就労継続支援A型とB型の違いは?給与・契約・対象者を一覧で比較

就労継続支援A型とB型の違いは?給与・契約・対象者を一覧で比較

📌 この記事でわかること

  • A型とB型の違いを10項目以上で一覧比較(雇用契約・給与・対象年齢・上限期間・労基法・社会保険など)
  • 障害種別・年齢層・通所前の状況など、利用者プロフィールの違い
  • 仕事内容・週何日・服装・ノルマの有無など、働き方のリアル
  • YES/NO形式で進む独自の診断フローチャートで、自分に合う型を特定
  • 令和5年度の最新数値:A型 86,752円/B型 22,649円
  • 2024年のA型大量閉鎖後にA型を選んで大丈夫なのか、安全な選び方
  • 社会保険・扶養・確定申告・障害年金との関係
  • A型→B型/B型→A型の移動手順と、FAQ 8問

「就労継続支援にA型とB型があるのはわかったけど、結局何が違うの?」
「どちらが自分に合うのか、いまひとつピンと来ない」
「A型のほうがお金がもらえるなら、全員A型でいいのでは?」

A型とB型は、名前も似ていて制度としても近い位置にあるため、違いを正確に理解できないまま選んでしまう方が少なくありません。でも実際には、雇用契約の有無・給与水準・対象年齢・労基法の適用など、重要な部分で大きく異なります。選び方を誤ると、「思っていた働き方と違った」「体調が続かず辞めた」という結果を招きかねません。

この記事では、A型とB型の違いを3つの比較表診断フローチャートで徹底的に整理します。令和5年度の最新工賃データ、令和6年度報酬改定、そして2024年のA型大量閉鎖問題まで、2026年4月時点の最新情報を踏まえて、現場視点で正直に解説します。

【1行結論】A型は「雇用契約あり・平均8.7万円」/B型は「雇用契約なし・平均2.3万円・年齢上限なし」

細かい違いを語る前に、まず一言で結論を示します。

A型(就労継続支援A型)

雇用契約あり/平均給与 86,752円/原則18〜65歳未満

最低賃金以上・労基法適用・社会保険対象。「働いて収入を得る」を重視する方向け

B型(就労継続支援B型)

雇用契約なし/平均工賃 22,649円/年齢上限なし

労基法の対象外・体調優先で通える。「無理なく作業に取り組む」を重視する方向け

出典:厚生労働省「平均工賃(賃金)月額の実績について」(令和5年度実績)(mhlw.go.jp)。B型工賃は令和6年度報酬改定による計算方法変更を反映した修正値です。

つまり、雇用契約で守られた環境で働き、給与を得たい方はA型体調やペースを最優先しつつ、作業を通じて社会参加したい方はB型。この軸を押さえたうえで、以下の比較表で細部の違いを確認していきましょう。

比較表①|基本比較(10項目を一覧で)

まずは制度の「枠組み」としての違いです。雇用契約・対価・対象年齢・利用料・労基法の適用・社会保険・有給休暇・利用しやすさまで、制度面の全主要項目を一覧にしました。

比較項目 就労継続支援A型 就労継続支援B型
雇用契約 あり 事業所と労働契約を締結 なし 利用契約のみ
対価の呼び方 給与(賃金) 工賃
平均月額
(令和5年度)
86,752円 22,649円
対象年齢 原則18〜65歳未満 18歳以上(上限なし
利用期間の上限 制限なし(更新で長期利用可) 制限なし(更新で長期利用可)
利用料 共通:世帯所得による(0円〜月37,200円)/9割以上の方が0円
労働基準法の適用 適用あり(最低賃金・労働時間規制) 適用なし(福祉的就労)
最低賃金 適用あり(都道府県の最低賃金以上) 適用なし(工賃は事業所ごと)
社会保険 週20時間以上などの要件で加入 原則なし
雇用保険 加入(週20時間以上等) なし
有給休暇 付与される(労基法通り) なし(代わりに欠席の自由度が高い)
利用までの難易度 面接・選考あり(定員が埋まりやすい) 原則受け入れ可(空きがあれば通所可能)
通所頻度の目安 週4〜5日が中心 週1日〜でも可の事業所あり

