親にいじめ被害を打ち明ける!親に伝える時大切にしたい3つのポイント

ものを隠される。笑われる。バカにされる。叩かれる。蹴られる。無視される。
そんな「いじめ」を受けた時、真っ先に考えることってなんでしょう。

わたしは、中学生の時に無視や誹謗中傷を中心としたいじめに遭いました。
当時真っ先に考えたのは、「周りにバレたらどうしよう」ということ。

自分が、いじめを受けるような弱い存在であるということ。
自分が少なからず信頼していたクラスメイトたちは、自分に悪意を向ける人間だったということ。

それが周りに知られるのが怖くて、わたしは必死にいじめを隠していました。
クラスの半分以上がわたしに対して敵意を向けてきていたので教室内ではさすがに無理でしたが、部活の友達や、家族、学校外の知り合いには、「いじめ被害者」なんてことが間違ってもバレないように、いつも笑顔で振る舞っていたのです。

だって、周りにバレたら怖いじゃありませんか。
否定されたら? 笑われたら? 冷たく突き放されたら?

ネット上には、たくさんの心無い言葉が並んでいます。
いじめはいじめられる奴が悪い。単なるからかいをいじめだなんて被害者意識持ちすぎ。言い返せば済むのにやり返さないのが悪い……。
どれも、わたしがいじめ被害を受けた時に調べて実際に見かけた言葉です。

もちろん、ネット上のそれらの言葉を並べているのはわたしの家族や友人ではありません。
それでも、そんな言葉を数えきれないほど見てしまったら、たとえ家族でも、友人でも、信頼できなくなってしまうのです。
信頼したいと思うからこそ、怖いのです。

結果的には、わたしは家族へいじめ被害を打ち明け、学校に行かなくなりました。
それでも、独りでいじめに耐えた期間は3ヶ月以上。
季節が移ろうほどの間、わたしは一人で、毎日、悪意に耐え続けてきたのです。

それは、とてもつらく苦しい時間でした。
だからこそ、今学校に行きたくないと悩む、いじめで悩んでいるような方には、そんな経験をしないでほしいな、と思っています。

実際、いじめ被害を打ち明ける前と後では、現実に大きなギャップがありました。
今回は、その結果と、心境の変化について書いていきます。

わたしが両親にいじめ被害を打ち明けた結果

いじめを受けてしばらく経った頃、わたしは体調不良などから学校へ行けなくなり、不登校生活を送るよになりました。
最初は両親も「たまたま体調が悪いのが続いているだけだろう」くらいに捉えていたようですが、2週間が過ぎる頃には、だんだんと誤魔化しきれなくなってきていました。

「クラスでいじめを受けている」
その一言を発するのに、どれだけの勇気が必要だったか!
否定されるかもしれないなど、様々な不安を抱えながらも、やっとの想いで告白しました。

想定外だった両親の反応

母は問題が起こると先延ばしにしたり「自分は関係ない!!」とヒステリックを起こしたりするタイプ。
父は自分の意見が一番正しいと思っていて、それにそぐわないものは全否定するタイプ。

そんな両親だったので、話したら「学校の問題を家庭に持ち込まないで!」とか「いじめを受ける原因があったんじゃないのか」というようなことを言われるだろうと考えていました。

しかし実際には、もっとあっけらかんとしていて。
「そうか。じゃあしばらく学校を休もうか」
ただ、それだけでした。

学校に行かなくなる前から少しずつ休みがちになっていたし、兄も学校での人間関係で悩んだことがあったので、両親も薄々感づいていたのかもしれません。
それからしばらく、学校に行かないことを責められるわけでも、学校に行くよう急かされることもなく、わたしは、怖い場所から逃げられたと、もう大丈夫だと思っていました。

でも、不登校生活が一ヶ月も続くと……。

しかし不登校になって一ヶ月経った頃から、両親に変化がありました。

「つらくなったら帰ってきてもいいから」
「放課後に担任の先生と面談するだけでもいいから」
「保健室とか、教室に行かなくてもいいから」
と、あらゆる方法でわたしをなんとか学校へ行かせようとしてきたのです。

