認定心理士完全ガイド|大学卒業+36単位で取れる日本心理学会の入門資格・取得後の進路
edit2026.04.26 visibility23
「大学で心理学を学んだけれど、その証になる資格はないのだろうか」
「公認心理師の受験までは届かないけれど、学んだことを履歴書に書きたい」
「社会人になってから心理学を学び直したい。通信制大学で取れる資格はある?」
そんな声に応えてくれるのが、公益社団法人日本心理学会が認定する「認定心理士」です。1990年から続く長い歴史を持ち、4年制大学を卒業し、心理学関連の36単位を一定領域にまたがって履修した人を、「心理学の基礎を一通り学んだ証明」として認定する仕組みです。
国家資格である公認心理師、上位民間資格である臨床心理士のような「心理職に就くための資格」ではなく、大学の学位に付随する「心理学を学んだ証」という位置づけ。だからこそ、心理学部の学生・心理系学科を卒業した社会人・公認心理師ルートを目指す通信制大学の学生にとって、最初の到達点として根強い人気があります。
この記事では、ココトモが大学生・社会人の進路相談の現場で出会ってきた声をもとに、認定心理士の取得条件(36単位の中身)・申請の流れ・通信制大学からのルート・取得後の活用までを、公式情報に基づいて丁寧にまとめました。「自分の学びを資格という形にしたい」と思っている方の地図になれば幸いです。
📌 この記事でわかること
- 1990年から日本心理学会が認定している認定心理士の歴史と位置づけ(公益社団法人による民間認定)
- 取得の3条件——4年制大学卒業/心理学関連36単位(a〜e領域)/申請料の支払い
- 必要単位の5つの領域(a:基礎/b:研究法・統計/c:実験/d:知覚・認知・学習・発達/e:社会・臨床・教育)
- 放送大学・通信制大学からの取得ルートと、社会人にとって現実的な学び直しの選択肢
- 取得後の5つの活用パターン(就活アピール/公認心理師受験のステップ/大学院進学準備/自己研鑽の証明/心理学を学んだ証)
- 認定心理士の「できること・できないこと」、公認心理師・臨床心理士・産業カウンセラーとの違い
- ありがちな誤解5選と、よくある質問10問まで網羅
認定心理士とは|1990年から日本心理学会が認定する「心理学を学んだ証」
認定心理士は、公益社団法人 日本心理学会が認定する民間資格で、「大学で心理学の標準的な基礎教育を修めたことを証明する」ものです。心理職に就くための業務独占資格ではなく、心理学を体系的に学んだ証という位置づけが、最大の特徴です。
1990年スタート、日本の心理学界で最も歴史ある認定資格
認定心理士制度は、1990年(平成2年)に日本心理学会によって創設されました。当時、日本にはまだ心理職の国家資格はなく、心理学を学んだ人のスキルを社会的に示す共通の物差しが存在しないことが大きな課題でした。「大学で4年間しっかり心理学を学んだことを、せめて一つの認定として残したい」という心理学界の合意から生まれたのが、この制度です。
以降30年以上にわたり、累計の認定者数は7万人〜数万人規模とされ(年度・集計時点により差あり)、日本の心理学関連資格としては最も長い歴史を持つもののひとつです。
認定するのは「公益社団法人 日本心理学会」
認定主体は、日本最大の心理学関連学術団体である公益社団法人 日本心理学会です。1927年に創立され、心理学の研究・教育・社会的応用を進める学会で、認定心理士のほかにも「認定心理士(健康・福祉)」「認定心理士(心理調査)」など、応用分野の追加認定も実施しています。
国の資格ではないため、業務独占や名称独占の効力はありませんが、「日本心理学会が認めた」という学術的な裏付けがあることで、履歴書・自己PRでの説明力が一段強くなります。
「学位の付随的な証明」という位置づけ
ここを最初に押さえておくと、後の理解がスムーズになります。認定心理士は、心理職に就ける資格ではなく、心理学の学位を「具体的にどの領域でどれだけ学んだか」を補足する付随的な証明です。
心理学部・心理系学科を卒業しても、大学によってカリキュラムの内容に差があります。その中で「a〜eの5領域にわたって、36単位以上、心理学を学んだ」と言える人を、日本心理学会が共通基準で認定する——これが認定心理士の本質です。
