よつば加納クリニック

star主な特徴

  1. カウンセリングは患者さん自身の問題に取り組む気持ちを大切にします。

    ​患者さんの状態によってはお薬を使うことよりもお話をゆっくり聞いたり、助言をしたり、対策を考えたりすることの方が重要である場合も少なくありません。そういったケースではカウンセリングをお勧めすることがあります。心理学の専門家である公認心理師が医師の指示のもと、お話を伺いアプローチを検討します。何をテーマにするか、どのように進めていくかなど患者さんとカウンセラーが話し合って、納得しながら実施します。1回のセッションは40分以内です。医師の指示のもとに行いますので同一日に診察を併せて行います。時間を確保した上でご予約を受け付けますので、1回につき3,300円(税込)の外来予約料(選定療養費)を頂きます。​カウンセリングをご希望の方は医師または受付にご相談ください。心療内科、精神科いずれもご利用頂けます。

    ※稀にご本人が希望していないにも関わらず、周囲の方が無理にカウンセリングを受けさせようとする場合がありますが、当院では主体性を大切にしておりますので強制は致しません。ご了承ください。

  2. アルコール外来

    私はお酒が好きですが、お酒は立派な薬物であり使用法を間違えると大変なことになることを知っています。患者さん本人のみならず、家族を中心とした沢山の人々が大変な苦悩を抱えます。本人がまだ病院に来る気持ちになれなければ、家族だけでも受診できます。当院では家族や支援者を対象にしたプログラムも準備しています。まず話だけでも構いません。孤立しないことが重要です。

  3. 精神科訪問診療

    自宅や入所施設で療養をしている方のうち、単独での通院が困難な方に対して医師が計画的にご自宅等へ訪問し診療をする制度です。訪問薬剤管理指導に対応している薬局を利用することで、お薬の受け取りも自宅でできます。当院は24時間対応型のクリニックではありません。通常の精神科外来診療をご自宅等で受けられる、とイメージして下さい。

    対応困難例もご確認下さい。

  4. 必要最小限の薬物療法

    しばしば患者さんから「お薬を使わずに治したい」「癖になりそうで怖い」「自分が変わってしまいそうで不安」など、お薬に対する不安の言葉が聞かれます。これは非常に理解できる不安です。もし私が患者だったとしたら、やはり同じように感じると思いますし、お薬はできるだけ飲みたくないと思います。しかし本当にその感情だけで判断してよいのか考えなければなりません。

     当院の薬物治療に対する考えは「必要最小限の薬物療法」です。可能な限り少ないお薬で治療する、だけど必要な量は使わなければならない、という意味です。

     精神科で扱う病気には、統合失調症や中等症以上のうつ病、躁うつ病、てんかんなどのように、科学的にお薬の有効性が調査されていてお薬が治療の中で大きな役割を持つ病気と、適応障害やパーソナリティ障害、摂食障害などのように、お薬はあくまでも治療の補助という病気があります。

     お薬を使わないと良くならない病気にお薬を使わないことは不合理です。その人の症状をコントロールするために必要最小量のお薬を使います。お薬よりも別の治療法が効果的である病気にお薬をたくさん使うことも、やはり不合理です。すべてのお薬には副作用リスクがあり、そのリスクをメリットが上回るからこそお薬を使うのですから、メリットが乏しければ使わない方がよいということになります。

     患者さんの考えや気持ちを尊重した上で、必要な場合はお薬を飲んで頂きたいと助言しますし、必要以上のお薬は飲まないで頂きたいと、正直にお伝えします。

    ​ 薬物治療を行う場合は副作用が起こらないか常に注意をします。お薬を使う場合には、原則として単剤(たくさんの薬を併用しない)で少量から開始し状態を見ながら効果的な量を探していきます。もしも副作用が出た場合は、代替する薬剤がある場合はお薬の種類を変えます。副作用止めのお薬を安易に使うと、更にそのお薬で副作用が出ることがあり、更にその副作用を抑えるお薬を使って・・・とお薬がどんどん増えることになりますので、どうしても必要な場合以外はお勧めしていません。

