障害者就業・生活支援センター(ナカポツ)とは?就労支援との併用と役割分担

障害者就業・生活支援センター(ナカポツ)とは?就労支援との併用と役割分担

📌 この記事でわかること

  • 通称「ナカポツ」と呼ばれる障害者就業・生活支援センターの正式な役割と根拠法
  • 全国に340カ所以上設置され、就業面と生活面を一体的にサポートする仕組み
  • 就労支援事業所(移行・A型・B型)との契約関係・費用・対象の違いを比較表で整理
  • ナカポツが提供する6つの支援(就職相談・職業準備訓練・職場実習・職場定着・生活面支援・関係機関連携)
  • 障害者手帳の有無・年齢・在職中/求職中を問わず利用できるゆるやかな間口
  • 他サービスとの併用4パターン(就労移行支援・A型/B型・就労定着支援・ハローワーク/主治医)
  • 問合せから登録面談・プラン作成までの利用ステップと、地域差・よくある誤解

「就労移行支援を卒業したあと、まだ職場に不安がある」
「在職中だけど体調や生活リズムの相談をどこにすればいいか分からない」
「ハローワークと主治医、支援事業所……相談先が分かれていて話がまとまらない」

そんなときに頼りになるのが、通称「ナカポツ」と呼ばれる障害者就業・生活支援センターです。 就職活動だけでなく、就業面と生活面の両方を一体的に相談できる地域の窓口で、全国に340カ所以上(令和8年4月時点)設置されています。利用は原則無料、障害者手帳がなくても相談できるケースが多く、在職中・求職中どちらの方も使えます。

この記事では、ナカポツの正式な役割・根拠法から、就労支援事業所との違い、そして「併用するなら何と何をどう組み合わせるか」まで、4つの代表的な併用パターンに分けて解説します。就労移行支援・就労定着支援・ハローワーク・主治医との役割分担を整理することで、「自分の相談先の地図」が一気にクリアになります。

ナカポツの正式名称と根拠法|「就業面と生活面の両輪」を担う窓口

ナカポツの正式名称は「障害者就業・生活支援センター」。名称が長いため、現場や利用者の間では「就(シュウ)・生(セイ)・支援センター」、あるいは真ん中の「・(なかぐろ)」から取って「ナカポツ」と呼ばれるのが一般的です。厚生労働省の公的資料や各労働局のページでも「なかぽつ」「ナカポツ」と併記されています。

法的根拠は「障害者の雇用の促進等に関する法律(障害者雇用促進法)第27条〜第33条」。これは福祉サービス(障害者総合支援法)ではなく雇用施策の系譜に位置する制度で、国や都道府県から社会福祉法人・NPO法人等に委託されて運営されています。言い換えれば、就労移行支援やA型・B型が「福祉側」のサービスであるのに対し、ナカポツは「雇用側(ハローワーク系)」のスキームという位置づけです。

出典:厚生労働省「障害者就業・生活支援センターについて」(mhlw.go.jp)/令和8年4月1日時点で全国340箇所設置。根拠法は障害者の雇用の促進等に関する法律。

💡 センターには2種類の担当者がいる

ナカポツには、就職活動・職場定着をサポートする「就業支援担当者」と、生活リズム・金銭管理・通院・住まい等を支援する「生活支援担当者」という2種類の担当者が配置されています。この「就業と生活の両輪」こそがナカポツの最大の特徴で、職場の悩みと生活面の悩みを同じ窓口で相談できる数少ない機関です。

設置数と地域分布

ナカポツは全国340カ所(令和8年4月時点)に設置されており、概ね障害保健福祉圏域ごとに1カ所という配置です。都道府県によっては1圏域に複数設置される地域もあれば、広い圏域を1カ所でカバーしている地域もあり、都市部と地方で人口あたりの設置密度は大きく異なります

⚠️ 地域差は大きい/制度改正の可能性もあります

ナカポツは委託運営のため、地域ごとに母体法人・得意分野・対応できる時間帯がかなり異なります。「となり町のナカポツと違う対応だった」という声も珍しくありません。また、令和6年度報酬改定以降も障害者雇用施策は段階的に見直しが続いており、将来的に支援内容や仕組みが変更される可能性があります。本記事は2026年4月時点の情報に基づいていますが、最新情報は厚生労働省の公式ページで必ず確認してください。

