アニメセラピーのすゝめ
visibility44 edit2026.02.14
2026年の冬アニメで、「葬送のフリーレン」の2期が放送されています。
アニメをあまり見ない方でも、
名前だけは聞いたことがあるかもしれません。
私は元々アニメが好きで、作品自体は当然知っていました。
知っていた反面、腰を据えて見るべき作品だと思っていて、
ずっと見る時間が取れていませんでした。
現在1期の14話を見終わったところなのですが、
この作品は序盤で物語の行き先が静かに示されます。
フリーレンが涙を流す場面を見たとき、
「これは、勇者ヒンメルの痕跡を辿っていく物語なのかもしれない」と
直感的に感じました。
大きな戦いへ向かうのではなく、
過去に残された想いを少しずつ拾い直していく旅。
「この作品はきっと温かい気持ちになれるんじゃないか」
そんな予感がしました。
私の好みの問題もありますが、もし戦闘や緊張感の強い展開が続く
作品だったらきっと途中で視聴をやめていたと思います。
思えば学生時代も、社会人になってからも、アニメに
何度も助けられてきた気がしました。
今回、その感覚を少し言葉にしてみたくなり、コラムにしてみました。
※若干のネタバレを含みますのでご注意ください
フリーレンが涙を流した場面
その日は自宅のテレビで、
久しぶりにアニメのサブスクを視聴していました。
頚椎症の具合が悪く、首の痛みが再発し、強くなり始めていました。
痛みのケアに時間を充てれば、しばらくは思うように予定が
組めなくなるかもしれない。
やりたかったことも、一度立ち止まらないといけない気がしていました。
だからこそ、まだ見ていなかった作品を今なら見られるかもしれない。
そんな風に思っただけでした。
物語は冒険の後で、すでに魔王を倒したところから始まります。
「珍しい作品だな」と思いながら淡々と見ていましたが、
フリーレンが涙を流した瞬間、目が釘付けになりました。
感情を表に出さなかったはずの彼女が、
分かっていたはずのことを悔いるように言葉を重ねながら、
涙を流していました。
それまで、彼女がヒンメルに特別な感情を見せる場面は
全くと言っていいほどなかったはずです。
それでも涙が止まらない。
どうして泣いているのか、
考えるより先に、その気持ちが伝わってきた気がしました。
画面を見ながら、
私は理由を探していたのだと思います。
けれど同時に、「旅の仲間と過ごした時間」は、
ちゃんとフリーレンの中に刻まれていたのだと、
どこかで分かってもいました。
アニメセラピーとは何か?
不思議なのは、1話を見終えたあとでした。
何かが解決したわけではありません。
状況も、体調も、何も変わっていません。
それでも、こころが楽になっていました。
私はあの時間、
自分を元気にしようとしていたわけではありません。
ただ、「こんな時だからこそ見れるアニメを見た」だけです。
物語を見ているあいだ、
自分のことを考えなくていい。
答えを出さなくていい。
私はこういう時間を、
「アニメセラピー」と呼んでもいいのかもしれない、と感じています。
「ひとりじゃない」と思える瞬間
物語を見ている時間は、不思議な感覚があります。
画面の向こうでは登場人物たちが歩き続けていて、
悩んだり、迷ったり、ときには立ち止まりながらも、
それでも少しずつ前へ進んでいく。
私はただ見ているだけのはずなのに、
なぜか置いていかれる感じはしません。
むしろ、
「自分だけが止まっているわけじゃない」
そう思える瞬間がありました。
何かを頑張れていなくてもいい。
答えを出せていなくてもいい。
物語の中には、不完全なまま進んでいく人たちがいる。
だから見ている側も、
今のままでそこにいていい気がするのかもしれません。
私がおすすめする、”こころをほぐす”アニメ
こうした感覚をくれた作品は、
「葬送のフリーレン」だけではありませんでした。
・狼と香辛料
行商人の青年・ロレンスと、
狼の化身である少女・ホロが、
それぞれの事情を抱えながら旅を共にする物語です。
ロレンスは各地を巡り商いを続ける行商人で、
ホロはかつて村の豊作を支えてきた存在でした。
けれど時代が変わり、役目を終えたことを感じたホロは、
遠い故郷を目指して旅に出ることになります。
立場も寿命も価値観も違う二人が、 旅の途中で起こる出来事を
通して言葉を交わし、 少しずつ関係を深めていきます。
この作品を見ていると、 「分かり合うこと」よりも、
「話し続けること」を大切にしているように感じます。
私にとっては、 夫婦やパートナーの理想のかたちが、
具体的な会話として目の前に置かれた作品でした。
大切な人と、 こんなふうに人生を歩めたらいい。
そう思わせてくれる関係性が、そこにはありました。
実は、
「葬送のフリーレン」と「狼と香辛料」は、
どこか似た空気を持っている気がします。
大きな出来事よりも、
旅の途中で交わされる言葉や時間を大切にしているところ。
その積み重ねが、関係を少しずつ形にしていくところ。
私はそういう物語が好きなのかも知れません。
もうひとつ、何度も助けられた作品があります。
・ARIA
「究極の癒やしアニメ」と言われることも多い作品で、
その評判に違わない日常系アニメの名作だと思います。
ヴェネツィアを再現した
観光都市「ネオ・ヴェネツィア」を舞台に、
ゴンドラ(手漕ぎボート)で観光案内を行う
少女たちの日常が描かれる作品です。
主人公の灯里は、まだ見習いの立場から、
先輩のアリシアさんに教わりながら、
少しずつ仕事を覚えていきます。
劇的な出来事が起こるわけではなく、
季節の移り変わりや街の風習、
人との何気ないやり取りが
日々の中心として描かれていきます。
時間をかけて身につくものがあり、
すぐに一人前にならなくてもいい。
この作品は、そんな歩幅を大切にしているように感じます。
大きな出来事は起きません。
けれど、人との関係が少しずつ成熟していく様子や、
主人公がゆっくり成長していく時間が、 丁寧に積み重ねられていきます。
この作品には、「何もしない時間」を肯定してもらいました。
前向きになれなくても、
立ち止まっていても、
世界は静かに続いている。
この作品を見ていると、 そんなふうに世界の見え方が少しだけ
変わる気がしました。
おわりに
振り返ってみると、
私はこれまで何度も、アニメに助けられてきたのだと思います。
アニメは、人生を変えるものではありません。
悩みが消えるわけでもありません。
けれど、人生が続いていくことを、
ほんの少し楽にしてくれることはあると思います。
もし今、立ち止まっている時間の中にいるなら、
何かを頑張ろうとしなくてもいい。
ただ物語を眺めているだけの時間も、
きっと無駄ではないのだと思います。
このコラムが、そんな時間を思い出すきっかけになればと思います。
そして、もしよければ、
あなたの”こころがほぐれたアニメ”があったら、
そっと教えてもらえると嬉しいです。
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