結城の日記『静寂』
visibility76 edit2024.08.03
私は告げる、私を嫌え。
貴方は言う、絶対にできません。
私は告げる、きっと貴方は私を忘れる。
貴方は言う、絶対に忘れません。
私は告げる、貴方は絶対に諦める。
貴方は言う、絶対に諦めません。
私は告げる、私を忘れよ。
貴方は言う、絶対に忘れません。
少したって、貴方は言った。
「そんなことありましたか?」
これが、人生の本質である。
人は、忘却をすることで、前へ進む。
従って、忘却はなくてはならないことだ。
貴方は、私を忘れた。
私の名前は覚えていても、私の残したものはもう貴方の中には多く残っていない。
貴方は私を忘れ、前に進む。
そしてその先ゆく人生の中で、私の名前を忘れるだろう。
その時は、私の与えたものに書かれた名前も消えているだろう。
そうした時、私は、貴方の元へ、帰ってこよう。
そして、また同じことを、語りかける。
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