出典:厚生労働省「障害者の就労支援対策の状況」(mhlw.go.jp)/「平均工賃(賃金)月額の実績について」(mhlw.go.jp)/「令和6年度障害福祉サービス等報酬改定の概要」(mhlw.go.jp)を基に作成。

💡 ここを間違えると選び方を誤る3つのポイント

  • 「A型=給与が高い」ではない:A型の平均は8.7万円で、一般就労のフルタイムとは水準がまったく違います
  • 「B型=楽」ではない:作業内容自体はA型と似ている事業所も多く、「楽だからB型」という理由は誤解のもと
  • 「年齢で決まる」わけでもない:65歳未満ならA型もB型も可。B型は年齢上限がないという違いだけ

比較表②|対象者比較(誰が使っている?)

次に、「実際にどんな人が使っているか」という利用者プロフィールの違いです。厚生労働省の公開データや現場の実感を基に整理しました。制度上の対象要件はもちろん、障害種別の比率・年齢層・通所前の状況まで押さえておくと、イメージがぐっと具体的になります。

観点 A型の利用者像 B型の利用者像
主な障害種別 精神障害 約5〜6割/知的障害 約2割/身体障害 約1〜2割/発達障害・難病等 知的障害 約4〜5割/精神障害(発達含む)約3〜4割/身体障害 約1割/難病等
障害者手帳 あり・なしどちらも可(診断書でも可) あり・なしどちらも可(診断書でも可)
年齢層の中心 20〜50代(65歳未満が制度上の上限) 10代後半〜60代以降まで幅広い(上限なし
通所前の状況 離職・休職後のリスタート/一般就労経験ありが多い/「収入を得ながら働き続けたい」 特別支援学校卒業直後/長期ひきこもりから社会参加/精神疾患で長期療養後/「まずは通う習慣から」
就労経験 一般就労経験ありが比較的多い 就労経験なし・ブランクが長い方も多数
体調・ペース 週4〜5日通える程度に安定している 体調の波あり/通院頻度が高い/短時間でも通える日を増やしたい
よくあるニーズ 最低賃金で収入/社会保険に入りたい/一般就労への足がかり 生活リズムを整える/居場所が欲しい/無理のない範囲で社会参加したい
併用している制度の例 障害年金/自立支援医療/精神通院 障害年金/生活保護/家族扶養/グループホーム

出典:厚生労働省「社会保障審議会(障害者部会)」公開資料(mhlw.go.jp)/「障害者の就労支援対策の状況」(mhlw.go.jp)掲載の各年度データを基に作成。比率は年度・集計方法により変動するため、おおよその傾向値として記載しています。

🙋 「自分の障害種別だとどっち?」と考えすぎなくて大丈夫

障害の種類よりも、現在の体調・働けるペース・望む働き方で選ぶのが基本です。たとえば精神障害の方でも、体調が安定していればA型で働き続ける方は多く、逆に知的障害の方でもA型でフルタイム相当の勤務をしている方は全国にたくさんいらっしゃいます。障害種別の比率はあくまで「傾向」として参考に。

比較表③|仕事内容・働き方の違い(リアルな1日)

3つ目は、実際の仕事内容と1日の過ごし方に関する違いです。「A型とB型で中身はどう違うのか?」は、パンフレットや制度資料だけではなかなか見えてこない部分。現場の標準的な姿をまとめました。

比較項目 A型の働き方 B型の働き方
代表的な業種 PC作業・データ入力・軽作業・印刷/製本・Web制作/デザイン/カフェ運営/清掃/農作業/倉庫内軽作業 手芸/下請け軽作業(箱折り・シール貼り)/自主製品(焼き菓子・パン)/農作業/内職/清掃/簡単なPC作業
業務の難易度 一般企業の軽作業・事務に近い(納期・精度を求められる) 手順がシンプル/やり直しが効く/作業量を自分で調整できる
週の通所日数 週4〜5日が中心(最低でも週3〜4日を求める事業所が多い) 週1日〜OKの事業所あり/平均は週3〜4日
1日の勤務時間 4〜6時間が中心(フルタイム8時間の事業所も) 2〜4時間が中心/午前のみ/午後のみ可
始業・終業 9時〜15時/9時〜17時など固定シフトが多い 10時〜15時/10時〜14時など、ゆるやか
服装 業種により制服・指定服あり/私服もカジュアル可 私服OKが基本/動きやすい服で
残業 原則なし(労基法の時間管理あり) なし(そもそも勤務時間の概念が緩い)
ノルマ 緩やかにあり(納期・品質は求められる) 原則なし(できる範囲でOK)
遅刻・欠席 連絡必須/頻発すると指導対象 体調理由で休みやすい/継続が最優先
休憩 労基法通り(6時間超で45分以上) 自由/こまめに取れる事業所が多い
送迎 事業所によりあり 事業所によりあり(送迎付きが多い傾向)
昼食 持参/外食/事業所提供(有料)など 持参/事業所で300円程度の軽食提供も多い

