就労移行支援とは?2年間の中身・期間延長・就職率の実態まで解説

就労移行支援とは?2年間の中身・期間延長・就職率の実態まで解説

📌 この記事でわかること

  • 就労移行支援の2年間の中身(基礎訓練→応用→実習→就活→定着の流れ)
  • 全国平均就職率50%前後の数字の読み方と「カラクリ」の正体
  • 期間延長(最長3年)の条件と申請方法/複数回利用ができるケース
  • 訓練プログラム・資格取得(MOS・簿記・Webデザイン等)の実際
  • 卒業後6ヶ月以降に続く「就労定着支援」との連携
  • 大手 vs 地域密着型の違いと、事業所選びで数字に騙されないコツ
  • 障害者手帳がなくても利用できる条件・在職中利用の可否・費用の実態
  • 申請から通所開始までの5ステップと、FAQ8問

「就労移行支援って結局なに?」
「2年も通って、本当に就職できるの?」
「就職率80%ってサイトに書いてあったけど、本当?」

就労移行支援について調べると、就職率の数字がバラバラで、どの情報を信じていいのか分からなくなりますよね。 さらに「期間は2年」「延長できる」「再利用できる場合も」と、制度がやや複雑で尻込みしてしまう方も多いはずです。

この記事では、制度の基本から就職率のカラクリ・2年間の具体的な使い方・延長申請・卒業後の定着支援まで、 厚生労働省の公式データと現場の肌感覚をあわせて2026年最新の視点で整理しました。 事業所選びで「数字に騙されない目」を持てるよう、ココトモが支援者側の本音も含めて解説します。

就労移行支援とは?一言で言うと「2年間の就職準備サービス」

就労移行支援は、障害や難病のある方が一般企業への就職を目指して通う、原則2年間の訓練型福祉サービスです。 障害者総合支援法(旧・障害者自立支援法)に基づき、国・自治体の給付費で運営されているため、利用者はほぼ無料で、スキル訓練・就職活動のサポート・職場実習・卒業後の定着支援までを一貫して受けられます。

A型(就労継続支援A型)やB型(同B型)との最大の違いは、雇用契約がない・給与や工賃が発生しない点です。 就労移行支援は「働く場」ではなく、あくまで「働く準備をする場」という位置づけ。訓練の中で自分の特性を理解し、継続可能な働き方を設計しなおすプロセスを2年かけて行います。

💡 一言でまとめると

就労移行支援は、原則18歳以上65歳未満の方が原則2年(最長3年)にわたり、 スキル訓練・模擬就労・実習・求職活動・定着支援を受けられる国の制度に基づく通所型サービスです。 給与は出ませんが、利用料は大半の方が0円で、事業所との契約は「福祉サービスの利用契約」であって雇用契約ではありません。

就労移行支援の5つの基本スペック

項目内容
目的一般企業への就職を目指した準備・訓練
対象年齢原則18歳以上65歳未満(65歳以前から利用していた場合は継続可)
雇用契約なし(給与・工賃は発生しない)
利用期間原則2年(必要に応じ最長3年まで延長可/要件あり)
費用世帯所得により月0〜37,200円(9割以上が0円)

出典:厚生労働省「障害者の就労支援対策の状況」(mhlw.go.jp)/厚生労働省「障害者の利用者負担」(mhlw.go.jp)を基に作成

対象となる障害・疾患

身体障害・知的障害・精神障害・発達障害(ASD/ADHD/LDなど)・難病(指定難病受給者証で利用可能)が対象です。 障害者手帳は必須ではなく、精神科・心療内科の医師の診断書があれば利用できるケースが多数あります(自治体判断)。 うつ病・双極性障害・統合失調症・適応障害・ASD・ADHDなどで、手帳未取得のまま利用している方も少なくありません。

【核心】就職率「50%」と「80%」の差はどこから生まれる?数字のカラクリを解剖

就労移行支援を調べるとき、もっとも気になるのが「就職率」でしょう。ところがサイトや資料によって、 「全国平均は50%前後」「うちは就職率80%超」「90%以上」と数字が大きくばらつき、何が本当なのか分からない──そう感じる方が多いはずです。 結論から言うと、どの数字も嘘ではありません。ただし、分母と分子の定義が事業所ごとに違うのです。

