就労移行支援と就労継続支援の違いを徹底比較【失敗しない選び方】

就労移行支援と就労継続支援の違いを徹底比較【失敗しない選び方】

📌 この記事でわかること

  • 一行結論:就労移行支援は「一般就職に向かうための訓練サービス(2年上限)」/就労継続支援は「働く場所そのものを提供するサービス(期限なし)」
  • 就労移行支援・就労継続支援A型・B型の3者比較表(目的・期間・対価・年齢・雇用契約など)
  • 迷ったらここを見る診断フローチャート(YES/NOで進む判定木)
  • 移行支援2年終了後に継続支援へ/継続支援からステップアップで移行支援へ──サービス間の移動ルート
  • 原則併用できない受給者証の仕組みと、例外的に併用できるケース
  • 2025年10月開始の「就労選択支援」でアセスメントを受けるという新しい選択肢
  • 失敗しない選び方の10チェックポイントと、よくある質問7問

「就労移行支援と就労継続支援って、どう違うの?」
「A型とB型、さらに移行支援……結局、自分はどれを使えばいいの?」
「2年経ったら追い出されるって本当?その後どうなるの?」

就労支援事業所を調べ始めると、似た名前のサービスがいくつも出てきて混乱します。とくに「就労移行支援」と「就労継続支援(A型・B型)」は名前が似ているのに目的がまったく違うため、勘違いしたまま選ぶと後悔につながりかねません。

この記事では、2026年4月時点の最新情報をもとに、就労移行支援と就労継続支援A型・B型の違いを3者比較で整理し、独自の診断フローチャートで「あなたに合うサービス」を一緒に絞り込みます。サービス間の移動ルート、併用可否、就労選択支援の使い方、失敗しない選び方の10ポイントまで──公式資料には載っていない支援員視点の本音を交えて解説します。

【一行結論】移行支援は「訓練」、継続支援は「働く場所」

結論から先にお伝えします。就労移行支援と就労継続支援のいちばん大事な違いは「目的」です。細かい条件を覚える前に、まずこの1行を押さえてください。

一行でわかる違い

移行支援は 訓練サービス
継続支援は 働く場所そのもの

就労移行支援:一般就職に向かうための訓練(原則2年・対価なし)/就労継続支援:雇用契約または作業提供の場(期限なし・給与or工賃あり)

言い換えると、移行支援は「ゴールが就職」の期間限定プログラム継続支援は「ここが働く場所」の定常サービスです。移行支援はPCスキル訓練・ビジネスマナー・模擬就労などで一般企業への就職を目指し、就職が決まった時点で卒業となります。一方、継続支援(A型・B型)は事業所そのものが働く場所で、何年でも通い続けられます。

💡 迷ったときの考え方

2年以内に一般企業で働きたい」のか「今すぐここで働いて対価を得たい」のか──この一点で方向性は大きく分かれます。前者なら移行支援、後者なら継続支援(A型またはB型)です。さらに「雇用契約+最低賃金が欲しいか/体調優先で工賃でいいか」でA型とB型が分岐します。詳細は本記事の診断フローチャートで整理します。

3者比較表|就労移行支援・就労継続支援A型・B型の違い

まずは一覧で整理します。就労移行支援・A型・B型は「目的」「雇用契約」「対価」「期間」「対象年齢」の5つで違いがはっきり分かれます。

就労移行支援 就労継続支援A型 就労継続支援B型
位置づけ 訓練サービス 働く場所(雇用型) 働く場所(非雇用型)
目的 一般企業への就職 雇用契約で
働き続けること
自分のペースで
働き続けること
雇用契約 なし あり なし
対価 原則なし
(事業所内実習手当が出る場合あり)
給与(最低賃金以上)
月平均 86,752円
工賃
月平均 22,649円
利用期間 原則2年
(最長3年まで延長可)
制限なし 制限なし
対象年齢 18〜65歳未満 18〜65歳未満 18歳以上
(上限なし)
社会保険 対象外 労働時間により適用 対象外
労働基準法 非適用 適用(有給・労災等) 非適用
費用(利用料) いずれも所得区分により 月0〜37,200円(約9割が0円)

出典:厚生労働省「平均工賃(賃金)月額の実績について」(令和5年度実績)(mhlw.go.jp)/厚生労働省「障害者の就労支援対策の状況」(mhlw.go.jp)/厚生労働省「令和6年度障害福祉サービス等報酬改定の概要」(mhlw.go.jp)を基に作成。B型工賃は令和6年度報酬改定での計算方法変更により旧来比で大幅増。