出典:厚生労働省「障害者の就労支援対策の状況」(mhlw.go.jp)掲載資料および、ココトモ運営現場での聞き取り・一般的な事業所公開情報を基に作成。事業所によって差があります。

💡 現場から見たA型とB型の「空気感」の違い

A型は「ちょっとゆるい職場」に近い空気感です。朝礼があり、タイムカードを打ち、納期に向けて作業が進みます。一方でB型は「通う場所・居場所」としての性格が強く、作業はそのなかの一要素。「働いている実感が欲しい」ならA型、「安心できる居場所のなかで少しずつ」ならB型、という肌感の違いがあります。

YES/NOで決める|A型・B型 診断フローチャート

比較表を見ても「結局どっちを選べばいいかわからない」という方のために、4つの質問に答えるだけで最適な型が見える診断フローを用意しました。上から順に、正直な気持ちで進んでください。

  1. Q1

    「雇用契約を結んで、労働者として守られて働きたい」ですか?

    最低賃金・労働基準法・社会保険・有給休暇、といった雇用契約の枠組みが必要かどうか、という問いです。
    YES(必要) → Q2へ進む(A型候補)
    NO/よく分からない/どちらでもいい → Q3へ進む(B型候補)

  2. Q2

    年齢は「65歳未満」ですか?

    A型は原則18〜65歳未満が対象です。
    YES(65歳未満) → Q4へ進む
    NO(65歳以上) → 制度上A型は原則対象外。B型がおすすめ(年齢上限なし)

  3. Q3

    体調の波があり、「週5日決まった時間に通うのは正直きつい」ですか?

    休みたい日に休める、時間を自分で調整できる、そういう働き方が必要かどうか。
    YES(週5日は厳しい/体調優先で通いたい)B型がおすすめ。週1〜3日、1日2〜4時間から無理なく通えます
    NO(週4〜5日なら通えそう) → Q4へ進む(A型も視野に)

  4. Q4

    「最低賃金以上の給与」を受け取る必要がありますか?

    生活費・一人暮らしの費用・扶養からの自立など、一定以上の収入が必要かという問いです。
    YES(給与収入が必要)A型がおすすめ。平均月額86,752円+社会保険で働けます
    NO(収入よりもペースを優先したい/年金や家族の扶養でまかなえる)B型がおすすめ。無理のない範囲で工賃を得られます

  5. Q5

    【補助】それでも迷う場合

    両方とも見学・体験して、実際の雰囲気・仕事内容を比べるのが最も確実です。2025年10月から始まった就労選択支援を使うと、専門家がアセスメントして最適解を提案してくれます。「選べない」も立派な相談テーマ、遠慮なく市区町村窓口に相談を。

🙋 診断結果が「想像と違った」と感じたら

診断はあくまで出発点です。「A型が合うはずなのに、なんだかしっくりこない」という直感も大事な情報。「今の自分」に合うほうを優先し、後から移動することもできることを忘れずに。A型→B型、B型→A型の両方向が可能です(詳細は後述)。

こんな人は「A型向き」/「B型向き」(特徴カード)

✅ こんな人はA型向き

  • 体調がおおむね安定し、週4〜5日通える自信がある
  • 最低賃金以上の給与で生活費を自分でまかないたい
  • 社会保険・雇用保険に入り、将来の年金や失業給付も備えたい
  • 「雇用契約がある=ちゃんと働いている」という実感がほしい
  • 将来的には一般就労へのステップアップも考えている
  • 有給休暇を取得しながら、安定した収入を確保したい
  • 年齢が18〜65歳未満で、日中の決まった時間帯に活動できる