     副作用は目に見える症状ばかりではなく、肝臓や腎臓の障害、糖代謝異常、ホルモン値の異常として出る場合もあります。そのため、お薬の治療を受けている方は数か月に1度は採血の検査をして、問題がないことを定期的に確認するようにしています。

event_note診療時間

時間
08:00~12:00
13:00~16:30
隔週で月曜日または土曜日がお休みです。
火曜水曜午後は訪問診療になります。

location_on住所・アクセス

住所 〒889-160
宮崎県宮崎市清武町加納字西迫乙341-1
アクセス・行き方 JR日豊本線(佐伯~鹿児島中央) 加納駅「徒歩9分」

school院長紹介

院長: 長友恭平院長

精神疾患の中には、早期に医療が介入することによって早期回復が見込めるものもあります。そのため、少しでも困ったことがあればお早めにご相談いただきたいです。中には「これくらいの不調は病気じゃないかも」と考えて、心療内科・精神科の受診を先延ばしにする方もいますが、私は結果として病気ではなかったとしても「病気ではなかった」ということがわかるだけで安心する部分があるのではないかと思っています。当院は「気軽に来られるクリニック」をめざしていますので、あまり身構えすぎず、気楽にご相談いただけるとうれしいです。

経歴

宮崎市生まれ

平成18年 宮崎大宮高校普通科卒業

平成24年 宮崎大学医学部卒業後、宮崎生協病院で初期臨床研修医

平成26年 社会医療法人同心会 古賀総合病院精神科・外科(麻酔研修)

平成28年 社会医療法人如月会 若草病院精神科(常勤)

      社会医療法人同心会 古賀総合病院外科麻酔(非常勤2年)

​令和4年3月 よつば加納クリニック開院

home基本情報

施設名 よつば加納クリニック
診療科目
  • 心療内科
  • 精神科
アピール
  • 土曜診療
  • 駐車場有
  • クレジットカード決済
電話番号 0985713478
メールアドレス yotsubakanoclinic@gmail.com
住所 〒889-160
宮崎県宮崎市清武町加納字西迫乙341-1
HP https://www.yotsubakano.com/
ブログ 無し
SNS https://www.instagram.com/yotsuba.kano.clinic/

questionよくある質問

  • 心療内科と精神科、どちらに受診すべきか悩む方は多いと思います。イメージ的には内科という言葉が入っている心療内科の方が、受診しやすい印象があるのではないでしょうか。内科が専門の医師が標榜していることもありますし、私のように精神科が専門の医師が標榜していることもあります。それぞれの利点を私なりにご説明します。



    心療内科とは

     心療内科には内科という言葉が含まれることから分かるように内科から発展した診療科目です。吐き気や頭痛、倦怠感、胃痛、動悸、息切れ、高血圧、下痢便秘、喘息など、様々な身体的症状が精神面の不調により生じる場合があるのですが、これらは身体の異常として自覚されるため、ほとんどの患者さんはまず内科を受診します。ですが内科で様々な検査をしても異常が見つからず、お薬の治療を受けてもすっきり良くならない。どうしたことかとお医者さんが悩んであれこれ考えてみると、患者さんのストレスになる要因が隠れていることが多いことが分かりました。このようにストレスが原因で体の症状がでる病気を心身症と言います。身体面と心理面の両方から治療を行い最終的に自覚される症状を緩和することを目標としています。多角的に検査をして身体の病気をまず否定しなくてはならないので、精神科よりも詳しい身体検査ができる内科の方が心身症を診断しやすいというメリットがあります。当院では心療内科にも対応できるよう、血液検査、尿検査、心電図検査、胸腹部超音波検査、心臓超音波検査に対応しています。