違い①|目的が違う──「訓練→就職」か「働く場所そのもの」か

ここからは5つの違いを1つずつ掘り下げます。最大の違いは「目的」です。同じ“通所先”に見えても、何を達成するための場所かがまったく異なります。

🎯

就労移行支援の目的

一般企業(障害者雇用・オープン就労含む)への就職。PCスキル・ビジネスマナー・模擬就労・企業実習・面接対策などを通じて、卒業後の就職を伴走する訓練プログラムです。

💼

就労継続支援A型の目的

事業所と雇用契約を結び、最低賃金以上の給与で働き続けること。労基法・労災・社会保険も対象で、安定的な“働く場所”を提供します。

🌱

就労継続支援B型の目的

雇用契約を結ばず、自分の体調・ペースに合わせて作業に取り組むこと。週1日・短時間から無理なく通えるのが最大の特徴です。

つまり、移行支援は「出口としての一般就労」がゴール。一方の継続支援は事業所での就労そのものがゴールで、将来一般就労に繋げるかは本人の希望次第です。目的が違えば、支援内容もカリキュラムも空気感も変わります。

違い②|期間が違う──「2年上限」か「無期限」か

2つ目の違いは「利用期間」です。移行支援は原則2年という期限が設定されていますが、継続支援(A型・B型)には原則として期限がありません。

サービス標準利用期間延長の可否
就労移行支援 原則2年 市区町村が必要と認めた場合、最長3年まで(1年単位で延長)
就労継続支援A型 期限なし 年齢要件(原則65歳未満)の範囲内で継続可
就労継続支援B型 期限なし 年齢上限もなし。高齢期まで通い続ける方も多い

出典:厚生労働省「障害者の就労支援対策の状況」(mhlw.go.jp)/厚生労働省「令和6年度障害福祉サービス等報酬改定の概要」(mhlw.go.jp

⚠️ 「2年経ったら追い出される」は半分誤解

移行支援の2年上限は「一般就職を目指すためのカリキュラム期間」であり、2年経ったら福祉サービスから完全に切り離される、という意味ではありません。市区町村の判断で最長3年まで延長できますし、就職に至らなかった場合はA型・B型など継続支援へ切り替える道もあります(後述)。2年は“区切り”であって“崖”ではないと理解してください。

違い③|対価が違う──「なし/給与/工賃」の3階層

3つ目の違いは「通所して受け取れるお金」です。ここが混同されやすいポイント。3サービスはそれぞれ性質がまったく違うお金で、金額も大きく異なります。

サービスお金の名称性質全国平均(令和5年度)
就労移行支援 原則なし 訓練サービスのため報酬は発生しない。ただし事業所内で軽作業を行った際に“実習手当”等を支給する事業所もある
就労継続支援A型 給与(賃金) 雇用契約に基づく賃金。都道府県の最低賃金以上が保証される。社会保険・有給・労災の対象 月額 86,752円
就労継続支援B型 工賃 雇用契約を結ばないため賃金ではなく「工賃」。最低賃金の対象外。作業の対価として支給される 月額 22,649円

出典:厚生労働省「平均工賃(賃金)月額の実績について」(令和5年度実績)(mhlw.go.jp)/B型工賃は令和6年度報酬改定での計算方法変更により旧来比で大幅増となっています。

移行支援はあくまで“訓練”のため、基本的に通所によるお金は発生しません。この部分は「え、無給でいいの?」と引っかかる方も多いのですが、逆に言えばほぼ無料で2年間みっちり就職準備ができるとも言えます。障害年金・生活保護・貯蓄・家族の支援などで生活費を確保しつつ通うのが一般的です。

違い④|対象者が違う──年齢上限と「就労意欲」の要件

4つ目は「対象者」の違いです。基本的な障害・疾患の範囲(身体・知的・精神・発達・難病等)は共通ですが、年齢と“目指す方向”の要件が微妙に違います。

サービス対象年齢対象者像
就労移行支援 18〜65歳未満 一般企業等への就労を希望し、就職に必要な知識・能力の向上が見込まれる方
就労継続支援A型 18〜65歳未満 一般就労は難しいが、雇用契約に基づく就労が可能な方
就労継続支援B型 18歳以上(上限なし) 一般就労・A型での就労が難しく、作業の機会を通じて生産活動ができる方

