ユキの日記『精神科病院に入院した話。』
visibility23 edit2026.04.07
こんばんは、ユキです。
今回は、精神科病院に入院していた時のことを書いてみます。
とある日、私は解離性障害を起こしました。
夫に誘拐されたと思い込み、「トイレに行く」と言って、リビングから出ました。
そして、玄関のドアをそっと閉めて、自宅から逃走しました。
あわてた夫は警察に頼み、幸い、素足で歩いていたユキは保護されました。
さて。
このままユキを自宅に帰すわけにはいかない。
医療保護入院で、精神科病院の、保護室に入れられました。
いや、正確には、保護室が満室だったので、廊下にベッドを置かれ、
逃走しないよう身〇拘束され、オムツを履かされ、寝かされました。
廊下には、時計がありました。
見ると、夜の22時くらいだったでしょうか。
同じく、保護室に入れず、私からは見えない場所に寝かされている、
おじいさんの声が聴こえてきました。
「おーい! この変な、縛ってあるヤツ、取ってくれ!」「縛られて痛い!」「痛くて眠れない!」
私は、大声で話しかけました。
「おじいさんも縛られているの?」
おじいさんも、大声で返事をしてくれました。
「そう、痛くて痛くてツラい!」
私「おじいさんの名前は何て言うの?」
彼「山田!(仮名)」
「山田さんは、どんなことが好きなの?」
「野球!」
「どこのチームが好きなの?」
「巨人! でも、ここには新聞もないし、縛られて動けないから、勝ってるかどうかも分からない。勝敗が知りたい!」
そこまで話したところで、夜勤の看護師さんが、巡回に来ました。
「あんたら何を大声で喋っとるんだ! もう夜なんだから、さっさと寝ろ!」。
私「看護師さん! いま、巨人、勝ってる?」
看護師「そんなの知るか! とにかく、さっさと寝ろ!」
看護師さんが去った後も、会話は続きました(笑)
私「縛られるの解けたら、何やりたいですか?」
彼「コーヒーが飲みたいなぁ。ブラックのやつ。入院してから、ずっと飲んでないから、早く飲みたい」
「私もブラック派なんですよ。一緒ですね。ブラックコーヒー、美味しいですよね」
看護師さんの巡回で何度も怒られながら、やっと眠くなり、2人とも静かに眠りました。
あの時の夜勤の看護師さん、申し訳ございません・・・
でもね、解離性障害で、自分が何が何だか分かってないのに、
初対面(対面せず声のみだけど)の山田さんとは、会話を楽しめちゃったのです。
なんでだろうね(笑)
結局、山田さんと、顔を合わせることはありませんでした。
どこかで元気に、ブラックコーヒーを飲みながら、
スポーツ新聞を読んで、巨人の勝敗に一喜一憂していることを、願っています。
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