結城の日記『忘却』

あなたに届ける言葉は、あなたには届かない。

あなたの創る言葉は、私には届かない。

私に届ける言葉は、あなたには強く刻まれる。

私の創る言葉は、私には強く刻まれる。

強く刻まれれば、忘れない。
刻まれなければ、忘れる。

でも、

刻むつもりのない言葉でも、あなたには刻まれる。

刻まれるつもりのない言葉でも、私には刻まれる。

あなたの世界に届けたくても、届かなくても、下を向かなくていい。

私の世界に、どう響いたのかが、世界の真実である。

解釈の暴力を、恐れるな。
むしろ、忘却されることを歓迎されるかのように、語るのだ。

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