出典:公益社団法人 日本心理学会「認定心理士の資格申請」公開情報/日本心理学会 公式サイト(https://psych.or.jp/)
認定心理士・取得の3条件|大学卒業+36単位+申請料
認定心理士の取得条件は、シンプルに次の3つです。試験はなく、大学で履修した単位を書類で証明する「書類審査型」の認定であることが大きな特徴です。
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① 4年制大学を卒業(学士の学位)
日本国内の4年制大学を卒業し、学士の学位を取得していることが大前提。学部・学科は「心理学部」「心理学科」に限定されず、文学部・教育学部・社会学部などで心理学関連の単位を揃えていれば申請可能です
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② 心理学関連36単位を a〜e の領域で履修
心理学に関する科目を、日本心理学会の定める5領域(a:基礎主題/b:研究法・統計/c:実験/d:心理学の主要領域/e:心理学の関連領域)にまたがって36単位以上履修。各領域の最低単位数も指定されており、「広く偏らず学んだ」ことが求められます
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③ 申請料の支払い(約16,500円程度)
書類審査と認定に必要な申請料を支払います。金額は約16,500円程度(年度により変動あり)。一度認定されれば更新料は不要で、生涯有効です。受験料ではなく「審査料」であることがポイント
試験がない代わりに、大学で履修した科目のシラバスや単位修得証明書を、日本心理学会の規程に従って整理・分類して提出する必要があります。書類の整え方こそが、この資格の最大のハードルと言ってもいいでしょう。
必要単位の科目領域|a〜e の5領域を「広く偏らず」
認定心理士の単位要件は、日本心理学会が定めるa〜eの5領域に分かれています。各領域の最低単位数を満たしつつ、合計36単位以上を履修することが求められます。
| 領域 | テーマ | 主な科目例 |
|---|---|---|
| a領域 | 心理学概論・基礎主題 | 心理学概論、心理学入門、心理学史、心理学基礎論 |
| b領域 | 心理学研究法・統計 | 心理学研究法、心理統計学、心理測定法、データ解析 |
| c領域 | 心理学実験 | 心理学実験、心理学実験実習、実験演習 |
| d領域 | 心理学の主要領域 | 知覚心理学・認知心理学・学習心理学・発達心理学・生理心理学・人格心理学など |
| e領域 | 心理学の関連・応用領域 | 社会心理学・臨床心理学・教育心理学・産業心理学・健康心理学・犯罪心理学など |
領域別の最低単位数や合計36単位の内訳は、日本心理学会の「認定心理士の資格申請」の手引きに詳細が示されています。年度により細かな改定があり得るため、申請時点での最新ガイドラインの確認が必須です。
特に重要なのは、c領域「心理学実験」の単位を必ず含めること。実験実習の科目は通信制では受講機会が限られる場合があるため、社会人ルートの場合はスクーリング(対面授業)への参加が必要になることが一般的です。
認定心理士・申請の5ステップ|単位確認から認定まで
認定心理士は試験のない書類審査ですが、書類の整え方が非常に重要です。実際の申請の流れを5ステップで整理します。
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① 履修単位の自己確認
日本心理学会の公式手引きに従って、自分が大学で履修した科目をa〜eの5領域に分類し、領域別・合計の単位数を確認します。心理学部出身者でも、領域の偏りが原因で要件を満たさないケースが意外と多いので、ここを丁寧に行うのが最重要ポイントです。
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② 必要書類の準備
大学の成績証明書・卒業証明書(または卒業見込証明書)、シラバス・科目要覧の写し、認定心理士申請用の所定様式(科目分類表など)を準備します。卒業した大学の事務窓口に「認定心理士申請に使う」と伝えると、専用の証明書を発行してくれる大学もあります。
