生贄猫 カラメの日記『僕だけの河原と猫』

気づくと僕はどこかの河原に立ってた
音が…聞こえる…長らく聞いていなかった
風の音 人の声 鳥の囀り
草と水のいい香り
気持ちがいい 
写真撮ろうとしたら
スマホがない…なくなっている

しょうがなく河原を歩いた
微かに聞こえる電車の音
ビルがなく家が土手の下に並んでる
太陽は真上だった
あったかい いい気候だった
久しぶりに聴く音が僕の心を癒した
なんか違和感がある………
心の奥の別の何かがいなかった
完全に いないけど僕は元気だったし
負の感情なんてなかった

少し歩いた後河原に腰掛け
どこかから出てきた猫を膝に乗せた
今思うとこいつが何だったのかはわからん
そんな謎すぎる猫のモッフモッフの毛に顔を埋めて泣いた
ただただ嬉しかった 数年ぶりに猫を触ったんだと思う
僕の大好きな茶色い綺麗な毛並みの猫だった
それから何時間経つのかもわからないくらい
猫と寝たり 撫でたり 空を眺めたりした
綺麗だった 音が聞こえて嬉しかった
でもそんな時間が続く訳もなく
そのうちだんだんと記憶が薄れていった

そして病室のベットで目が覚めた……
夢オチ…か
鮮明で綺麗な夢だった
起きたら、僕の耳は音を拾うのを辞めていた
帰ってきた 
夢のあの景色が忘れられない
あの 風景がどこなのか どんな場所なのか
もう一度行きたい ずっと隣にいたあの猫は何なんだろう
謎は増えるばかり
いつかあの風景を絵に描いて配信画面に使いたい
そう思えるほど僕を救った景色だった
あそこはどこだろう…また行きたいな
僕はまた よくわからないものに救われちゃった
夢の景色を忘れないように日記に残しとくね
あの猫を 茶太郎と名付けよう!
また会えるといいな…

favorite読んでくれた人へのメッセージ

あの景色が何だったのかはわからない
夢だけど鮮明に覚えてた

ログインするとこの日記をフォローして応援できます

keyboard_arrow_up