カフェラテの日記『本のこと』

11年前に日本の科学界を揺るがした某事件の、Oさんの手記を読んだ

この騒動をずっと追っていた新聞記者の方が書いた本は読んだことがあったけど、当事者のエッセイは読もうかどうかずっと迷ってて読んでいなかった

事件の一連の流れは頭に入っているつもりだった

でも、この11年間、ふとしたときにこの件が頭をよぎり続けてきた

変でしょう?
当事者でもなんでもないのに、未だにこのことを思い出すなんて

もしかしたら自分の中で未消化の何かがあるのかもしれないと思って、ついに読んだ

うん、読んで良かった

新聞記者側から語られなかったこと、たくさん出てきた

Oさんの性格的な繊細さ、
どれだけ自分の成果を信じてきたか

あのラボの環境だったら…
自分の知らぬ間に異物混入も…もしかしたら全然ありえるのかもしれないってこと

騒ぎになってからは、
傍に味方がいてあげることの、なんと大事なことか

タクシーの運転手さん、
メンターの先生方、
ご家族、
会場となったホテルのスタッフさん、
あまりにも悲しいニュースを受け取ったとき、ずっと傍にいてOさんの手を握ってくれた人

当時、彼女を批判することは簡単だった
そんな中でも味方でいた人たちの、なんと尊いことだろう

私も学生時代、学会で権威ある先生に

「あなたの研究はサイエンスじゃない」
と面と向かって言われたことがある

悔しくて辛くて、先生が去ったあと私はその場で泣いたけど、Oさんは私の何千倍もの攻撃を日々無限に受け続けた

想像することも困難なくらい辛い日々

ココトモを始めてから読んだからこそ、理解が一歩進んだ気がする

読んで本当に良かったなって思った

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