就労支援事業所(移行・A型・B型)との違いを整理

「就労移行支援」「A型」「B型」といった通所型の就労支援事業所とナカポツは、同じ「就労支援」と呼ばれていても制度的には全く別物です。混同すると「なぜそこに相談したのに求人を紹介してくれないんだ?」といったすれ違いが起きます。まずは基本的な違いを比較表で押さえましょう。

ナカポツ
(就業・生活支援センター)
就労支援事業所
(移行・A型・B型)
根拠法 障害者雇用促進法 障害者総合支援法
制度の系譜 雇用施策(ハローワーク系) 福祉サービス
契約関係 契約なし/登録制 受給者証+利用契約
費用 無料 原則0円〜月37,200円(所得区分による)
サービス内容 相談・調整・紹介
(通所訓練は行わない)
通所して訓練・作業・雇用
対象者 在職中・求職中を問わず
障害のある方全般
一般就労が難しい方
(年齢等の条件あり)
利用期間 期間制限なし サービスごとに制限あり
利用頻度 必要時の相談・随時 週数日〜週5日の通所

出典:厚生労働省「障害者就業・生活支援センターについて」(mhlw.go.jp)/厚生労働省「障害者の就労支援対策の状況」(mhlw.go.jp)を基に作成

ポイントは、ナカポツは「通う場所」ではなく「相談する場所」だという点です。通所型サービスのように毎日決まった時間に通って作業や訓練をするのではなく、電話や来所で必要なときに相談し、関係機関をつなぐハブのような役割を担います。詳しい通所型サービスの全体像は就労支援事業所とは?5サービスの特徴・対象者・費用・選び方を完全解説で整理しているので、あわせて確認してみてください。

ナカポツが提供する6つの支援|相談から定着・生活まで一体で

ナカポツの支援内容は、大きく6つの柱に分けられます。厚生労働省の概要資料では「就業面の支援」と「生活面の支援」の2分類ですが、実務で利用者が活用するシーン別に整理すると以下の通りです。

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① 就職相談

働きたい気持ちはあるが動き方が分からない段階から相談可。特性・体力・希望条件を聞き取り、ハローワークや訓練機関につなぎます。

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② 職業準備訓練の案内・調整

就労移行支援・地域障害者職業センターの職業準備支援・ポリテクセンター等、適切な訓練先の選定と申し込みをサポート。

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③ 職場実習のあっせん

地元企業と連携し、短期の職場実習(体験就労)を調整。「働けるかどうか」を実際に試せる貴重な機会です。

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④ 職場定着支援

就職後も、職場訪問・企業面談・3者面談を通じて長期の定着をバックアップ。期間制限がないのが大きな強みです。

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⑤ 生活面の支援

生活リズム・金銭管理・住居・通院・家族関係などを生活支援担当者が相談対応。就業の安定は生活の安定から。

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⑥ 関係機関との連携

ハローワーク・障害者職業センター・医療機関・福祉事業所・学校等と横連携し、支援の抜け漏れを防ぎます。

出典:厚生労働省「障害者就業・生活支援センターについて」(mhlw.go.jp)/センターは雇用・保健・福祉・教育等の関係機関と連携して就業面および生活面における一体的な支援を行うと定められています。

💡 「訓練そのもの」はナカポツでは行わない

PCスキル訓練やビジネスマナー講座のような「毎日の訓練プログラム」そのものはナカポツでは提供されません。必要に応じて就労移行支援や地域障害者職業センターにつなぐ「ハブ」の役割を担います。「ナカポツに通えば訓練が受けられる」と誤解している方がときどきいるので注意しましょう。

誰が利用できる?|手帳なし・在職中でもOKというゆるやかな間口

就労支援事業所は「障害福祉サービス受給者証」の発行が必要ですが、ナカポツは契約・受給者証が不要で、もっと広い層が使えます。以下のような方は、まずナカポツに電話してみて損はありません。

項目要件
対象となる障害・疾患 身体障害・知的障害・精神障害・発達障害(ASD・ADHD・LD等)・難病・高次脳機能障害など幅広く対応
障害者手帳 必須ではない。診断書や主治医意見書で相談できるケース多数
年齢 おおむね15歳以上から。上限は設けられていない(高齢期の再就職相談も可)
診断名 明確な診断が確定していなくても相談可。通院中であれば主治医と連携して進めます
在職中・求職中 どちらも可。「今の職場をなんとか続けたい」「休職中」「退職後」「新卒」いずれもOK
家族からの相談 本人が来所できない場合、家族が先に相談することも可能(本人同意の範囲内)