厚労省の集計に基づく全国平均(目安)

年間就職率 約50%前後

事業所別に見ると0〜80%まで大きく分散(就職者ゼロの事業所が全体の約3割あるという調査報告も存在)

出典:厚生労働省「障害者の就労支援対策の状況」(mhlw.go.jp)掲載の集計値を基に記述。年度・集計方法により数値は変動します。

カラクリ①:分母(母集団)の定義が事業所ごとに違う

就職率は単純に「就職者数 ÷ 利用者数」で計算されますが、「利用者数」を何にするかで結果が大きく変わります

分母の取り方出やすい数値ねらい・留意点
年度末時点の在籍者のみ 高めに出やすい 途中退所者や長期休所者を除外できるため、数字が上振れします
年度内の就職活動対象者のみ 非常に高く出る 「入所1年目は訓練期間として除外」とする事業所もあり、90%超の数字が作れます
年度内の卒業者(期間満了+就職退所者) 中程度 比較的実態に近い。「卒業者のうち就職した割合」として公表する事業所が多い指標
年度内の全利用経験者 やや低く出る 途中退所・体調不良での休止などすべて母数に含むため、現実を最も反映

つまり、「就職率80%」の裏に「分母を就職活動対象者だけに絞っている」という前提が隠れていることがあります。 公式サイトの数字を見るときは必ず、「この就職率は、何を分母にしていますか?」と質問するのが鉄則です。

カラクリ②:就職の「継続期間」の定義

もう一つの落とし穴が「いつ時点で就職したとカウントしているか」です。 例えば「内定をもらった時点」でカウントするのか、「入社後3ヶ月継続できた時点」でカウントするのかで、数字の意味はまったく異なります。

⚠️ 就職率と定着率は必ずセットで確認

早期離職(入社3ヶ月以内の退職)が多い事業所では、就職率80%でも1年後定着率50%というパターンが起こり得ます。 一方で、就職率60%・1年後定着率90%という事業所は、数字上派手さは無くとも「続く就職」を生み出す力があると言えます。 見学時には「1年後定着率」「3年後定着率」まで必ず確認しましょう。

カラクリ③:就労形態のミックス(障害者雇用枠/オープン/クローズ)

就職率の中身をさらに分解すると、就労形態の内訳によって実質が大きく変わります。

就労形態特徴定着しやすさ
障害者雇用枠(オープン就労) 障害を開示して応募。合理的配慮を受けやすい ◎ 最も高い
一般枠・障害開示(オープン) 一般求人に障害を開示して応募 ○ 企業の理解度に依存
クローズ就労 障害を伝えず一般枠で就職 △ 配慮を受けにくく早期離職リスク

同じ「就職」といっても、クローズ就労の比率が高い事業所は就職後に配慮を得にくく、早期離職が増える傾向があります。 見学時は「障害者雇用枠(オープン就労)での就職が何割か」も必ず確認しましょう。

💡 就職率の読み方チェックリスト

  • 分母は「卒業者」か「在籍者」か「就活対象者」か?
  • 就職=「内定」か「入社後◯ヶ月継続」か?
  • 障害者雇用枠(オープン)の割合は何%か?
  • 1年後・3年後の定着率は?
  • 就職者の平均勤続年数は?

なお、事業所に対してはこれらの質問は失礼ではなく、むしろ誠実な姿勢と受け取られます。 きちんと数字を開示できる事業所ほど、支援の質が高い傾向にあります。

2年間の使い方|6ヶ月ごとの段階で見る「就職までのロードマップ」

就労移行支援の2年間は、6ヶ月ごとに4つのフェーズに分けて進むのが一般的です。 もちろん個人差は大きく、体調や特性により段階を行き来することもありますが、全体像を知っておくと安心です。

  1. 1

    0〜6ヶ月目:基礎訓練フェーズ(生活リズムと自己理解)