🪴 こんな人はB型向き

  • 体調に波があり、休みたい日にしっかり休めることが大切
  • 週1〜3日・1日2〜4時間から、ゆるやかに始めたい
  • 雇用契約のプレッシャーや締切業務が負担に感じる
  • 一般就労や特別支援学校卒業直後で、まずは通う習慣を身につけたい
  • 65歳以上、または年齢にとらわれず長く通所したい
  • 障害年金・家族の扶養・生活保護などで生活費は確保済み
  • 「居場所」として通える環境で、少しずつ社会参加していきたい

💼

A型のキーワード

給与・雇用契約・労基法・社会保険・有給・ステップアップ・働く実感

🌱

B型のキーワード

ペース・体調優先・居場所・短時間・年齢上限なし・無理なく・福祉的就労

🧭

迷ったら

両方見学・体験/就労選択支援でアセスメント/相談支援専門員に相談

給与・工賃の最新データ|令和5年度の実数と「2024年問題」の影響

「平均いくら?」というのは、多くの方が最初に気になるポイントだと思います。ここでは令和5年度(2023年度)の公式データと、令和6年度報酬改定(2024年4月)後の変化を整理します。

A型 平均賃金月額(令和5年度)

月額 86,752円

時給換算では都道府県の最低賃金以上。週20〜30時間程度の勤務が多い

B型 平均工賃月額(令和5年度・修正後)

月額 22,649円

令和6年度報酬改定による計算方法変更で、旧来比で大幅増を反映した修正値

出典:厚生労働省「平均工賃(賃金)月額の実績について」(令和5年度実績)(mhlw.go.jp)。B型工賃の数値は令和6年度報酬改定に伴う算定方法変更後の修正値。

A型は「2024年問題」で賃金変動が起きた

令和6年度報酬改定(2024年4月)では、A型事業所の基本報酬がスコア方式で見直しされ、特に「生産活動収益が賃金総額を下回る事業所」は報酬が大きく下がりました。その結果、経営体力の弱い事業所では、賃金カット・営業時間短縮・大量閉鎖が起こり、現場では賃金変動が現実のものとなりました。

⚠️ 2024年3〜9月のA型大量閉鎖

厚労省の国会答弁や各種報道によれば、2024年3〜9月の間に全国で329か所のA型事業所が閉鎖し、約5,000人の利用者が解雇・退職を余儀なくされました。そのうち約4割がB型事業所へ転換(または移動)しています。背景は「生産活動収益<賃金総額」の事業所の報酬が下がり、経営が立ち行かなくなったこと。
一方で、健全経営の事業所は変わらず運営を続けていることも事実で、利用前にWAMNETでスコアを確認する習慣が身を守ります。

出典:閉鎖事業所数・解雇者数は厚生労働省 国会答弁・各種報道(2024年10月〜)/報酬改定の詳細は厚生労働省「令和6年度障害福祉サービス等報酬改定の概要」(mhlw.go.jp)を参照

B型は「工賃向上」の流れに乗って数値が改善

B型工賃は、以前は「月1.6万〜1.7万円」が全国平均でした。令和6年度報酬改定で計算方法が見直され、事業所の工賃向上の取り組みが報酬に反映される設計に。結果、令和5年度の修正工賃は22,649円にまで増加。都道府県や事業所によって差は大きいものの、B型でも月3万円・4万円を目指せる事業所が増えています

社会保険・税金・扶養への影響の違い

ここはA型とB型でもっとも実生活に影響する違いの一つです。「親の扶養に入ったままでいいのか」「障害年金が止まらないか」など、お金まわりの実務は事前に押さえておきましょう。

項目 A型 B型
給与/工賃の税区分 給与所得 雑所得(または事業所得相当)
源泉徴収 あり 原則なし
年末調整 事業所で実施(一定要件あり) なし(必要に応じ確定申告)
社会保険(健康保険・厚生年金) 週20時間以上などの要件で加入 なし(国保・国民年金を継続)
雇用保険 加入(失業給付の対象) なし
労災保険 加入(業務上のケガは補償) なし(作業中のケガは個別の共済・保険で対応)
健康保険の扶養 年収130万円超で扶養外れの可能性 工賃のみなら扶養を維持しやすい
確定申告 年収103万円超・副収入ありの方は必要 工賃のみなら原則不要(他収入次第)
障害年金への影響 就労状況は更新時の判断材料になる 同上(ただしB型は「労働能力」の評価で不利になりにくいケースも)
生活保護との併用 収入認定あり(給与控除は適用) 収入認定あり(勤労控除は適用)

