ブーの日記『大好きだった姉御との思い出 その5』

多分15〜20分くらいだと思った。
姉御は終始楽しそうに色んな話をしてくれた。
ピアノを始めたきっかけ。
芸術の素晴らしさや奥深さ。
今なになにしてるとか、これからのスケジュールなんか色々とね。

ステージの片付けなんかもあって、本来ならオレなんかに時間を割いてる余裕なんてないハズなのに、わざわざ来てくれた感謝もあって、自分の時間が許す限りオレに時間を割いてくれた。
そんな大切な、オレにとって大げさでもなんでもなく本当に夢の様な時間は、姉御の「そろそろ行かないとマズいから」って、確かそんなニュアンスの言葉だったと思う。

それでも姉御は、こんな貧乏丸出しの貧乏なオレの隣を一緒に歩いてくれてさ。
方や、大半の人なら目で追ってしまうくらいの衣装を纏って、さっきまで観衆の視線を一心に受けていた女神が、方や誰が見てもみすぼらしい安いヨレヨレの衣服に、くたびれた靴を履いている内心見下されバカにされているであろうオレは、誰が見ても不釣り合い。
それでも隣で姉御は「本当に忙しい中、来てくれてありがとう」とか、「ブーちんに会えてよかった」って。
その時のオレの気持ち、皆さん想像出来ますか?

「オレもだよ。誘ってくれてありがとう。
姉御と会えて、オレも本当に嬉しかった」

わざわざ出口まで一緒に着いてきて見送ってくれた姉御。
そんな姉御の笑顔をずっと見ていたくて、手を振りながら、だけど少しでも長くこの時間を過ごしていたかったから。
姉御は手を振りながら周りの目なんか気にせずに

「ありがとう!」

って、言ってくれて。
その顔だけは今でもハッキリ覚えているんだ。
満面な笑顔でさ、凄く心を射抜かれて。
帰りの道中は姉御の事ばっかり考えていた。
間違いなく、オレはこの時、姉御の事を本気で好きになっていたと思う。

〜続く〜

star今日よかったこと♪

・大好きだった姉御の思い出とようやくきちんと向き合う事が出来た。

favorite読んでくれた人へのメッセージ

読んでくださり、ありがとうございます。
引き続き、お付き合いしていただけたら嬉しいです。

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