    精神科(神経科ともいう)とは

     イライラする、落ち着かない、悲しくなる、不安になる、興奮する、眠れない、物忘れが多い、集中力が低下した、興味がわかない、依存している、悪口を言われている気がする、監視されている気がする、こだわりが強い、人と違う考え方をするなど、体の症状というよりは気持ちや感覚の症状について診療する科が精神科です。これらの症状を引き起こす原因は様々で、甲状腺機能異常や副腎機能異常のように脳以外の臓器に異常が見つかることもありますし、ストレスや本人の生まれ持った特性が原因になっている場合もあります。認知症や統合失調症、躁うつ病、うつ病などのように、脳の機能異常が原因で発症する病気も多くあります。検査をしても異常がわからない病気が多く、経過や症状から原因を推測して治療しなくてはならないことがほとんどです。治療法は原因によって異なり、お薬の治療やカウンセリング、訓練や教育、生活環境調整など様々な手法を用います。専門的な治療を受けられることや、心理検査が受けられること、医療費補助(自立支援医療制度)を受けられることがメリットです。

  • 内科クリニックに比べて心療内科や精神科は受診ハードルが高いように感じられることが多いと思いますが、結論から言いますと、ちょっとしたことで受診して良いです。受診してみて、「病気ではないですよ」「治療は必要ないですよ」という結論だったら何よりだと思いますし、少しの内服や休養、カウンセリングで良くなる程度の時期に来てもらえたら治療が難渋しなくて済むので医師としても楽なのです!



    そうは言っても真面目な患者さんの中には基準がないと受診しにくいという方もいらっしゃるかもしれないので、よつば加納クリニック流の受診基準を作りました。



    質問 主な症状は下痢便秘、頭痛、しびれなどの身体の症状ですか?それとも気持ちが落ち込む、眠れない、変な声が聞こえる、物忘れが多いなど、その他の症状ですか?

    →身体症状の方は心療内科へ

    →その他の症状の方は精神科へ



    以上です。



    このページを見て受診するかしないか悩んでいる時点で、ある程度は困っていたり心配だったりするのだと思います。ですので、大まかにどちらに行けば良さそうか、だけ分かればOKです。何を話せばいいか分からない、という方もいらっしゃいますが大丈夫です。こちらから必要な質問はしますので、困っているならとりあえず受診すればよいです。



    よつば加納クリニックでは心療内科・精神科いずれも対応致します。しっかり身体疾患の検査もして、もし別の診療科に行った方が良さそうな場合はご紹介しますので、お気軽にご相談下さい。

  • 時々この相談を受けることがあります。結論から言いますと、保険診療を受けたことは家族が気付く可能性があります。会社にはわからない可能性が高いです。病院で保険証を使って保険診療を受けたとき、患者さんが窓口で支払う医療費は全体の1~3割のみで、残りの7~9割は医療機関が保険者に請求し後日支払われます。保険者からお勤めの会社に対して、各職員の保険請求内容が通知されることはないため、単に受診しただけで会社に伝わるということは考えにくいですが、年度末には勤務先に医療費のお知らせが郵送される(会社は見られない)ため、それを自分以外の家族が見れば受診に気付かれることはあると思います。(任意継続被保険者は自宅に郵送)

    ​精神科の心理的ハードルが下がり、このようなことを気にすることなく、だれもが気軽に受診できるようになると良いと思います

  • 医療の性質上、健康や命に大きな影響を及ぼす可能性がある判断(服薬、検査、副作用等)を患者さんに求めることがありますが、法律上、未成年者単独では完全な判断能力が認められていません。そのため、当院では18歳未満の未成年者が受診を希望する場合は以下のルールに基づいて判断します。



    ①15歳に満たない方の受診は保護者(両親、親権者、後見人、その他委任状を受けた成人)の同伴と診察同席をお願いします。

    ②15歳~17歳の方は単独受診が可能ですが、初めに治療に関する保護者の同意書が必要です。(③を除く)

    ③16歳以上の方で、すでに就労しており保険証(本人)をお持ちの方は十分な理解判断能力があると考え、成人と同様に扱います。

    ④医療を受けるかどうかの判断は原則として本人の人格権を尊重しますが、内因性疾患(例:統合失調症など)の病状により影響を受けていると考えられる場合は保護者の意見を優先する場合があります。



