ユキの日記『精神科病院に入院した話。』

こんばんは、ユキです。

今回は、精神科病院に入院していた時のことを書いてみます。

とある日、私は解離性障害を起こしました。
夫に誘拐されたと思い込み、「トイレに行く」と言って、リビングから出ました。
そして、玄関のドアをそっと閉めて、自宅から逃走しました。

あわてた夫は警察に頼み、幸い、素足で歩いていたユキは保護されました。

さて。
このままユキを自宅に帰すわけにはいかない。

医療保護入院で、精神科病院の、保護室に入れられました。

いや、正確には、保護室が満室だったので、廊下にベッドを置かれ、
逃走しないよう身〇拘束され、オムツを履かされ、寝かされました。

廊下には、時計がありました。
見ると、夜の22時くらいだったでしょうか。

同じく、保護室に入れず、私からは見えない場所に寝かされている、
おじいさんの声が聴こえてきました。
「おーい! この変な、縛ってあるヤツ、取ってくれ!」「縛られて痛い!」「痛くて眠れない!」

私は、大声で話しかけました。
「おじいさんも縛られているの?」

おじいさんも、大声で返事をしてくれました。
「そう、痛くて痛くてツラい!」

私「おじいさんの名前は何て言うの?」
彼「山田!(仮名)」
「山田さんは、どんなことが好きなの?」
「野球!」
「どこのチームが好きなの?」
「巨人! でも、ここには新聞もないし、縛られて動けないから、勝ってるかどうかも分からない。勝敗が知りたい!」

そこまで話したところで、夜勤の看護師さんが、巡回に来ました。
「あんたら何を大声で喋っとるんだ! もう夜なんだから、さっさと寝ろ!」。

私「看護師さん! いま、巨人、勝ってる?」
看護師「そんなの知るか! とにかく、さっさと寝ろ!」

看護師さんが去った後も、会話は続きました(笑)

私「縛られるの解けたら、何やりたいですか?」
彼「コーヒーが飲みたいなぁ。ブラックのやつ。入院してから、ずっと飲んでないから、早く飲みたい」
「私もブラック派なんですよ。一緒ですね。ブラックコーヒー、美味しいですよね」

看護師さんの巡回で何度も怒られながら、やっと眠くなり、2人とも静かに眠りました。

あの時の夜勤の看護師さん、申し訳ございません・・・

でもね、解離性障害で、自分が何が何だか分かってないのに、
初対面(対面せず声のみだけど)の山田さんとは、会話を楽しめちゃったのです。

なんでだろうね(笑)

結局、山田さんと、顔を合わせることはありませんでした。
どこかで元気に、ブラックコーヒーを飲みながら、
スポーツ新聞を読んで、巨人の勝敗に一喜一憂していることを、願っています。

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