう。

Q8. 会社に内緒でプロボノに参加しても大丈夫?

就業時間外で無償のプロボノは、副業規程の対象外と整理する企業も多いですが、「届出が必要」「競合領域は不可」「機密情報の取扱注意」など、会社ごとに方針が異なります。リスク回避の観点から、事前に就業規則を確認し、可能なら上長か人事に一言伝えるのがおすすめです。

まとめ|「自分の専門性を社会に貸し出す」という新しい働き方

プロボノは、本業のスキルを無償で社会課題解決に提供する活動です。 語源はラテン語の pro bono publico=「公共善のために」。米国法曹界に始まり、現在は職種を問わず、「自分の得意なスキルで社会に役立つ」という社会参加の代表的な形として定着しています。

日本では2009年のサービスグラント法人化を起点に普及が進み、現在は約2,400件超のプロジェクト・累計6,800人超の参加という規模に成長。コロナ禍以降のオンライン化で参加ハードルはさらに下がり、地方在住・育児中・フリーランス・経営者など、誰もが取り組める活動になりつつあります。

プロボノの本質は、「自分の専門性を社会に貸し出す」という発想です。会社という枠の外で自分のスキルを試す経験は、本業の視野を広げ、キャリアの選択肢を増やし、何より「自分の仕事は誰かの役に立っている」という確信を取り戻させてくれます。 まずは説明会への参加、もしくは1〜3ヶ月の小規模案件から、第一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。

ココトモでは、プロボノに関する具体的な始め方・サービス比較・職種別の事例を継続的に発信しています。 一般のボランティア活動から段階的に始めたい方はボランティアとは?意味・4原則・種類・始め方を完全解説、自宅から参加できる活動を探している方はオンライン・在宅ボランティア完全ガイドもあわせてご活用ください。

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