    ​なお令和4年7月21日から新規カウンセリングを制限しておりますので、投薬が主な治療となる方以外は未成年者の新規受診をお断りしております。ご了承下さい。



    ご不便をおかけしますがご了承下さい。未成年者のみでの外来受診に関する同意書はこちら。

  • 精神科以外でもデイケアは行っていますが、ここでは精神科のデイケアについて記載しています。



    デイサービスとデイケアの違いは

     よく混同されるのがデイサービスとデイケアです。精神科の医療機関で行っているのはデイケアになります。サービスというのは人のために尽くすこと、奉仕という意味がある言葉です。デイサービスは主に高齢者が快適に過ごすことを目的に利用します。

    ケアは世話をすること、看護などの意味があります。デイケアは別名通所リハビリテーションとも呼ばれ、医師からリハビリが必要と判断された人に対して機能回復を目的としたケアをする場所です。



    精神科デイケアの目的

     社会生活機能の回復を目的としています。精神障害があっても仕事ができたり、学校に通えたり、自宅で快適に生活したりできるようになることが目的です。



    精神科デイケアの種類

    利用する時間の長さによって区分があります。

    3時間:精神科ショートケア

    4時間かつ16時以降:ナイトケア

    6時間:精神科デイケア

    10時間:精神科デイナイトケア

    ショートケア以外では食事の提供が受けられる事業所も多くあります。



    精神科デイケアの良いところ

     人間という生き物は住む場所と社会的役割がしっかり確保できると調子が良くなると個人的には感じています。精神疾患を持つ方が失いやすいのが社会的役割です。入院治療が長期化して失職したり、若いころから引きこもって就労経験がなかったり、復学や就労できないとレッテルを張られていたり自分で張っていたりします。家に閉じこもってご飯を食べているだけではだれでも調子が悪くなります。デイケアは仕事ではないので、患者さんにノルマのようなものはなく、参加する上での心理的負担は少ないと思います。まずはデイケアで定期的に自宅外に出ることや、多少他人と関わる練習をしてもらい、生活リズムができてから段階的に、就労を意識した社会技能訓練などを経て就労系事業所や一般就労につなげることができます。いきなり仕事をするのは誰でも不安です。中間段階としてデイケアを挟むと良いと考えています。

  • 精神医療について知っていただく事で、少しでも余計な不安や心配を減らすことができればと思い入院についてまとめました。



    入院の種類

     精神科病院にはいくつかの入院形態があります。簡単に説明しますと以下の通りです。

    (概説なので細かい規定は省いています)

    任意入院

    他科の入院と同じです。精神疾患で入院治療が必要な方が「入院して治療を受けます。」と自分で判断した場合に任意入院となります。任意ですので退院も基本的に自由です。責任ある行動や判断ができる状態の方はこの入院形態となります。例外的に病状によっては72時間を上限に退院を制限されることがあります。

    医療保護入院

    精神疾患のため入院治療が必要と精神保健指定医(精神科の国家資格者)が判断しているが、本人は病気の影響等で治療を受けるかどうか、治療が必要かどうかの判断ができず、家族が代わりに入院判断をした場合は医療保護入院になります。理解判断能力が病気によって影響を受けているという点がポイントです。

    応急入院

    医療保護入院に該当する状態の方で家族と連絡がつかないなどの理由で医療保護入院にできない時、72時間に限り家族の同意なしに応急入院となる場合があります。時間内に別の入院形態に変更できない場合は退院となります。

    措置入院

    精神疾患のため自分や他人の身体、財産に影響するような行動がみられる方で、2名の精神保健指定医の診察の結果、いずれも入院が必要と判断した場合は措置入院になります。本人や家族の同意は不要です。知事命令の入院となるため、医療費は無料となります。夜中や休日などで名の精神保健指定医による診察が難しい場合は、一旦1名の指定医診察のみで緊急措置入院とする場合があります。そののち、できるだけすみやかに2名の指定医による措置診察が行われます。

    医療観察法の入院

    精神疾患が原因で重大な他害行為を行い、治療が必要と判断された場合は医療観察法の入院になります。通常の入院とは扱いが異なるため、ごく一部の限られた病院でしか対応はできません。