出典:厚生労働省「障害者の就労支援対策の状況」(mhlw.go.jp

🙋 65歳以上でも就労継続支援が使える条件

A型は原則65歳未満ですが、65歳に達する前から利用していた方は、原則として引き続き利用可能です(自治体の判断により継続更新できるケース)。B型は年齢上限そのものがないため、高齢期まで通い続ける方も少なくありません。特別支援学校を卒業したばかりの18〜20歳の方から、70代で通うB型利用者まで、幅広い層が利用しています。

独自診断|3問でわかる「あなたに合うサービス」フローチャート

ここまで理屈で違いを整理しましたが、「結局わたしはどれ?」が気になるところだと思います。支援現場でよく使う判定の順番を、YES/NOで進む診断フローに落とし込みました。順番に答えてみてください。

  1. Q1

    2年以内に一般企業で働くことを目指していますか?

    YES(働きたい・就職活動を始めたい) → 就労移行支援が第一候補。Q2で最終確認
    NO(今は就職より、まず通う場所・働く場所が欲しい) → 継続支援へ進む(Q3
    迷う・まだわからない就労選択支援で専門家とアセスメントを受けるのが安全策

  2. Q2

    【Q1でYESの方】体調はおおむね安定していますか?

    YES(週3日以上は通えそう) → 就労移行支援で確定。2年かけて訓練→就職のルート
    NO(まだ波がある・週1〜2日が限界) → まずB型で生活リズムを整えてから移行支援に上がるルートも有効

  3. Q3

    【Q1でNOの方】雇用契約・最低賃金・社会保険のある働き方を望みますか?

    YES(働いてしっかり収入を得たい) → 就労継続支援A型(月平均約8.7万円の給与)
    NO(体調優先で短時間・週数日でOK) → 就労継続支援B型(工賃は月平均約2.3万円)
    迷う → A型の週3日勤務で無理なく始める/B型で慣れてからA型に上がるのも選択肢

💡 フローチャートの要点

  • 「2年以内に就職」の意思が最初の分岐。ここで方向性はほぼ決まる
  • 就職を目指す場合も、体調が整っていないなら遠回りのほうが近道(B型→移行支援ルート)
  • 迷ったら2025年10月開始の就労選択支援でアセスメントを受ける手がある
  • 年齢が65歳以上なら自動的にB型(またはA型継続利用)一択

向いている人・向いていない人

✅ 就労移行支援が向いている人

  • 一般企業への就職を明確に目指している
  • 体調が概ね安定し、週3〜5日通える
  • PCスキル・資格取得・面接対策などで準備したい
  • 2年以内に就職活動を始めたい
  • 「働きたい」気持ちが「不安」より強い

⚠️ 移行支援が向きにくい人

  • 体調の波が大きく、週1〜2日しか通えない
  • 今すぐ対価(給与・工賃)が必要
  • 就職のプレッシャーで調子を崩しやすい
  • 「働く場所を確保したい」が本音

✅ 就労継続支援A型が向いている人

  • 雇用契約・最低賃金・社会保険のある働き方がしたい
  • 一般就労はハードルが高いが、安定した勤務は可能
  • 生活費の確保が最優先
  • 週20時間以上・継続的に通える

✅ 就労継続支援B型が向いている人

  • 体調の波があり、週1〜2日・短時間から始めたい
  • 雇用契約のプレッシャーを避けたい
  • 生活リズムを整えることが先決
  • 作業を通じて社会参加・居場所を得たい
  • 年齢が65歳以上

サービス間の移動ルート|移行⇔継続の行き来は可能

「最初に選んだサービスに縛られる」と思い込んでいる方が多いのですが、実際はかなり柔軟に行き来できます。体調や目標の変化に応じて、相談支援専門員と一緒に切り替えを検討できます。

就労移行支援 → 継続支援(A型・B型)への移動

もっとも代表的な移動ルートは、「移行支援で2年頑張ったけれど就職に至らなかった」あるいは「途中で体調を崩し、まず働く場所を確保する方向に切り替えたい」というケースです。

