結城の日記『彼岸』

私は、教説を説いたわけではない。

そして、君は嘆くだろう。「返ってこない」と。

しかし、君は知っている。返さない喜びを。

私は、語り続けた。片道切符と知っていても。

私がどれほど土を練っても、君は神を知らぬように、君が私を忘れることが世界の本質である。

君の行く道に、私が込めた魂がなかったとしても、構わない。

忘却と実存の旅を、謳歌せよ。

ログインするとこの日記をフォローして応援できます

keyboard_arrow_up