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③ 日本心理学会への申請
日本心理学会の公式サイト(psych.or.jp)から申請フォームにアクセスし、書類一式を提出。申請料(約16,500円程度、年度により変動あり)を支払います。郵送・オンライン併用が一般的で、年度ごとに細かな運用が変わることがあります。
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④ 学会による書類審査
日本心理学会の認定委員会が、提出された書類を審査します。単位の領域分類が妥当か、内容が要件を満たすかを専門家が確認。場合によっては追加資料の提出を求められることもあります。審査期間はおおむね数か月〜半年程度が目安です。
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⑤ 認定証の交付
審査を通過すると、日本心理学会から認定証が郵送されます。これで正式に「認定心理士」を名乗ることができ、履歴書・名刺・自己PR資料に記載可能になります。更新は不要、生涯有効です。希望者は学会の会員になることで、研究・研修の機会にも参加できます。
大学・大学院別の取得方法|どのルートで揃えるか
認定心理士の単位は、卒業した学部・学科や、社会人になってからの学び直しの形によって、揃え方が大きく変わります。代表的な4つのルートを整理します。
| ルート | 対象者 | 特徴・注意点 |
|---|---|---|
| ① 心理学部・心理学科を卒業 | 心理学を専攻する大学生 | カリキュラムが認定心理士要件にほぼ対応しているため、卒業=申請可能なケースが多い。大学の事務局が申請をサポートしてくれることも |
| ② 非心理系学部+心理学関連科目を履修 | 教育・福祉・社会学系学部の学生 | 必要単位を意識して履修登録する必要あり。特にc領域(心理学実験)の確保が課題になりやすい |
| ③ 通信制大学の心理学系学部に編入・入学 | 大学卒業後の社会人/専門卒・短大卒の社会人 | 学費が抑えられ、働きながら取得可能。スクーリング(対面)の参加が必須の科目あり。放送大学・人間総合科学大学・聖徳大学・東京福祉大学など |
| ④ 大学院進学とあわせて取得 | 公認心理師・臨床心理士を目指す学部生 | 大学院進学前に学部段階で取得しておくと、自己PR・進路選考での裏付けになる。心理職を目指すルートの「最初のマイルストーン」 |
放送大学・通信制大学からの取得ルート|社会人に現実的な選択肢
🏫 社会人が認定心理士を取るなら、まずここから
「大学卒業後に心理学に出会った」「文系・理系の他学部を出たけれど、心理学を学び直したい」——そんな社会人にとって、認定心理士の取得は通信制大学・放送大学への編入・科目履修が現実的なルートになります。働きながら/家庭と両立しながら、自分のペースで単位を積み上げられる点が最大の魅力です。
放送大学のルート
放送大学は、文部科学省・総務省が認可する正規の4年制大学(通信制)で、認定心理士に必要な科目を計画的に履修できるカリキュラムが整っています。学費が比較的抑えられ、テレビ・ラジオ・インターネット配信で授業を受けながら、面接授業(スクーリング)や単位認定試験を受ける形式が中心です。
心理と教育コースを選択し、認定心理士要件を満たす科目群を取り切ることで、放送大学の卒業+認定心理士の認定をセットで目指す方が多くいます。大学卒業者は3年次編入が可能で、最短2年で要件を揃えるケースもあります。
その他の通信制大学
認定心理士のカリキュラムを整備している通信制大学としては、人間総合科学大学・聖徳大学・東京福祉大学・武蔵野大学・京都橘大学などが知られています。各大学とも、認定心理士の単位対応表を公式サイトに掲載していることが多く、入学前のシミュレーションがしやすいのが特徴です。
社会人にとってのチェックポイントは、①c領域(心理学実験)のスクーリング日程が自分の生活と両立できるか、②学費総額、③編入時の単位認定範囲の3点です。
科目等履修生という選択肢