出典:厚生労働省「障害者の就労支援対策の状況」(mhlw.go.jp)/扶養・税金・年金の具体的な取り扱いは、年金事務所・税務署・市区町村窓口で最新の個別判断をご確認ください。

💡 親の扶養から外れるタイミングの目安

健康保険の被扶養者認定は、原則年収130万円未満(障害がある場合は180万円未満の健保組合も)が目安。A型で月11万円以上稼ぐと扶養から外れる可能性があるため、家族で事前に確認しておくとトラブルを防げます。B型の平均工賃は年間約27万円なので、通常は扶養内に収まります。

2024年A型大量閉鎖後|A型の信頼性と、B型へシフトした背景

「2024年にA型が大量閉鎖したって聞いたけど、今からA型を選んで大丈夫?」という声は、この記事を読んでくださっている方からもよくいただきます。結論は「健全な事業所を見極めれば大丈夫」。ただし見極めの方法を知っておくことが大切です。

なぜ閉鎖が起きたのか|構造的な背景

A型は長く「報酬で利用者に最低賃金を払う」という構造的な歪みを抱えていました。本来は「事業収益で賃金を払う」のが労働の原則ですが、そうなっていない事業所が一定数あり、令和6年度報酬改定で「生産活動収益で賃金総額を賄えているか」が厳しく評価されるように。結果、給付費依存の事業所ほど報酬が下がり、経営継続が困難になりました。

B型へシフトした背景

閉鎖したA型の利用者のうち約4割がB型へ移行したのは、「雇用契約はなくても通える場所が必要」という切実なニーズがあったからです。B型は生産活動収益のプレッシャーが相対的に低く、体調優先で通える設計のため、急な転所にも対応しやすい受け皿として機能しました。

今からA型を選ぶときのセルフチェック

  • WAMNETで該当事業所のスコア(経営状況)を確認したか(105点以上が目安)
  • 運営母体が医療法人・大手福祉法人・上場企業など安定しているか
  • 事業収益(生産活動)と賃金総額のバランスが健全か(見学時に質問OK)
  • HP・SNSの更新頻度が高く、活動の気配があるか
  • 過去1〜2年で大量退職・賃金カットの噂がないか
  • 契約前に「万一の閉鎖時の対応」について説明があるか

出典:厚生労働省「令和6年度障害福祉サービス等報酬改定の概要」(mhlw.go.jp)/「障害福祉サービス等報酬改定検討チーム」(mhlw.go.jp)/閉鎖事業所数は国会答弁・福祉新聞・共同通信報道を参照。

🙋 安全な事業所を選んでいれば、A型は今も有効な選択肢

ふるい落とされたのは主に「給付費依存型」の事業所で、受注をきちんと獲得し、利用者に報いている事業所は今も健全に運営しています。「A型=危険」と一括りにせず、個別の事業所を見極める視点が大切です。

A型からB型へ/B型からA型へ|移動は可能?実務手順

結論から言うと、A型↔B型の移動は両方向とも可能です。制度上も、実務上も珍しいことではありません。ここでは具体的な手順を整理します。

A型からB型へ移る流れ(よくあるケース)

  1. 1

    現A型事業所・相談支援専門員に相談

    「体調が続かない」「週4日通うのが厳しい」など、素直に理由を話します。引き留めに遭っても、無理に続ける必要はありません。

  2. 2

    B型事業所の見学・体験

    通える範囲のB型を2〜3か所見学。A型とはペース感が違うので、体験で実際の1日を体験するのが重要です。

  3. 3

    サービス等利用計画の変更申請

    市区町村に変更申請を出し、受給者証のサービス内容を「B型」に更新。相談支援専門員が動いてくれます。

  4. 4

    A型の退職・B型の契約

    A型は雇用契約があるため退職手続きが必要。有給消化・離職票の発行・社会保険の切替を忘れずに。B型と利用契約を結んで通所再開です。

B型からA型へ進む流れ(ステップアップ)