  1. 1

    移行支援の支援員・相談支援専門員に相談

    「このまま移行で続けるか/継続支援に切り替えるか」を一緒に整理します。家族・主治医の意見も取り入れながら検討するのが一般的です。

  2. 2

    受給者証のサービス種別変更を申請

    市区町村の障害福祉窓口で「サービス等利用計画」を更新し、受給者証のサービス種別を変更します。審査に1〜2か月かかる場合があるため、早めに動くのが安心です。

  3. 3

    新しいA型/B型事業所を見学・体験

    同じ法人がA型・B型も運営している場合、そのまま系列事業所に移れるケースもあります。別法人でも問題なく移動可能です。

  4. 4

    契約・通所開始

    A型は雇用契約、B型は利用契約を結び、新しい事業所での通所がスタートします。移行支援での訓練経験はそのまま新しい職場で活きます。

継続支援(A型・B型)→ 就労移行支援への移動(ステップアップ)

逆方向、つまり「B型で体調が整ってきたので、移行支援で就職活動を始めたい」「A型で数年働いたが、一般就労にチャレンジしたい」というステップアップのルートも一般的です。むしろ近年はこの流れの方が増えています。

  • B型 → 就労移行支援:生活リズム・体力を整えた後、就職を視野に入れる定番ルート
  • A型 → 就労移行支援:雇用契約での就労経験を活かし、さらに一般就労を目指す
  • A型 → B型:体調変化や雇用契約のプレッシャー軽減のためのルート(2024年のA型閉鎖時にもこのルートが多く使われた)

🙋 ステップアップで気をつけたいこと

移行支援に切り替えると対価(給与・工賃)が止まります。生活費の見通しを事前に立てることが大切。障害年金・貯蓄・家族の支援・ハローワークの求職者支援金など、利用できる制度を支援員と整理してから動きましょう。また、移行支援の2年タイマーは一度も使ったことがない場合はフル2年、過去に利用歴がある場合は残期間が引き継がれるのが原則です(自治体判断もあるため要確認)。

併用できる?──原則不可/例外パターンあり

「移行支援とA型を同時に使えないの?」という質問は非常に多いです。結論からいうと、原則、同じ日に複数の就労系サービスを併給することはできません。理由は受給者証の仕組みにあります。

⚠️ 原則併用不可の理由

障害福祉サービスの受給者証は原則1つのサービスに1日分の支給量が記載される仕組みです。同じ日に移行支援とB型の両方で報酬請求することはできず、どちらか一方の事業所しか給付対象になりません。「A型で働きながら、夜に移行支援で訓練」というような同日併用は制度上できないのが基本です。

例外的に併用できるパターン

  • 日を分ける併給:自治体によっては「月・水・金は移行支援、火・木はB型」のように、日を分ければ両方の支給量を受給者証に載せる運用を認めるケースがあります(要事前確認)
  • 就労定着支援との併用:A型・B型・移行支援で一般就労した後、就労定着支援は別サービスとして併用可能です
  • 就労選択支援との併用:就労選択支援はアセスメントのための短期サービス(原則1〜2か月)で、別枠で利用できます
  • 地域活動支援センター・自立訓練(生活訓練)との併用:これらは別のサービス区分で、ケースにより併用が認められることがあります

併用の可否は最終的に市区町村の判断になります。「どうしても並行して受けたい理由」がある場合は、相談支援専門員を通じて市区町村に相談するのが確実です。

新しい選択肢|就労選択支援でアセスメントを受ける(2025年10月開始)

💡 就労選択支援とは

2025年(令和7年)10月から運用が始まった新サービスです。就労移行支援・A型・B型のどれが自分に合うかを、専門スタッフと一緒にアセスメントし、体験実習も交えながら最適なサービス選びをサポートします。原則1〜2か月の短期サービスで、その後に本命のサービス利用につなげる“入口”的な位置づけです。

「移行支援と継続支援で迷い続けて決められない」「特別支援学校を卒業予定で、どのサービスに進むか決めかねている」──そんな方にとって、2026年以降の現実的な選択肢が就労選択支援です。2026年4月時点では対応事業所が徐々に拡大している段階で、地域差はあるものの、相談支援専門員に聞けば近隣の指定事業所を紹介してもらえます。

就労選択支援を使うべき人・使わなくていい人

✅ 使ったほうが良い人

  • 特別支援学校の卒業予定者
  • 就労経験が乏しく、自分の適性がわからない
  • A型とB型、移行支援で本気で迷っている
  • 一度就労支援を利用して合わず、再挑戦するか迷っている
  • 家族・本人の希望がすれ違っている