    まずは週2〜3日・短時間通所からスタートし、徐々に週5日の安定通所へ。 この時期は生活リズムの構築・通勤訓練・挨拶や報連相などのビジネスマナー・自己理解(特性の整理)が中心です。 通所の継続それ自体が「働く土台」になります。

  2. 2

    6〜12ヶ月目:応用訓練フェーズ(スキル・資格・コミュニケーション)

    生活リズムが整ったら、PCスキル(Word/Excel/PowerPoint)、ビジネスコミュニケーション、職場ロールプレイ、資格取得へ。 MOS・日商簿記・Webデザイン・ITパスポートなど、目指す職種に応じた資格学習を進める方が多い時期です。

  3. 3

    12〜18ヶ月目:実習フェーズ(企業実習・職場体験)

    提携企業での職場実習(5日〜2週間程度)に参加し、リアルな職場で働く感覚を確認します。 「想定していた仕事と合わない」「もっと事務寄りがいい」など軌道修正できる貴重な時期。 ここで自分の得意・苦手・必要な配慮が明確になります。

  4. 4

    18〜24ヶ月目:就職活動フェーズ(求人応募・面接・内定)

    履歴書・職務経歴書・ナビゲーションブック(自分の特性・配慮事項をまとめた書類)を作成。 ハローワーク専門援助部門・障害者職業センターと連携し、求人応募・面接練習・企業見学を進め、就職先を決定します。 支援員が面接同行するケースもあります。

  5. 5

    卒業後6ヶ月間:定着支援フェーズ(移行支援事業所による継続支援)

    就職後6ヶ月間は、就労移行支援事業所が引き続き「定着支援」を無料で行います。 職場面談・悩み相談・企業との調整など、離職リスクを抑える重要な時期。 6ヶ月経過後は「就労定着支援」サービスに移行し、最長3年までサポートが続きます(後述)。

🙋 このスケジュールは全員に当てはまる?

あくまで標準的なモデルで、実際は人によって大きく異なります。 半年で就職する方もいれば、2年目に入ってから本格的な就活を始める方も珍しくありません。 体調の波・家庭事情・訓練の進度に合わせ、個別支援計画(3〜6ヶ月ごとに見直し)で柔軟に調整していくのが本来の使い方です。

訓練プログラムの内容|PC・マナー・模擬就労・資格取得

就労移行支援で行われる訓練は、大きく4カテゴリに整理できます。 事業所ごとに得意分野は異なり、IT特化型・事務特化型・軽作業多め・クリエイティブ系など、カラーが分かれます。

① ビジネス基礎訓練

  • ビジネスマナー(敬語・電話応対・メール文面)
  • 報連相(報告・連絡・相談)の実践ロールプレイ
  • 時間管理・スケジュール作成・タスク分解
  • ストレスマネジメント・アンガーマネジメント

② PCスキル/ITリテラシー

  • タイピング、基本操作
  • Word/Excel/PowerPoint(関数・ピボット・マクロまで幅広く)
  • Googleワークスペース、Slack・Teams・Zoomなどのビジネスツール
  • HTML/CSSの基礎、画像編集、動画編集、プログラミング基礎

③ 資格取得サポート

事業所によっては資格試験の受験料補助・講座提供があり、就職時に武器となる資格を取れます。

📊

MOS

Microsoft Office Specialist。事務職の面接でアピールしやすい定番資格

🧾

日商簿記

3級→2級で経理・総務職の選択肢が広がる

🎨

Webデザイン・HTML

テレワーク就労につながりやすい実践スキル

💻

ITパスポート/基本情報

IT関連職に進みたい方に。在宅就労とも相性が良い

④ 模擬就労・職場実習

「訓練室で学ぶ」と「実際の職場で働く」の間には大きなギャップがあります。そのため多くの事業所が、 模擬受注業務(実際の企業から業務委託された軽作業・PC業務)企業実習(数日〜2週間)を組み込んでいます。 模擬就労を通して初めて、自分の「働ける時間・負荷の上限」が現実的に見えてきます。