すでに大学を卒業している方は、科目等履修生として通信制大学に在籍し、足りない単位だけをピンポイントで履修する方法もあります。再度の卒業は不要で、必要な単位を取り切ったうえで認定心理士に申請するため、最短ルートになることがあります。
ただし、すべての通信制大学が科目等履修生を受け入れているわけではないので、希望校の募集要項を必ず確認してください。
認定心理士・取得後の活用5パターン|何の役に立つのか
認定心理士は心理職に就くための資格ではないため、「取って何になるの?」という疑問が出やすい資格でもあります。実際に多くの取得者が活用している、5つの代表的なパターンを整理します。
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① 就職活動でのアピール
人事・教育・福祉・営業・接客など、対人能力が問われる職種で、「心理学を体系的に学んだ」客観的な裏付けとして履歴書に記載できる。心理学の知識を業務に活かす意欲のある人材として評価されやすい
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② 公認心理師受験の第一ステップ
公認心理師の受験には大学+大学院または実務経験ルートが必要だが、認定心理士は「心理学の基礎単位を揃えた」確認として、進学準備のマイルストーンになる。出願・進路指導時の説明材料にも
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③ 大学院進学の準備・実力の裏付け
臨床心理士養成大学院などの進学を目指す際、学部段階での履修実績の裏付けになる。研究計画書や面接でのエピソードを語る上でも、認定心理士の取得経験は使いやすい
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④ 自己研鑽・学び直しの証明
社会人になってから通信制大学で心理学を学んだ場合、「学び直しを最後まで形にした」証として、自分自身への達成感や次の挑戦への土台になる。生涯学習の到達点としても価値が大きい
🧠
⑤ 心理学を学んだ証としての名乗り
著書・名刺・SNS・地域活動の自己紹介で、「日本心理学会認定の認定心理士」と名乗ることができる。傾聴ボランティア・ピアサポート・教育現場での発信などでの信頼性向上にも
認定心理士の「できること・できないこと」
取得後にトラブルを避けるため、「何ができて、何ができないか」を最初にはっきりさせておきましょう。誤解されがちな項目を整理します。
- できる:「日本心理学会認定の認定心理士」と名乗ることができる(名称使用)
- できる:履歴書・名刺・自己PR資料に正式な資格として記載できる
- できる:心理学の知識を活かす関連職種への就職活動でアピールできる
- できる:大学院進学や公認心理師ルートの準備段階での自己証明として機能する
- できない:カウンセリング・心理療法を業務として行う独占的権限はない
- できない:医療機関・スクールカウンセラー・公的相談機関の「心理職」採用要件を単独で満たすことはない
- できない:「臨床心理士」「公認心理師」と名乗ること(これらは別の資格)
- できない:心理検査(WAIS・ロールシャッハ等)の専門的実施・判定を行う立場ではない
上位資格との関係|公認心理師・臨床心理士・産業カウンセラーとの違い
心理系の資格は名前が似ていて混乱しやすいので、認定心理士と他の主要資格を比較表で整理します。
| 資格名 | 認定主体 | 位置づけ | 取得要件の概要 |
|---|---|---|---|
| 認定心理士 | 日本心理学会 | 民間認定/心理学を学んだ証 | 4年制大学卒業+心理学関連36単位+申請料 |
| 公認心理師 | 国(厚労省・文科省) | 唯一の心理職国家資格(名称独占) | 大学+大学院または特定実務経験+国家試験合格 |
| 臨床心理士 | 日本臨床心理士資格認定協会 | 民間認定(臨床現場の主要資格) | 指定大学院修了+資格試験合格+5年ごとの更新 |
| 産業カウンセラー | 日本産業カウンセラー協会 | 民間認定(職場領域に特化) | 協会の養成講座修了+実技・学科試験合格 |
| メンタルケアカウンセラー | メンタルケア学術学会 | 民間認定(入門レベル) | 指定講座修了(通信) |