特に、「障害者手帳を取るかどうかまだ決めていない」「診断はついたが福祉サービスを使うほどではない」という層にとって、ナカポツは最初に声をかけやすい窓口です。家族のサポートや働き方の選択肢を整理する情報源としての役割も大きく、ご家族向けの就労支援ガイドと組み合わせて活用するケースも増えています。

🙋 「障害者雇用か一般雇用か」で迷っているときも相談OK

障害者雇用にするか一般雇用(クローズ就労)にするかで悩む方も多いはずです。ナカポツでは働き方の選択肢そのものを整理する相談にも対応しています。判断材料を整理したい方は障害者雇用と就労支援の違いや、既に一般就労を目指している方は一般就労への移行ステップも参考にしてください。

併用パターン1|就労移行支援+ナカポツ:訓練と広域相談のダブル活用

一番多い組み合わせが「就労移行支援に通所しながら、ナカポツにも登録しておく」パターンです。就労移行支援は2年間を上限に訓練と就職活動を行う通所型サービスですが、ナカポツを並行活用することで卒業後の地域ネットワークを事前に構築できます。

✅ 併用のメリット

  • 就労移行支援では得にくい地元企業の実習情報がナカポツから得られる
  • 就職活動時にハローワーク専門援助部門と3者連携で求人検討できる
  • 卒業後、就労定着支援の3年が終わったあとの受け皿として引き継ぎやすい
  • 生活面の悩み(通院・家族・金銭)を別窓口で相談できる

⚠️ 注意点

  • ナカポツは訓練は行わない。日々の訓練はあくまで就労移行支援が主
  • 情報が二重管理になりやすい。本人の同意のうえで両者が情報共有する前提を作る
  • 通所先とナカポツの担当者の距離が遠いと連絡頻度が落ちることも

実際の使い方としては、就労移行支援の通所開始時〜半年以内にナカポツに登録面談を入れ、卒業後の支援の「地図」を支援者間で共有しておくのが王道です。ココトモの現場でも、早い段階でナカポツを紹介することで「卒業後に相談先が急になくなる不安」を和らげられるという声が多く聞かれます。

併用パターン2|A型/B型+ナカポツ:長期利用者の「外部の味方」

就労継続支援A型・B型は利用期間に制限がないため、5年10年と長く通う方も多いサービスです。そのぶん事業所と利用者の関係が密になりやすく、「事業所以外の相談先がない」状態に陥りがち。そんなときにナカポツを「外部の味方」として登録しておくのが有効です。

  • 事業所との契約内容・工賃・配慮事項でトラブルが起きたときの相談先になる
  • B型からA型、あるいはA型から一般就労へステップアップしたいときの伴走役
  • 事業所が閉鎖・縮小した場合(2024年のA型閉鎖問題など)の次の居場所の手配
  • 事業所を通さず個人で職場実習を試したいときの企業調整
  • 生活面(金銭管理・一人暮らし準備)を事業所と別の視点で相談できる

🙋 「今のB型をずっと続けるのか、A型や一般就労に進むのか」も相談できる

長期利用者ほど、次のステップを事業所内で話しにくい傾向があります。外部のナカポツに「この先どうしたらいいか」を相談することで、より客観的なキャリアの整理ができます。なお、一般就労に向かう手前の具体的なステップは一般就労への移行ガイドも参考になります。

併用パターン3|就労定着支援+ナカポツ:定着3年終了後の「受け皿」

一般就労した方が利用できる就労定着支援は最長3年(36か月)で終了します。その卒業後の主要な受け皿がナカポツです。3年という期限のある契約型サービスと、期限のない随時相談型のナカポツは、バトンタッチの関係にあると言えます。

就労定着支援 ナカポツ
契約 受給者証+利用契約が必要 登録のみ/契約不要
利用期間 最長3年 期限なし
面談頻度 月1回以上(義務) 必要時(随時)
対象者 移行・A・B等を経た就労者 障害のある就労者・求職者全般
生活面の支援 含まれるが主眼は就業 生活支援担当者が専任