  1. 1

    B型で週4〜5日通えるようになってきたら検討

    体調の安定と作業スキルが付いてきたら、A型へのステップアップが視野に入ります。支援員と面談で相談を。

  2. 2

    A型事業所の選考・面接

    A型は雇用契約を結ぶため、面接・簡単な適性確認があります。志望動機や働きたい意欲を伝えましょう。

  3. 3

    受給者証のサービス変更申請

    市区町村に申請し、受給者証を「A型」に切替。並行してサービス等利用計画も更新します。

  4. 4

    B型の契約終了・A型の雇用契約締結

    B型の利用契約を終了し、A型と雇用契約を結んで就業開始。社会保険の加入、扶養の確認を忘れずに。

💡 「B型→就労移行支援→一般就労」というルートもあり

B型からA型ではなく、就労移行支援を経て一般企業への就職を目指すルートも一般的です。自分に合う段階を選ぶのが何より大事。「次はA型」と決め打ちせず、相談支援専門員と選択肢を広く検討しましょう。

全国の事業所数・利用者数(2026年時点の参考データ)

項目A型B型
事業所数(2024年3月時点) 約3,922か所 約13,828か所
利用者数の規模 約8万人前後 約33万人前後
事業所の分布 都市部に多め 全国まんべんなく
選べる事業所の数 B型の3割強 選択肢が多い

出典:厚生労働省「社会保障審議会(障害者部会)」公開資料(mhlw.go.jp)/「障害者の就労支援対策の状況」(mhlw.go.jp)掲載の事業所数集計を参照。

事業所の絶対数ではB型がA型の約3.5倍。利用者数で見るとさらに差があります。地方ではA型の選択肢が限られることもあり、地理的な利用可能性も選び方の重要な要素になります。都市部に住んでいる方は両方の選択肢を比較しやすい一方、地方の場合は「通える範囲にA型がそもそも少ない」ことが現実的な制約になりやすいので、地域の事業所マップを早めに把握しておくと安心です。

令和6年度報酬改定がA型・B型にもたらした変化

2024年4月施行の令和6年度報酬改定では、A型・B型の双方に大きな見直しが入りました。A型は「スコア方式」の評価指標が強化され、生産活動収益・利用者の労働時間・支援員配置などが厳しく評価されるように。一方、B型は「平均工賃月額に応じた基本報酬」の刻みが細かくなり、工賃向上に取り組む事業所ほど報酬が上がる仕組みが強化されました。

結果として、A型では「給付費頼みの運営」が成り立ちにくくなり、健全経営の事業所と淘汰される事業所がはっきり分かれました。B型は「ただ通うだけ」の事業所と「工賃を伸ばすために本気で営業・受注に取り組む事業所」の差が広がり、利用者にとっても選び方の重要性が一段と増したと言えます。両者とも、事業所選びの良し悪しが体験を大きく左右する時代です。

出典:厚生労働省「令和6年度障害福祉サービス等報酬改定の概要」(mhlw.go.jp)/「障害福祉サービス等報酬改定検討チーム」(mhlw.go.jp

よくある質問

A型で働きながら、B型の見学や体験はできますか?

見学はいつでも可能です。体験利用も、A型側と日程調整(有給取得や休日利用)をすれば問題ありません。「A型を続けるか、B型に移るか迷っている」という相談は相談支援専門員の得意分野なので、遠慮なく声をかけてください。実際に両方を比べてみるのは、判断材料として非常に有効です。

B型のほうが楽そうだから移動したいです。本音で言うとダメですか?

「楽そうだから」は、体調の波や負担感を感じているサインのことも多いので、正直な気持ちとして支援員に伝えて問題ありません。大切なのは「現在の自分に合う場所で続けられること」です。無理してA型を続けて体調を崩すより、B型に一度移って立て直し、後でA型に戻るほうが長期的には良い選択になるケースもあります。「楽なほうを選ぶ=逃げ」ではありません。

A型もB型も、障害者手帳なしで利用できますか?

多くの自治体で手帳なしでも利用可能です。精神科・心療内科の医師から「障害福祉サービス利用のため」と明記された診断書があれば、受給者証の申請ができます。うつ病・適応障害・双極性障害・ASD・ADHDなどで手帳を取っていない方も多数利用しています。ただし自治体によって運用差があるため、お住まいの市区町村の障害福祉窓口にまず確認を。

A型からB型、B型からA型への移動に費用や期間のペナルティはありますか?