比較してみると、認定心理士は「大学で心理学を学んだ事実を、書類審査で証明する資格」であることがよくわかります。心理職として働くには公認心理師や臨床心理士のルートが必要ですが、その前段階・周辺の自己研鑽の証として、認定心理士は確かな価値を持ちます。
認定心理士の関連資格|健康・福祉/心理調査の追加認定
日本心理学会は、認定心理士の上にもうひと領域を深掘りした「追加認定」の仕組みも設けています。これにより、認定心理士を取得した人が、自分の関心領域での専門性を上乗せできるようになっています。
認定心理士(健康・福祉)
認定心理士の認定を受けた人が、健康心理学・福祉心理学・地域援助・産業保健などの分野で一定の単位や活動実績を満たしたときに認定される追加資格です。地域包括ケア・健康経営・福祉施設・保健所など、健康と福祉の現場で心理学を活かしたい人に親和性があります。
認定心理士(心理調査)
社会調査・市場調査・心理測定・データ解析など、心理学的な調査・統計の専門スキルを上乗せ認定するルートです。マーケティング・人事・公共政策・教育研究など、データに基づく意思決定の現場で活躍したい人に向きます。
取得順は「認定心理士 → 追加認定」
いずれの追加認定も、まず「認定心理士」を取得していることが前提です。基礎としての認定心理士を取り、自分の関心領域に合わせて健康・福祉や心理調査の追加認定を重ねることで、心理学の学びを段階的に「形」にしていけるのが日本心理学会のシステムです。
体験談|三人の認定心理士の物語
💬 心理学部4年で取得、人事職へ就職(22歳・女性)
「心理学部の友人たちが当たり前のように認定心理士を申請していたので、私も自然な流れで提出しました。就職活動では人事系の総合職を志望していて、面接で『心理学をどう仕事に活かしたいか』を語る時、認定心理士という形にした学びがあったから自信を持って話せました。学んだことが履歴書の一行になることの安心感は思った以上に大きかったです」(120字)
💬 経済学部卒の社会人、通信制大学で取得(41歳・男性)
「30代半ばで人事の仕事に就き、心理学を体系的に学びたくなりました。働きながら通信制大学に編入し、スクーリングは有休と土日を組み合わせて参加。3年がかりで単位を揃え、認定心理士に申請しました。学位が取れたこと自体も嬉しかったですが、『日本心理学会の認定』という肩書きが、社内研修の講師を引き受ける際の説得力になっています」(120字)
💬 放送大学で学び直し、ピアサポートに活かす(55歳・女性)
「子育てが一段落して、長年関心のあった心理学を放送大学で学び始めました。最初は趣味のつもりでしたが、心理と教育コースで単位を積み上げ、認定心理士まで到達。地域の傾聴ボランティアや、不登校の子の保護者会のピアサポーターとして活動する際、『学んできた者として話せる』ことが、自分自身の覚悟になっています」(120字)
認定心理士・ありがちな誤解5選
インターネット上では、認定心理士について誤った情報も散見されます。事前に押さえておくと、進路選択でのミスマッチを避けられる5つを整理します。
- 誤解①「認定心理士があれば心理職に就ける」——これは大きな誤解。心理職として働くには公認心理師・臨床心理士などが求められるのが一般的で、認定心理士は「心理学を学んだ証」であり、業務独占資格ではありません。
- 誤解②「認定心理士=カウンセラーになれる資格」——カウンセリングを業務として行う場合、別途の専門訓練・資格が求められる場面が多いです。認定心理士は「心理学を理解している人」の証であって、カウンセラーの認定ではありません。
- 誤解③「試験があると思っていた」——認定心理士に試験はなく、大学で履修した単位の書類審査で認定されます。だからこそ、大学のカリキュラム選びと履修計画こそが本番です。
- 誤解④「更新が必要だと思っていた」——一度認定されれば更新は不要で、生涯有効です。日本心理学会の会員になる必要もありません(任意)。
- 誤解⑤「公認心理師の代わりになる」——公認心理師は国家資格、認定心理士は民間認定。役割と効力がまったく異なるため、置き換えはできません。両方を取得することで、学びの厚みを示すことはできます。
よくある質問|認定心理士Q&A 10問
Q1. 認定心理士は国家資格ですか? ▼