期間延長ルール|原則2年、最長3年までの延長条件

就労移行支援の利用期間は原則24ヶ月ですが、特別な事情があれば12ヶ月を限度に延長(通算最長3年まで)が認められます。 延長は自動ではなく、市区町村の支給決定を受ける必要があります。

延長が認められる主な条件

ケース延長が認められやすい理由
2年以内に就職活動を完遂できなかった 体調の波・実習遅れ等、合理的理由があれば認められやすい
内定寸前で就職がずれ込みそう 「あと数ヶ月で就労に結びつく見込み」が示せると通りやすい
スキル取得にもう少し時間が必要 資格取得・実習の積み上げなど具体的な目標設定が必要
家庭事情・病状悪化で一時中断があった 主治医意見書・支援計画の修正があれば検討対象

延長申請の流れ

  1. 1

    事業所・支援員との面談

    延長が必要な理由・目標を整理。残り期間でやるべきことを具体化します。

  2. 2

    相談支援専門員と計画見直し

    サービス等利用計画を改訂。延長期間中の目標と支援内容を盛り込みます。

  3. 3

    市区町村に延長申請(期間満了の2〜3ヶ月前が目安)

    計画書・意見書・申請書を提出。審査会(必要な場合)を経て支給決定。

  4. 4

    支給決定通知 → 延長利用開始

    受給者証に新しい期間が反映され、延長後の利用がスタートします。

⚠️ 延長は「自動」ではありません

延長申請は自治体ごとに基準・厳しさが異なります。 「もう半年あれば内定が取れる」といった具体的な根拠がないと認められにくい傾向があります。 期間が残り3〜6ヶ月を切ったら、早めに事業所・相談支援専門員と相談しましょう。

複数回利用ルール|一度使い切った人が再利用できるケース

「就労移行支援を2年(または延長で3年)使い切ったら、もう一生使えないの?」という質問をよく受けます。 答えは「ケースによっては再利用できる」です。

再利用が認められる代表的なケース

  • 就労移行支援を卒業して就職したが、離職・退職して再び就職を目指したい
  • 前回の利用時と障害状況・支援ニーズが大きく変わった(例:病状悪化、新たな診断)
  • 前回の利用が数年以上前で、現在の労働市場・必要スキルに合わせた再訓練が必要

再利用の可否は市区町村(支給決定権者)の個別判断です。 自動的に「2年使ったら終わり」ではなく、本人の状況と合理的理由があれば再支給決定が下りる可能性があります。 判断には相談支援専門員の意見書・主治医意見書・就労計画書などが重要な資料となります。

🙋 再利用を諦めずに相談を

「一度使い切ったから無理」と思い込んで泣き寝入りする方がいますが、まずは市区町村の障害福祉窓口と相談支援事業所に相談しましょう。 審査にあたっては「本当に必要か」「今回は何を目的にするか」を言語化できると通りやすくなります。

就職率・定着率のリアルデータ|全国平均と事業所差

全国平均の目安

指標全国平均(目安)事業所別レンジ
年間就職率 約50%(利用者数に対する就職者の割合) 0%〜80%超
1年後定着率 約70%前後 50%〜95%
3年後定着率 約55〜60% 30%〜80%

出典:厚生労働省「障害者の就労支援対策の状況」(mhlw.go.jp)/厚生労働省「令和7年 障害者雇用状況の集計結果」(mhlw.go.jp)を基に作成。集計年度・方法により数値は変動します。

就職者数は増加傾向

障害者の実雇用率は民間企業で2.41%(令和7年集計)と過去最高を更新し、実雇用者数も70万人超と右肩上がりです。 就労移行支援から一般就労へ移行する方の数も増加基調にあります。

出典:厚生労働省「令和7年 障害者雇用状況の集計結果」(mhlw.go.jp

事業所差が大きい理由

  • 支援員の質:ジョブコーチ経験・企業開拓力により紹介できる求人の質が変わる
  • 提携企業数:実習受け入れ企業・就職先企業のネットワーク規模
  • カリキュラム設計:IT特化・事務特化・軽作業中心で目指せる職種が変わる
  • 利用者層:重度の方・体調が不安定な方を受け入れる事業所ほど就職率の数字は控えめになる傾向(決して質が低いわけではない)

