優樹の日記『終わらせるべき恋愛』

昨日恋人と喧嘩した。
内容が何かと聞かれると、なんだかよくわからない。
ある用事の最終日で、施設の最寄り駅まで迎えに来てくれていたらしい。しかし私は最終日のみ別施設で現地解散となったためバスで彼がいるはずの駅まで移動してしまった。
お互いに所在地を明かさないサプライズスタイル。過去に幾度となく失敗していたはずなのになぜ繰り返すのか。我々はただの葦なのか。
すれ違った我々も彼がこちらに来るということで落ち着いた。正直帰りたい。まとめなければならない事柄がたくさんある。靴擦ればかり起こす革靴だってろくに水筒も入らない鞄だって着れば暑く脱げば邪魔なジャケットだって一刻も早くおさらばしたい。せっかく彼がこちらに来てくれるというのに私はそんなことばかり考えていた。だからバチが当たったのだ。
私の前に現れた彼はここ最近の傾向通りおおよそ楽しそうには見えず、彼と会うからには楽しくありたいと気持ちを作ってきた私の心をまたしてもへし折った。不満があるのは結構であるが、疲れている人間に会うのにのっけからその表情とは何事か。僕なら疲れた人間を素直に労えないくらいならどんなに会いたくても会わないことを選択するので、正直彼の行動は理解できない。
自分と彼との関係はなんなのかやら私はどうしたいのかやら、自分にどうしてほしいのかやら、なんだか遠い過去のことまで引っ張り出して泣きながらヤンヤと言われ、疲れたやらめんどくさいやらで頭は回らないけれどどんどん冷え切っていく感覚だった。
彼のことは何よりも好きだが、私には彼を大切にするだけの余裕だとか気概だとか構えだとかが無い。僕は彼にどう扱われようとも構わないが、彼がそれに耐えられず湿っぽい顔をしてまで僕の横に居続けるつもりなら僕はそれが耐え難いし、その状態が続くようなら我々は別れるべきであると思う。

などといったことを考え続けていたら寝坊した。
反省会を無断欠席し、班員にも担当者にも連絡していない。
まとめるべき事柄も全くまとまっていない。
振るがはやいか振られるが先か、大切な人ひとり大切にできぬ己の愚かさ不甲斐なさに辟易している。

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