いいえ、国家資格ではありません。公益社団法人 日本心理学会が認定する民間資格です。ただし、日本心理学会は1927年創立の日本最大の心理学関連学術団体であり、その認定であることから学術的な裏付けは十分に強い資格です。心理職の国家資格は公認心理師(2017年施行)です。
Q2. 認定心理士を取れば、心理カウンセラーとして働けますか? ▼
認定心理士は「心理学を学んだ証」であり、業務独占資格ではありません。心理職として医療・福祉・教育・産業の現場で働くには、公認心理師・臨床心理士・産業カウンセラーなど、職域に応じた資格が別途必要になるのが一般的です。認定心理士は、その前段階や周辺領域での自己PR・自己研鑽の証として活用するのが基本です。
Q3. 試験はありますか? ▼
試験はありません。大学で履修した単位の書類審査で認定されます。日本心理学会が定めるa〜eの5領域にまたがって36単位以上を履修したこと、4年制大学を卒業したことを証明する書類を整え、申請料を支払って提出する流れです。
Q4. 申請料はいくらかかりますか? ▼
申請料は約16,500円程度が目安です(年度により変動あり)。一度認定されれば更新料は不要です。最新の金額は日本心理学会の公式サイトで申請年度の手引きを確認してください。
Q5. 心理学部以外でも取れますか? ▼
はい、取れます。教育学部・社会学部・文学部・福祉系学部などでも、心理学関連の科目を計画的に履修して36単位を揃えれば申請可能です。ただし、c領域(心理学実験)の単位を確保することがしばしば課題になります。学部のカリキュラムで足りない単位は、通信制大学の科目等履修などで補うこともできます。
Q6. 社会人になってから取得できますか? ▼
はい、可能です。放送大学・通信制大学の心理学系コースに編入または科目等履修生として在籍し、必要な単位を揃えてから申請する社会人が多くいます。働きながら3〜4年かけて取得するケースが標準的で、スクーリング(対面授業)の調整がポイントになります。
Q7. 公認心理師を目指す場合、認定心理士は取った方がいいですか? ▼
必須ではありませんが、取っておく価値はあります。学部段階で認定心理士を取得しておくことで、心理学の基礎単位を一通り揃えた客観的な証明になり、大学院の出願・面接・自己PRで使いやすくなります。公認心理師の受験要件とは別物ですが、ステップとして組み合わせる人は多数派です。
Q8. 通信制大学の費用はどれくらいですか? ▼
大学によって大きく異なります。放送大学は授業料が単位制で、必要科目だけ履修すれば数十万円程度に抑えられるケースもあります。一方、私立の通信制大学では、卒業まで通った場合に総額70〜150万円程度かかることもあります。科目等履修生として必要単位だけ取る方法もあるため、各大学の入学要項を比較するのが確実です。
Q9. 認定証はいつ届きますか? ▼
書類審査の期間はおおむね数か月〜半年が目安です。日本心理学会の認定委員会が一括して審査するため、申請が集中する時期はもう少し時間がかかることもあります。卒業前に申請する場合は、卒業見込証明書での仮申請が可能なケースもあるため、就職活動のスケジュールと合わせて早めの準備が安心です。
Q10. 認定心理士を取った後、さらに学びを深めるならどうすればいい? ▼
日本心理学会の「認定心理士(健康・福祉)」「認定心理士(心理調査)」の追加認定で関心領域を深める方法、心理職を目指して大学院に進学し公認心理師・臨床心理士のルートに進む方法、対人援助の現場で傾聴ボランティアや産業カウンセラーとして実践を重ねる方法など、進む道は複数あります。カウンセラー実務経験ガイドも参考になります。
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参照元:公益社団法人 日本心理学会「認定心理士の資格申請」公開情報(https://psych.or.jp/)/放送大学 公式サイト/人間総合科学大学・聖徳大学・東京福祉大学・武蔵野大学・京都橘大学 など各通信制大学 心理学系コース 公開情報/厚生労働省・文部科学省 公認心理師制度関連 公開情報/日本臨床心理士資格認定協会 公開情報(いずれも2026年5月時点。申請料・受講料・必要単位の細則は年度・大学により改定があり、最新情報は各公式サイトで確認してください)