💡 「就職率が高い=良い事業所」とは限らない

「就職率を上げるために、就職に近い人だけを選別して受け入れる事業所」も残念ながら存在します。 重度・難治例を断らず受け入れている事業所は、数字上の就職率は控えめでも、 本当に支援が必要な人を丁寧にサポートしている場合が多いことを覚えておきましょう。

就労定着支援との連携|卒業後6ヶ月経過から最長3年

就労移行支援で就職した後、就職から6ヶ月間は元の事業所が引き続き定着支援をしてくれます。 その後も継続した支援が必要な場合、「就労定着支援」という別サービスに切り替え、最長3年間の面談・調整・相談サポートを受けられます。

就労定着支援の仕組み

項目内容
対象者就労移行支援・A型・B型・生活介護等を経て一般就労し、就職から6ヶ月を経過した方
利用期間最長3年(6ヶ月目〜3年6ヶ月目まで)
支援内容月1回以上の面談、企業訪問、職場との調整、生活相談
費用世帯所得による(就労移行支援と同様、9割以上が0円)

元の就労移行支援事業所がそのまま定着支援を担うケースも多く、「馴染みの支援員が続けて関わってくれる」のが心理的な安心材料になります。 定着支援のある事業所は、就職後の離職リスクを下げる大きな要素です。

出典:厚生労働省「令和6年度障害福祉サービス等報酬改定の概要」(mhlw.go.jp)に基づく就労定着支援制度を参考に記述

就労移行支援のメリット・デメリット

✅ メリット

  • ほぼ無料で2年間のスキル訓練を受けられる
  • 資格取得(MOS・簿記等)が目指せる
  • 企業実習を通じて「働く感覚」を体験できる
  • 就活のサポート(応募書類作成・面接同行)がある
  • 就職後も定着支援が続き、離職リスクが下がる
  • 障害者手帳がなくても利用できるケースが多い
  • 同じ悩みを持つ仲間と出会える

⚠️ デメリット・留意点

  • 給与は発生しない(工賃もなし)
  • 原則2年の期間制限がある
  • 事業所によって支援の質に大きな差
  • 通所ができる体調でないと利用継続が難しい
  • 就職率の数字は事業所により見せ方が異なる
  • 体調悪化時に無理に通うと逆効果
  • 在職中の利用は原則不可(例外あり)

事業所選びのポイント|大手 vs 地域密着、数字の見方

就労移行支援事業所は全国に約3,000か所以上あり、運営母体・カリキュラム・雰囲気はそれぞれ違います。 大手チェーン型地域密着型にざっくり分けて特徴を整理しました。

大手チェーン vs 地域密着 比較表

大手チェーン型地域密着型
事業所数 全国複数拠点、選択肢が多い 1〜数拠点、地元に特化
カリキュラム 標準化されたプログラム、IT・事務系強い 地域・運営者の個性が出やすい
就職実績 母数が大きく数字が出しやすい 数は少ないが質重視のことも
提携企業 全国企業と連携、都市部求人に強い 地元企業との関係が深い
支援員との距離 標準化されている分やや距離感あり 距離が近く、顔が見える関係

見学で必ず確認したい10の質問

  1. 1

    就職率の「分母」は何ですか?

    卒業者/在籍者/就活対象者のどれか。数字の前提を必ず確認。

  2. 2

    1年後定着率/3年後定着率は?

    就職率とセットで聞く。答えられない事業所は要注意。

  3. 3

    障害者雇用枠(オープン)の比率は?

    クローズ中心だと定着が難しくなる傾向。

  4. 4

    どんな業種・職種への就職が多いですか?

    自分の希望業種とマッチしているかをチェック。

  5. 5

    体調不良時・遅刻・欠席への対応は?

    柔軟性の高さは「続けられるかどうか」の生命線。

  6. 6

    個別支援計画の見直し頻度は?

    3〜6ヶ月ごとの見直しと本人参加がスタンダード。

  7. 7

    企業実習は何社と提携していますか?