日本の義務教育(小中学校)は現在、どれだけ出席日数が足りなくても決められた年月で卒業できる仕組みになっています。
だから当時のわたしも「卒業できなくなる」心配はなかったのですが、それとは別にある問題がありました。

それは「進学」です。
高校に進学する際、欠席日数の多い生徒は「うちの学校も途中で通えなくなるのでは?」と見られるのだそう。
両親はきっと、それを心配してわたしの出席日数だけでも上げようとしたのだと思います。

しかし、当時のわたしにとってそれは全くの逆効果で。
余計に学校へ行きにくくなってしまうのと同時に、両親を信頼することも難しくなってしまいました。

今にして思えば、いくら進学が不利になるとしても、自分の身体と心が健康な状態になるまでは、休むべきだったなと思っています。
結果としてわたしは不登校生活を始めて4ヶ月ほどで学校に復帰しましたが、その後すぐに不登校に戻ってしまいました。

そして、現在。

わたしは、学校に行くことをやめたのは後悔していません。
あのまま通い続けていたらきっとわたしは何もかも諦めて、「世の中は敵しかいない」なんて勘違いをしたまま生きることさえ辞めてしまっていたと思うからです。

しかし、今でもわたしと両親の間には若干の距離があります。
きっと、もっとうまい伝え方があったのでしょう。
いじめによる不登校をきっかけとして、わたしは両親を信頼できなくなり、両親はわたしとの接し方が分からなくなってしまいました。

そこで次に、自己の経験を振り返りつつ「いじめ・不登校の親御さんへの伝え方」を考えてみます。

いじめを親に相談するには?親に伝える時大切にしたい3つのポイント

まず忘れないでほしいのは、多くの親は子どものことを大切に思っているし、子どもの幸せを願っているということ。

悲しいことですが、中には、子どもに対して愛情を向けられない親や、自分のことで精一杯な親、時に暴力や暴言などで気持ちを訴えようとしてしまう親もいます。
そんな時には、無理に家族関係を保とうとしなくて大丈夫です。逃げて大丈夫です。

それでも、どうか信じてください。
この世の中の多くの親は、子どもを愛し、大切に思っています。
時には、その愛情がうまく伝わらないこともあるかもしれません。
子どもが求めている形と親が与えようとした形がうまく合わないこともあるでしょう。

もし「親はわたしのことなんて大切じゃないんだ」「俺のことじゃなくて世間体を気にしてるに決まってる」なんて感じた時。
それは、親御さんの本心ではなく、「すれ違い」かもしれない。
すれ違いで家族関係をギクシャクさせてしまったからこそ、ほんの少しでいいから、それを気にしてみてほしいなと思います。

すれ違いは、きっと完璧になくすことはできません。
「がんばれ」の言葉が、人によっては励みになり、人によっては追い詰める言葉になるように。
どんな言葉も、どんな行動も、「100点満点の正解」とはなり得ないのです。

でも、ほんのちょっとの工夫で、すれ違いは減らせるはず。
そんな想いを込めて、今回は「いじめを親に伝える時大切にしたいポイント」を3つご紹介します。

1.「自分が何を望むのか」を伝える

親と子の間のすれ違いで多いのが、「望む将来像」のギャップです。
子は学校に行かず休む道に進みたい、親は学校に通える道に進ませたい。
わたしの家庭も、そんなすれ違いがありました。

だから、「いじめを受けているんだ」と告白するのなら、できれば同時に「自分が何を望むのか」も伝えてみてください。
親御さんによっては、子の将来を思うあまりに「不登校なんてダメだ!」とか「そんなんで将来どうするんだ!」なんて詰め寄る方もいると思います。

でも、大切なのは将来どうするかではなく”今”を生きること。
“今のあなた”が何を望むのか、抽象的なイメージでもかまわないので、一度考えてみてはいかがでしょうか(*´`)
親御さんに一緒に考えるよう働きかけてもいいですね。

「今の学校には戻りたくない」「いじめが解決したらまた行きたい」「とりあえず今は休みたい」
など、一言だけでも考えておくと、ずいぶん親に伝えやすくなると思いますよ。

