銀ノ月の日記『鏡花水月#079.50』
visibility99 edit2024.05.31
今回も『Interlude』回でございます(第3回/全4回)
≪インドネシアに伝わる、とあるお話🌙≫
キリップは孤児でした。
親が残してくれた土地を耕して何とか過ごす毎日。
「もっといろんな世界を見てみたい」
そんな思いが心の中を巡る時は、歌って気分を紛らわせていました。
ある晩、いつものように歌っていると、眩しい光とともに夜空から1人の女性が。
「貴方の美しい歌声を聴いて、月の世界に攻めてきた魔物が逃げていきました。私は月の王女です。お礼に貴方の望みを叶えさせてください」
キリップは喜んで言いました。
「僕はここから離れたことがありません。ほかの世界をこの目で見てみたいのです」
月の王女は大きな鳥となって、キリップを乗せて大空へと飛び立ちました。
美しく流れる大河。その周りで暮らす村の人々。どこまでも続く気高い山々。初めて見る景色に圧倒されたキリップには、また別の思いが芽生え始めました。
そして家に戻った彼は、心に誓ったのです。
『もっとこの土地を大切にしよう。もっとこの場所を好きになれるはずだから』
今日よかったこと♪
『なりたかった自分になるのに、遅すぎるということはない。』
(作家 ジョージ・エリオット)
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