制度上のペナルティはありません。ただし受給者証のサービス変更申請には1〜2か月の手続き期間がかかる場合があります。A型からB型へ移る場合、A型退職時の離職票発行・社会保険切替などの実務もあるので、相談支援専門員と段取りを確認しながら進めるのがスムーズです。

A型の給与とB型の工賃、税金の扱いは同じですか?

異なります。A型は「給与所得」として源泉徴収・年末調整の対象になり、年収103万円を超えると所得税が発生する可能性があります。B型は「雑所得」扱いで源泉徴収されず、工賃のみなら確定申告が不要なケースが多いです。扶養や障害年金の等級更新への影響も異なるため、詳細は税務署・年金事務所でご確認ください。

65歳を過ぎるとA型は使えないと聞きました。本当ですか?

原則としてA型の新規利用は65歳未満が対象です。ただし、65歳になる前日までにA型を利用していた方は、引き続き利用できるのが一般的です。65歳以降に新たに就労系サービスを検討する場合はB型がメインの選択肢となります(年齢上限なし)。自治体の判断で柔軟な対応もあり得るため、窓口で相談を。

2024年の大量閉鎖を見ると、やはりB型のほうが安心?

B型も事業所によって経営状況は様々なので、「B型=絶対安心」とは言い切れません。ただしA型のような雇用契約を伴わない分、急な閉鎖時の利用者への衝撃はA型よりも小さい傾向があります。どちらの型でも、WAMNETで情報を確認する・複数見学する・運営母体を調べる、という基本動作が有効です。

B型で月2万円だと生活できません。障害年金と併用できますか?

多くの場合、障害年金とB型工賃は併用可能です。障害基礎年金2級は月額約6.8万円、1級は月額約8.5万円(令和6年度)で、これに工賃・家族の扶養・生活保護などを組み合わせて生活を組み立てる方が多数いらっしゃいます。収入状況が年金の等級更新時の判断材料になることはあるため、年金事務所で個別に相談を。

A型は面接で落ちることがあると聞きました。不安です。

A型は雇用契約を結ぶ関係上、面接・簡単な適性確認を行う事業所がほとんどです。ただし一般企業の採用面接とは違い、「働けるペースが合うか」「体調に無理がないか」を見る性格が強いもの。落ちたとしても、それは「今の自分には合わなかった」というだけのこと。他のA型事業所にチャレンジするか、一度B型や就労移行支援を経由する選択肢もあります。

まとめ:A型とB型、自分に合う「働き方」で選ぶのが正解

就労継続支援A型とB型の違いは、雇用契約の有無・対価の水準・対象年齢・働き方の自由度に集約されます。しかし、本当に大切なのは「今の自分に合う働き方はどちらか」という視点です。

A型は「雇用契約で守られて、給与を得ながら働く」型。B型は「ペースを自分で決めて、体調優先で通う」型。この違いを正しく理解していれば、選択ミスはぐっと減ります。迷ったら、両方見学・体験してみるのが最良の判断材料です。

📋 A型とB型の違い|押さえておくべき7つのこと

  • A型は雇用契約あり・平均給与8.7万円・労基法適用/B型は雇用契約なし・平均工賃2.3万円・年齢上限なし
  • A型は週4〜5日通える人向け/B型は週1日・短時間からOKで体調優先の人向け
  • 対象者は手帳の有無どちらでも可。診断書でも利用できるケース多数
  • 費用はどちらも原則無料〜月37,200円(約9割が0円)
  • 社会保険・扶養・税金の扱いはA型とB型で大きく異なるため、事前確認を
  • 2024年のA型大量閉鎖後はWAMNETでスコア確認が事業所選びの必須動作
  • A型↔B型の移動は両方向とも可能。焦らず、合わないと感じたら変えてOK

「自分にはA型とB型、どちらが向いているか」は、紙の上の比較だけで決まるものではありません。見学・体験を通じて、実際の雰囲気を肌で感じてから判断するのが、後悔しない選び方です。まずは気になる事業所を1か所、見学の連絡を入れるところから始めてみてください。

関連記事

全国の就労支援事業所を掲載中!
全国の就労支援事業所 完全版

ココトモでは、全国の就労移行支援・就労継続支援A型・B型事業所を掲載しています。2万件以上の事業所を都道府県/対応障害/訓練分野などから探せます。

就労支援事業所の一覧はこちら
keyboard_arrow_up