2.時系列に沿って話す

何も考えずに話していると、話が前後したり登場人物が整理できなかったりして、話が通じにくくなってしまいます。
すると、親御さんも「理解したい」と思いつつ、あなたが何に苦しんでいるのか、何を解決したいのかが掴めません。

そこでオススメなのが、あらかじめノートなどに書いてみること。
理想は「〇月〇日、お昼休みの時にクラスメイトの××君から『~~』と悪口を言われた。」というような、なるべく具体的な内容です。
……が、いじめを受けている時にそこまで詳細に記録するのは大変ですし、無理に思い出して苦しい思いをする必要もないので、時系列に整理するだけでも大丈夫です。

  • いじめを受け始めた時期
  • いじめの内容
  • いじめてきた人たちの名前
  • これまでいじめに対してやったこと(あれば)

といったことも整理しておくと、親御さんや先生に説明しやすくなりますね。

3.一気にすべてを話そうとしない

「いじめ被害に遭っている」なんてことを親や家族に告白するのは、とてもエネルギーを使います。
そして、自分の子どもがいじめに遭っていると知ったら、多くの親はショックを受けます。

だから、自分のためにも、相手のためにも、一気にすべてを話そうとしなくていいのです。
まずはいじめを受けていることとしばらく休みたいことを伝える。
落ち着いたら、いじめにどう対応するか、将来どうするかについて自分の考えを伝える。
また少ししてから、将来について親と話し合う。

そんな風に、いくつかのステップに分けて進むことで、親も事実を受け止めやすくなります。

いじめは、大人の力を借りることで格段に対応しやすくなります。
例えば転校やクラス替えで環境を変えることも可能なのです。学校に行かなくても、課題だけはやるとか、別の場所に通って単位として認めてもらうなんてこともできるかもしれません。

もちろん、親に頼るかどうかは、誰に助けを求めるかはあなたの自由です。
あなたの、幸せのために。あなたのペースで、進んでいきましょう。

いじめを受けているあなたへ。どうか一人で抱え込まないで。

ここまで、親への伝え方を中心に書いてきましたが、いかがでしたでしょうか。

いじめをずっと受けていると、いつの間にか、自分はいじめを受けても仕方ない人間なのだと感じるようになってきます。
この世に味方なんて一人もいないと。
街ですれ違う人、学校で会う人、どの人も自分を嘲笑っているのだと。

それでも、どうか信じてください。
あなたを助けたいと思っている人が、あなたの幸せを願う人がいるということを。

それは親かもしれないし、それ以外の家族かもしれないし、クラスメイトかもしれないし、先生かもしれません。
わたしの場合は、家族でも学校の知り合いでもない、ボランティア先で知り合った人たちでした。

自分を尊重してくれる人、自分に愛情を注いでくれる人は、どこに居るか分からないものなのです。
もしわたしたちに向けて手を伸ばしてくれたら、いくらでも相談に乗ります。全力であなたの味方になります。
誰も、あなたの想いを否定しません。

だからどうか。
自分の尊厳を守ることを、諦めないでほしいです。

日本では、多くの子どもたちが自ら命を絶ってしまいます。
その理由は、いじめであったり、家庭内不和であったり、金銭的な事情であったり様々ですが……。
まだ10数年の人生で、生きることがしんどくなってしまうだなんて、そんなに悲しいことはありません。

10代なんて、一日を人生に例えればまだ早朝6時。早起きの人がコーヒーを沸かすくらいの、人によってはまだ夢の中にいるような時間です。
でも、その10数年には、数えきれないほどの苦しみがあるのだと思います。

こんな人生がこれからずっと続いていくのか。
そう考えると、もう救いなんてないですよね。

でも、あなたが思っているよりずっと人生は自由です。
これから先は、あなた自身が自分の居場所を選ぶことができます。
あなた自身が、付き合う相手を選ぶことができます。
あなた自身が、生き方を選べるようになるのです。

だからどうか、試してみませんか。
そのためのお手伝いなら、わたしたちはいくらでもします。

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