    実習先が多いほど選択肢が広がります。

  8. 8

    卒業後の定着支援は誰が担いますか?

    同じ支援員が継続できるか、別部門に引き継がれるか。

  9. 9

    送迎・在宅訓練の対応は?

    通所負担が重い方は送迎・在宅併用型が有力候補。

  10. 10

    見学時に「利用者の表情・雰囲気」を観察

    資料やHPではわからない、事業所の空気は見学でしか分かりません。

利用条件|手帳なし・在職中でも使える?

障害者手帳なしでも利用できる

就労移行支援は障害者手帳が必須ではありません。 精神科・心療内科の医師による診断書(「障害福祉サービス利用のため」と明記)があれば、利用できる自治体が大半です。 うつ病・適応障害・双極性障害・ASD・ADHDで手帳を取得していない方も多数利用しています。

在職中の利用は原則不可、ただし例外あり

原則は「就労移行支援は就労が困難な方のためのサービス」であり、在職中の利用はできません。 ただし休職中で復職を目指している・退職が決まっており離職日以降に使う・週数時間のパート勤務で実質的に就労困難など、 自治体判断で認められるケースがあります。

🙋 「働きながら」の代わりになるサービスは?

在職中で働き方の調整が必要な方は、就労定着支援(就職後6ヶ月経過から)リワーク支援(医療機関/地域障害者職業センター)の利用を検討しましょう。 市区町村の障害福祉窓口やナカポツに相談すれば、状況に合う制度を案内してもらえます。

費用|9割以上が無料で利用している

就労移行支援の利用料は、世帯の所得区分によって月額の自己負担上限が決まります。 通所系サービスのため、住民税課税世帯でも月9,300円が上限。交通費・昼食代は別ですが、事業所独自の補助がある場合もあります。

所得区分月額負担上限
生活保護受給世帯0円
住民税非課税世帯0円
住民税課税世帯(所得割16万円未満)9,300円
上記以外37,200円

出典:厚生労働省「障害者の利用者負担」(mhlw.go.jp

💡 20歳以上は「本人と配偶者」の所得で判定

20歳以上の方は、利用者本人と配偶者の所得で判定されるため、実家暮らしでも親の所得は関係なく、ほとんどの方が0円になります。 19歳以下の場合は保護者を含む世帯全員の所得が対象になりますが、それでも非課税世帯は0円です。

申請から通所開始までの5ステップ

  1. 1

    相談・情報収集(所要:即日〜数日)

    市区町村の障害福祉窓口または相談支援事業所に連絡し、地域の就労移行支援事業所情報をもらいます。 WAMNETや「就労移行支援 ◯◯市」等の検索も並行しましょう。

  2. 2

    見学・体験利用(所要:1〜4週間)

    最低2〜3か所を見学・体験。体験は無料で、半日〜数日間プログラムに参加できる事業所が多いです。 合わなかったら別の事業所に乗り換えても問題ありません。

  3. 3

    受給者証の申請(所要:1〜2ヶ月)

    市区町村の窓口で「障害福祉サービス受給者証」を申請。 申請書・診断書または手帳・マイナンバー・身分証などを提出します。審査期間を見込んで早めに動くのがコツ。

  4. 4

    サービス等利用計画の作成

    相談支援専門員が「どのサービスを、どのくらい、どんな目標で」利用するかの計画書を作成。 本人が作るセルフプランも可能ですが、初回は専門員に任せるほうが安心です。

  5. 5

    契約・通所スタート

    事業所と利用契約を結び、通所スタート。週2〜3日・短時間から徐々に増やしていくのが王道。 体調の波に合わせ、最初から無理をしないのが長続きのコツです。

🙋 申請から通所開始までトータル何ヶ月?

最短で1.5ヶ月ほど、平均すると2〜3ヶ月が目安です。 思い立ったら、まず窓口相談と事業所見学を並行して進めるとスムーズに進みます。

よくある質問(FAQ)

2年以内に就職できなかったらどうなりますか?

