のこの日記『わたしはだれでしょう(小話)(物書き)』
visibility72 edit2025.03.21
この街の景色もすっかり変わったものだ。
昔はすれ違う度に眩しくて誰もがすれ違い際思わず目を瞑りそうになってしまったものだが、今では目を瞑る必要も無くなった。
昔はご飯を食べて丸々とした幼い子供たちが、ニコニコしながらそこらじゅうを駆け回り、大人は少ないように思えたが、今ではブラックやらシルバーのサングラスを斜めに掛けた若造が(その風貌とは裏腹に)静かに落ち着いて歩いている。この前なんて、通勤中すれ違いざま「こんにちは」という挨拶と共にウィンクをしてくれた。てっきり谷底に落とされるのかと思ったので、見た目が全てではないのだなと痛感した。
変わる景色もあるが、変わらない景色もある。
それは私が彼等と共にあるということ。
麦畑の香りと、石焼き芋の音色。
ガタンゴトンと別の道を走るマラソンランナーに、一瞬だけギュッと目で合図をし、走り出す瞬間。見上げる空の色や、歩道橋。
いつ尽きるか分からない命だが、心の燃料をめいいっぱい燃やしながら、休みながら、今日も私はこの道をまっすぐ走っていくのだ。
さてさて、わたしはだれでしょう。
読んでくれた人へのメッセージ
文字書きリハビリ。
即興なので自分象はそこまで考えてない。
思い付いたらコメント欄にて。
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