実務的なコツは、就労定着支援の3年目(終了半年〜3か月前)にナカポツと初回面談を済ませておくことです。「本人+元の就労定着支援員+ナカポツ担当者」で3者顔合わせを行うと、引き継ぎがスムーズになり、卒業後に「話す相手が急にいなくなった」という断絶を防げます。

💡 7か月を過ぎて就労定着支援を契約できなかった人こそナカポツへ

就労定着支援は就職後6か月経過後〜7か月以内の契約ウィンドウが決まっています。ここを逃すと制度上使えませんが、ナカポツならその後もいつでも相談可能です。退職後に次の就職先を探す場面でも、ナカポツはそのまま伴走してくれます。

併用パターン4|ハローワーク・主治医とも連携:三角形で支える

ナカポツの大きな強みは、「関係機関連携」が制度に組み込まれていることです。特に就職活動期には、ナカポツ・ハローワーク専門援助部門・主治医の三角連携がカギになります。

ハローワーク専門援助部門との連携

障害者雇用での求人応募はハローワーク専門援助部門が中心になります。ナカポツは求人の紹介そのものは行いませんが、ハローワークへの同行支援・求人票の読み合わせ・応募書類の準備・面接同行までサポートしてくれます。ハローワークの担当者はナカポツと定期的に情報交換しているため、「今日こんな求人が出ましたよ」と連絡が来ることもあります。

主治医との連携

精神障害・発達障害・難病などで通院中の方は、主治医の意見書や通院ペースが就労計画の重要な判断材料になります。ナカポツの生活支援担当者は、本人の同意のうえで主治医と直接連絡を取り、通院に差し支えない勤務条件を企業に提案する役割を担います。これは、就労支援事業所だけでは踏み込みにくい領域です。

💡 地域障害者職業センターとも役割が分かれる

同じ雇用系の機関として「地域障害者職業センター」も存在します。こちらは専門的な職業評価・ジョブコーチ派遣・リワーク支援が中心で、短期集中の専門サービスという色が強いです。ナカポツが「地域の継続的な相談窓口」であるのに対し、職業センターは「専門アセスメント機関」と覚えておきましょう。両者は同じ本人について情報共有することも多く、競合ではなく分業の関係です。

ナカポツの使い方|問合せから利用開始までの4ステップ

「登録って何を持っていけばいいの?」「受給者証みたいな書類が必要?」という質問はよくあります。実際の流れは非常にシンプルで、初回の電話から利用開始まで概ね2〜4週間あれば進みます。

  1. 1

    電話またはWebで問い合わせ

    地域のナカポツに電話で連絡します(後述の探し方参照)。「働くことで相談したい」「在職中だけど生活も含めて相談したい」等、ざっくり伝えればOK。受給者証や障害者手帳は不要です。家族からの一次相談も可能。

  2. 2

    初回の登録面談(所要:60〜90分)

    就業支援担当者・生活支援担当者の両方または片方が面談。障害や病状の経過、これまでの職歴、困っていること、家庭環境、主治医等をヒアリングし、支援登録票を作成します。可能であれば障害者手帳・診断書・お薬手帳等を持参するとスムーズ。

  3. 3

    個別支援計画(プラン)の作成

    面談をもとに、本人の希望と担当者の提案をすり合わせ、半年〜1年単位のプランを作成します。「まず職業準備訓練を受ける」「ハローワークと3者面談を設定する」「主治医から意見書をもらう」など、具体的な次の一歩まで落とし込むのが特徴。

  4. 4

    利用開始(随時相談・職場訪問・関係機関調整)

    あとはプランに沿って、必要なときに電話・来所で相談するスタイル。就職後は職場訪問を軸に、定着支援が続きます。頻度は人により月1回〜数か月に1回とさまざま。「呼びかけて良い存在」として登録しておくだけでも価値があります。

地域のナカポツの探し方

地域のナカポツは、以下の方法で調べられます。

  • 厚生労働省の「障害者就業・生活支援センターについて」ページから全国一覧(Excel)をダウンロード
  • 都道府県労働局または各都道府県のサイトに掲載されている一覧表を検索
  • ハローワーク専門援助部門の窓口で「地域のナカポツを教えてください」と尋ねる
  • 市区町村の障害福祉課・相談支援専門員に紹介を依頼する
  • 通所している就労支援事業所の担当者に紹介を依頼する