期間満了後は原則として利用終了ですが、必要があれば最長3年まで延長申請が可能です。延長にも間に合わなかった場合でも、A型・B型・就労定着支援など他の就労系サービスに切り替える道があります。相談支援専門員と早めに次のステップを話し合いましょう。

途中で退所できますか?合わないと感じたら?

もちろん可能です。事業所に申し出るか、相談支援専門員に伝えればスムーズに契約解除できます。合わない事業所に無理に通い続けると逆効果なので、別の事業所へ乗り換える「転所」も選択肢に入れて大丈夫です。

失敗しない事業所の選び方を教えてください

①複数事業所の見学・体験を必ず行う、②就職率の「分母」と「定着率」まで具体的な数字で質問する、③障害者雇用枠(オープン)の比率を確認する、④体調不良時の柔軟さを確認する、⑤見学時の利用者の表情を観察する、の5点が核心です。「数字の見せ方が丁寧な事業所」ほど誠実な支援をしている傾向があります。

障害者手帳がなくても利用できますか?

多くの自治体で医師の診断書があれば利用可能です。うつ病・適応障害・ASD・ADHDなどで手帳未取得の方も多く利用しています。ただし最終判断は自治体によるため、お住まいの市区町村の障害福祉窓口に確認してください。

在職中でも使えますか?

原則としては就労困難な方のためのサービスなので在職中の利用はできません。ただし休職中で復職準備中の方・退職予定が確定している方などは、自治体判断で認められるケースがあります。まずは窓口で相談を。

就労移行支援を卒業したあと、再度利用はできますか?

ケースにより再利用が認められることがあります。就職後に離職した、病状や支援ニーズが大きく変化した、前回利用から数年経っているなどの合理的理由がある場合、市区町村の審査で再支給決定が下りる可能性があります。相談支援専門員に相談してみてください。

資格取得のサポートはどの事業所でも受けられますか?

事業所により大きく異なります。MOS・日商簿記・ITパスポート・Webデザインなどの講座提供や受験料補助がある事業所もあれば、資格サポートを謳わない事業所もあります。見学時に「どんな資格をどの程度支援してもらえるか」を具体的に確認しましょう。

就職後の定着サポートはいつまで続きますか?

就職から6ヶ月間は元の就労移行支援事業所が定着支援を行い、6ヶ月経過後は「就労定着支援」に切り替わり最長3年間続きます。合計で就職から最長3年6ヶ月、伴走を受けられる制度になっています。

アルバイトや副業をしながら利用できますか?

原則として就労困難な方が対象のため、継続的な就労と並行した利用は難しいとされています。ただし月数回・ごく短時間の単発アルバイト程度であれば、訓練の一環として認められる場合もあります。必ず事業所・自治体に事前確認しましょう。

まとめ:就労移行支援は「2年で就職準備を完成させる」福祉制度

就労移行支援は、原則2年間の訓練で一般企業への就職を目指す、国の制度に裏打ちされた安心のサービスです。 ほぼ無料で、スキル訓練・資格取得・実習・就活・卒業後の定着まで一気通貫でサポートを受けられ、 近年は障害者雇用の拡大を追い風に、就職先の選択肢も大きく広がっています。

📋 就労移行支援を使う前に押さえておくべき7つのこと

  • 原則2年、最長3年(延長は自動ではなく市区町村の支給決定が必要)
  • 就職率の「分母の定義」と「定着率」をセットで確認する
  • 障害者雇用枠(オープン)の比率も大切な指標
  • 障害者手帳がなくても、診断書で利用できるケースが多い
  • 費用は9割以上の方が0円
  • 卒業後は就労定着支援と連携し、最長3年6ヶ月の伴走が受けられる
  • 合わない事業所に我慢せず、転所・再利用の道もある

就労移行支援は「使い方次第で人生の軌道を大きく変えられる制度」です。 数字に惑わされず、自分に合った事業所を見つけ、2年間を自分だけの就職準備期間として使い切りましょう。 迷ったときは、お住まいの市区町村の障害福祉窓口やココトモの相談窓口にお気軽にご相談ください。

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