⚠️ 使わなくても良い人

  • すでに「移行支援で就職したい」と方向性が明確
  • 信頼できる支援員・相談員が既におり、方向性が固まっている
  • 居住地域に就労選択支援の指定事業所がまだ少ない
  • 早急にサービス開始が必要で、1〜2か月のアセスメント期間が待てない

出典:厚生労働省「就労選択支援について」(mhlw.go.jp)/障害者総合支援法 改正(令和4年法律第104号)に基づき令和7年10月施行

費用はどう違う?──3サービスとも所得区分で月0〜37,200円

利用料金は3サービスとも同じ仕組みで、世帯の所得区分に応じて月額上限が決まります。実際には利用者の約9割が0円で通っています。

所得区分月額負担上限
生活保護受給世帯0円
住民税非課税世帯(低所得)0円
住民税課税世帯(所得割16万円未満)9,300円
上記以外(一般)37,200円

出典:厚生労働省「障害者の利用者負担」(mhlw.go.jp

注意したいのは、A型の給与・B型の工賃は別会計で、利用料から差し引かれるわけではないこと。A型で働けばその月の給与はまるまる手取り(税・保険料控除後)として受け取れますし、B型の工賃もそのまま受け取れます。「利用料で働いた分が消える」という誤解が一部にありますが、それは制度上あり得ません。

失敗しない選び方|10のチェックポイント

サービスの種類が決まったあとに、どの事業所を選ぶかで満足度の9割が決まります。以下の10ポイントを見学・体験時に必ず確認してください。

  1. 1

    目的と支援内容のズレがないか

    「就職したい」のに作業中心の事業所に入ると意味がありません。逆に「居場所が欲しい」のに就活プレッシャーの強い事業所はしんどいです。自分の目的と事業所のカラーが合うかを最優先で確認を。

  2. 2

    最低2〜3か所を必ず見学する

    1か所だけだと比較対象がなく「こんなもの」と思ってしまいます。違う雰囲気の事業所を3つ回ると、自分のフィット感がはっきり見えてきます。

  3. 3

    数字で実績を聞く

    移行支援なら「昨年の就職者数/そのうち半年定着した人数」、A型なら「WAMNETスコア/平均給与/離職率」、B型なら「平均工賃/利用者数」を具体的な数で尋ねましょう。答えを濁す事業所は注意信号。

  4. 4

    体調不良時の対応を具体的に質問

    「体調が悪くて週の出席が減ったらどうなりますか?」と聞き、「まずは支援員と相談」「ペースダウンして続けられる」という具体的な答えが返ってくる事業所を選びましょう。

  5. 5

    通所の現実性

    毎日通う場所です。ドアtoドアの時間、満員電車の回避可否、送迎の有無をチェック。通勤で消耗して本業の訓練・作業に支障が出ては本末転倒。

  6. 6

    運営法人の安定性

    医療法人・大手福祉法人・上場企業が運営する事業所は比較的安定。2024年のA型閉鎖以降、運営母体のチェックはより重要になりました。

  7. 7

    利用者の表情・雰囲気を観察

    見学時に、利用者同士・スタッフとの会話が自然か、笑顔があるか、緊張感が強すぎないかを自分の目で確認。パンフレットには絶対に出ない情報です。

  8. 8

    支援員との相性

    個別支援計画を一緒に作るパートナーです。見学時に「この人に相談できそう」と感じるか、押し付けがましくないか、話をじっくり聞いてくれるかをチェック。

  9. 9

    カリキュラム・作業内容が興味とズレていないか

    移行支援ならPC系かビジネス系か、A型・B型なら軽作業・飲食・IT・農業などどの系統か。自分が続けられる・伸ばせそうな分野を選びましょう。

  10. 10

    「合わなければ変えられる」前提で選ぶ

    どんなに吟味しても100%の正解はありません。途中で変えられる制度なので、「まず3か月やってみてダメなら相談」くらいの気持ちで始めるのが精神衛生に良いです。

よくある質問

移行支援の2年が終わったら、自動で継続支援に移るの?

自動では移りません。2年が近づいてきたら支援員・相談支援専門員と一緒に進路を整理し、「就職」「延長(最長3年まで)」「継続支援(A型・B型)に切り替え」「別サービス」のうち、どれを選ぶかを決めます。市区町村窓口で受給者証のサービス種別変更手続きが必要です。

A型からB型に落とされる、ということはある?

