結城の日記『稲穂』

雄ある君は、告げる。

「さぁ、立ち上がろう。

さっきまで、君は立っていた。
立てないわけがない。

生まれた時は、立てなかった。
君は、泣くことしかできなかった。
しかし、君は心で動くことを知っていた。
心は体を動かし、立てるように変化した。
周りは、君を見て笑った。心からの母性を君に送った。
立てないわけがない。

昨日まで、君は泣いていた。
でも、立たないと泣くことはできない。

立つということは、そういうことだ。

君はまた、世界に立てる。君よ、立ち上がれ」

「同志よ。我が誇りよ。強くなれ」

光ある者は、去った。種を残して。

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