    何のために強制性のある入院制度があるのか

     これらの入院制度はあくまでも、精神疾患の患者さんが治療や保護を受ける権利を保障するためにあります。精神疾患は思考判断力に影響を及ぼすことがあり、本人の自由意志に委ねてしまうと必要な治療などが受けられない場合があるのです。例えば配偶者に対する嫉妬妄想が生じたケースで説明します。明らかに真実ではない状況で「妻が誰それと不貞行為をしている」などと信じ込み、時には暴力等に発展する場合があります。本人に治療を受けるよう説得しても、「不貞をしている妻が悪い、なぜ俺が薬を飲む必要があるのか」と聞く耳は持ちません。ここで本人の意思を尊重して治療を受けさせなかった場合、家族関係は破綻し、いつまでも患者さんは妄想に支配されて生活をすることになります。このように精神疾患が原因で、治療や保護の必要性を本人が理解できない場合は多々あるため精神科には強制的な入院の制度があるのです。入院はあくまでも治療のための方法の一つであり目的ではありません。入院をすることが患者さんの治療のためになるかどうか、というところが基準になると考えて頂ければ概ね間違いないと思います。



    理解判断能力がある患者が入院を拒否した場合

     精神疾患はあるものの、理解力や判断力が影響されていない方の場合は、強制入院は成立しません。たとえ症状が強く出ていても、自分の置かれている状況や治療の選択肢、治療を受けなかった場合の結果を理解した上で、入院以外の治療選択をする場合は本人の意思が尊重されます。その結果、人に迷惑をかけてしまったり、法に触れたりした場合は法律に則って対処されます。



    間違いに備える制度があります

     本当は任意入院にすべき人を医療保護入院にしてしまったり、必要以上に行動制限をしてしまったりしていることが絶対に無いとは言い切れないため、患者さんや家族が入院や行動制限に納得できない場合は、退院請求という制度を利用することができます。強制入院の際には必ず患者さんに告知する決まりになっており、病棟内の公衆電話横などにも相談先を掲示することが決められています。退院請求をすると、県から精神保健指定医や弁護士が派遣され、適切な対応を行っているか調査してもらうことができます。



    精神科はどうして入院が長期になりやすいのか

     いくつか要因があります。

    ①患者さん自身に病気であるという自覚がない場合があり(病識がない、と表現します)内服などの治療指示に従って頂けない場合があるため、説得や教育に時間がかかることがあります。

    ②病気によっても違いますが、効果が出るまでに時間がかかるお薬が多いことも原因です。例えば抗うつ薬は飲んだ翌日に効果が出て元気になるわけではなく、十分な量投与してから4週間程度経たなければ効果判定が難しいです。最初は少量で副作用が出ないことを確認したうえで、徐々に増量していきますので、十分量投与できるようになるまでにも時間がかかります。

    ③病院で調子が良くても自宅環境で調子が崩れないとは限らないため、入院中に試験外出や試験外泊を行って再発がないことを確認したうえで退院しなければならない場合があります。

    ④退院支援に時間がかかることがあります。退院する住所がない場合や、生活できる経済力がなく生活保護申請をしないといけない場合があります。家族が不安がって退院に消極的な場合もあります。退院後にサービスを利用するため介護保険の申請や、障害福祉サービスの利用申請が必要な場合もあります。(手続きに1ヶ月以上かかります)



    一番大切なことは主治医との関係性(※個人的な意見です)

    これは外来でも入院でも当てはまることですが、個人的に最も大切だと思うことは主治医が信頼できるかどうか、だと思います。精神分野は画像や血液検査で病気の原因や改善度が分からないため、基本的に主治医の見立てを基準にして治療が進みます。患者さんが意見を主治医に伝えることができ、「理解してもらった上で治療をしてくれている」、「この先生はちゃんと自分を良くするために最善を尽くしてくれる」と感じられれば不安もずいぶん和らぐのではないでしょうか。人間ですから相性もあります。たとえ主治医が良い方であっても、なんとなく合わないと感じる場合はあります。そういう時は主治医を変えてみることもひとつの選択肢だと思います。病状的に主治医を変えない方が良い場合もありますが、その時は主治医がちゃんと伝えてくれると思います。

