ひよこの日記『恋心は何の箱』

その人の目が好き。
子供の頃好きだった色でまだ染まってそうな、その目が好き。
その人の手が好き。
グーが苦手で、パーばかりで棘まで撫でてしまいそうな、その手が好き。
その人の声が好き。
小さな雨が降っているような、その声が好き。

私の恋心は、その人の目の色を変えてしまうかもしれない
その人の手に棘を刺してしまうかもしれない
一番怖いのは、私が大好きなその雨が止むこと。

だからこの恋心は箱の中に入れておきます。

その箱は
一時の楽しみのために集められたおもちゃ達が入ってる、玩具箱なのか。
もう要らない、使えないと言われたもの達が放られた、ゴミ箱なのか。
どんな箱なのか、はっきりとは分からないけれど

触れるのも躊躇うような
傷つけることが怖くて外には身に付けていかず、
部屋の中で見つめて「大切だな」と呟くような
そんな宝石達が眠っている、宝石箱でありますように。

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