「落とされる」という表現は正確ではありません。事業所側の一方的判断でB型に動かされることはなく、本人の同意が必要です。ただし、A型事業所が閉鎖・縮小された場合、系列や近隣のB型へ転換案内されることはあります(2024年のA型閉鎖では約4割がB型へ転換)。体調的にA型の勤務が負担になってきた場合は、相談のうえでB型に切り替える選択は現実的な判断です。

3つ(移行・A型・B型)をすべて見学しても大丈夫?

まったく問題ありません。むしろ推奨です。それぞれ空気感・仕事内容・支援員の関わり方が大きく違うので、実際に見てみないと違いが体感できません。見学は無料が基本で、何か所回っても費用は発生しません。迷っている段階で「3サービス各1〜2か所、合計3〜6か所」を見ておくと、決断の質が一段上がります。

移行支援の2年は、一度使ったらもう使えない?

原則として「標準利用期間2年」は累計で消費されます。過去に1年使って中断した場合、残りは1年というのが基本です。ただし、離職から一定期間経過・状況の大きな変化があった場合などに再度フル2年の支給決定が出るケースもあり、最終判断は市区町村です。相談支援専門員を通じて確認するのが確実です。

就労移行支援と就労継続支援は同時に使える?

原則、同じ日に両方を利用することはできません。受給者証の仕組み上、1日1サービスが基本だからです。ただし、日を分けた併給(例:月水金=移行、火木=B型)を認める自治体もあります。最終的に市区町村の判断になるため、相談支援専門員に確認してもらいましょう。

障害者手帳がなくても移行・A型・B型は使えますか?

はい、多くの自治体で医師の診断書があれば利用できます。うつ病・双極性障害・発達障害・難病などで手帳未取得の方も、実際に多く通われています。最初の相談はお住まいの市区町村の障害福祉窓口へ。

どのサービスから始めるのがいちばん無難?

「無難な正解」は人により異なります。体調が不安定な段階ならB型から生活リズムを整え、安定してきたら移行支援で就職を目指す流れが比較的失敗の少ないルートです。方向性に迷う場合は、2025年10月開始の就労選択支援でアセスメントを受けてから決めるのが、2026年現在いちばん慎重な進め方です。

B型で何年も働いていますが、一般就労を目指せますか?

はい、可能です。B型 → 就労移行支援 → 一般就労というステップアップのルートは近年増えています。まずは支援員・相談支援専門員に「移行支援に切り替えたい」と伝え、受給者証のサービス種別変更を申請してください。B型で身につけた作業スキル・生活リズムは大きな強みになります。

まとめ:違いを理解すれば、選ぶ軸が見えてくる

就労移行支援と就労継続支援の違いを、目的・期間・対価・対象者・併用可否の5つの切り口と、診断フローチャートで整理してきました。名前が似ているだけで、実際は「訓練するための場所(移行)」と「働く場所そのもの(継続)」という、ゴール地点がまったく違うサービスです。

📋 選ぶ前に押さえておきたい5つのこと

  • 移行支援は訓練サービス(2年上限)、継続支援は働く場所(期限なし)という立ち位置の違いをまず理解する
  • 対価は移行=なし/A型=給与(月約8.7万円)/B型=工賃(月約2.3万円)
  • サービス間は相談支援専門員を通じて比較的柔軟に行き来できる(B型→移行、移行→継続など)
  • 原則併用不可だが、日を分けた併給や別枠サービスとの組み合わせは自治体判断で可能
  • 迷ったら2025年10月開始の「就労選択支援」でアセスメントを受けるのが2026年的に最も慎重な進め方

いちばん大切なのは、「今の自分の状態」と「2〜3年後にどうなっていたいか」を正直に見つめることです。体調、生活、家族、年齢、経済状況──どれも人によって違うので、どの選択肢が正解という単一の答えはありません。この記事のフローチャートとチェックポイントを使って、自分なりの優先順位を言葉にしてみてください。

そして、一度決めたサービスが合わないと感じたら、いつでも相談支援専門員に相談して切り替えることができます。「合わなければ変えられる」という前提が、就労支援制度の大きな強みです。焦らず、比較して、自分に合う形を見つけていきましょう。

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