  • 精神科が怖いと感じる理由の一つは閉鎖病棟だと思います。牢屋のようなところに閉じ込められるのでは、二度と出られないのではと不安になりませんか?ほとんどの方からはブラックボックスのような精神科病院ですから、少し説明をしてみます。



    病棟は大きく別けて2種類

    開放病棟

    鍵のかからない病棟です。ふつうの内科や外科と同じような入院と考えて下さい。精神疾患が原因で入院が必要であっても、しっかりと論理的に考えて責任ある行動ができる人はたくさんいらっしゃいます。そういった、行動を制限する必要がない方は開放病棟に入院になります。例外として、患者さん自身が閉鎖病棟を希望した場合や、開放病棟に空きがない場合で患者さんが閉鎖でも良いと同意した場合は、閉鎖病棟に入院してもらうことがあります。

    閉鎖病棟

    病棟の出入り口に鍵がかかる病棟です。部屋に鍵がかかるわけではありません。精神疾患が原因で行動が影響されてしまう患者さんや、治療しないとまずいんだけど、本人に病気の自覚がなくて逃げ出してしまうなど開放環境では治療が成立しない患者さんが入院する病棟です。病棟内では自由に行動できますが、病状によってさらに行動を制限しないといけない場合があります。刃物や火器など、事故の原因になるものは持ち込みが制限されます。持ち込み制限は各病院の規定によります。



    病室は個室か大部屋(2床以上)か

    大抵の病院は比率的には大部屋が多いのではないかと思います。何人部屋かは病院によって異なります。2床の場合もありますし、大規模な大部屋もあるようです。昔の精神科病院には和室も多くあったそうですが、最近は少ないと思います。個室については病院によって扱いが違います。差額室料という個室代を頂いて希望する方に個室を利用してもらう病院もありますし、特別な料金は頂かない代わりに患者さんの希望では利用できず、病状によって大部屋や個室を使い分ける場合もあります。



    保護室

    壁や床が柔らかい素材でできていたり、ドアが二重になっていたり、頑丈な作りになっている部屋です。だいたい看護ステーションの近くにあって、観察のためにカメラが付いている場合もあります。(トイレは映りこまないように配慮してあります)病状で暴れてしまう患者さんや、大声を出し続けてしまう患者さんなどが一時的に使用します。ほかにも認知症やてんかんなどで転倒のリスクが高く厳重な見守りが必要で、万が一、転倒した場合の怪我を少しでも防ぎたい場合にも使用されるかもしれません。作りは病院によって異なります。壁の一部が金属棒になっている場合があります。これは保護室の外から一人の職員が患者さんを保持し、保護室内の別の人間が退出する際に患者さんが一緒に飛び出してしまわないようにしたり、激しい患者さんに安全に物を渡したりする場合に使用されるようです。金属棒の壁面がない保護室も多いです。



    隔離と身体的拘束

    隔離とは病室のドアに鍵をかけることです。隔離中の患者さんは個室から出られない状態になります。例えば刺激に反応して調子が悪くなり、暴れて本人や周囲が怪我をしてしまいそうな場合などで、隔離以外の方法では安全が確保できない場合などに行います。ほかにも、裸になって歩き回ってしまうとか、本来その患者さんではありえないような言動を繰り返してしまい、患者さんの安全や名誉を守るためにほかの患者さんとは生活域を区別したい場合などにも隔離をすることがあります。

    身体的拘束は手足や体を専用のベルトで固定して動きを制限することです。通常ベルトはベッドフレームなどに固定して使用します。例えば暴れている患者さんを隔離したものの、室内でドアや壁を殴り続け、怪我をしてしまうような場合に行います。身体的拘束は状況が切迫していて、他の方法では安全が確保できない場合に一時的な処置として行われます。

    隔離や身体的拘束は強く患者さんの人権を制限するため、精神保健指定医による必要性判断が求められたり、看護師の頻繁な見回りや医師の毎日複数回の診察が義務付けられていたりとルールが厳しく決められています。

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