よくある誤解|「就職斡旋所」でも「福祉サービス」でもない

ナカポツは混同されやすい機関が多いため、以下の誤解だけは押さえておきましょう。

誤解① 「ナカポツに行けば求人を紹介してもらえる」

ナカポツは職業紹介事業所ではありません。求人票を抱えているわけではなく、ハローワークへの同行や企業との実習調整が主な役割です。求人そのものの紹介を受けたい場合は、ハローワーク専門援助部門や民間の障害者向け就職エージェントを利用する必要があります。ナカポツは「その手前の整理役」と理解するのが正確です。

誤解② 「ナカポツは福祉サービスだから受給者証が必要」

これも誤解です。ナカポツは障害者雇用促進法に基づく雇用施策の機関で、受給者証や利用契約は必要ありません。自治体が発行する書類なしで利用でき、費用も無料です。就労支援事業所(移行・A型・B型)との一番大きな制度的違いがここにあります。

誤解③ 「ナカポツは地域障害者職業センターと同じ」

名前が似ているため混同されがちですが、ナカポツと地域障害者職業センターは別の機関です。ナカポツは地域の継続的な相談窓口、職業センターは専門的な職業評価・ジョブコーチ派遣の機関。役割分担を理解しておくと、「どこに何を聞くか」で迷うことが減ります。

誤解④ 「ハローワークで足りるからナカポツは不要」

ハローワークは求人紹介・雇用保険・職業訓練の給付がメインで、生活面の支援や企業への継続的な職場訪問はカバーされません。ナカポツはハローワークを補完する形で、就業と生活の両面を地域で長期に見守る役割を持ちます。どちらか片方ではなく、両方登録しておくのが最も効率的です。

⚠️ 地域差で対応スピード・支援スタイルが変わります

繰り返しになりますが、ナカポツは委託事業のため運営法人の特色や人員体制が地域によって大きく違います。就業支援に強いセンター/生活支援に強いセンター/若年層に強いセンター/高齢期の再就職に強いセンター等の個性があります。「合わない」と感じたら、隣接圏域のセンターや、別の相談機関と併用することも選択肢に入れてください。

よくある質問

地域のナカポツはどうやって探せばいい?

厚生労働省「障害者就業・生活支援センターについて」のページから全国340カ所の一覧をダウンロードできます。そのほか、都道府県労働局・各自治体の障害福祉課・ハローワーク専門援助部門でも紹介してもらえます。通っている就労支援事業所の担当者に「地域のナカポツを教えてください」と聞くのも早道です。

予約なしで相談できる?

原則として事前予約が必要です。初回は60〜90分の登録面談が必要になるため、飛び込みで対応できないセンターが多いです。まず電話で問い合わせ、相談希望の内容・持参書類・日程を打ち合わせてから来所するのが確実です。緊急性の高い相談(退職危機・生活困窮など)は電話でその旨を伝えれば、早めに日程を組んでくれます。

在職中でも使える?

もちろん使えます。ナカポツの職場定着支援には期間制限がないため、就職から何年経っていても相談できます。職場の人間関係・業務量の調整・通院と勤務のバランスなど、在職中ならではの悩みに対応。必要に応じて企業訪問や3者面談も行います。ただし、就職から6か月〜7か月以内で「就労移行支援を経て就職した方」は、先に就労定着支援を契約できるか検討するのが原則です。

家族からの相談だけでもOK?

可能です。「本人が外出できない」「まずは家族として知っておきたい」という段階でも、家族単独で一次相談を受け付けているセンターがほとんどです。ただし本格的な支援計画(プラン)を作るには本人の同意と参加が必要になります。家族相談の段階で、本人へのアプローチ方法も一緒に考えてくれます。

障害者手帳がなくても利用できる?

はい、利用できます。ナカポツは障害者総合支援法の福祉サービスとは別制度のため、受給者証も手帳も必須ではありません。精神科・心療内科への通院歴や診断書、難病受給者証、主治医意見書等があれば相談可能です。診断がまだ確定していない方も、相談しながら整理していく過程をサポートしてもらえます。

費用はかかる?

無料です。ナカポツは国および都道府県から社会福祉法人・NPO法人等に委託して運営されており、利用者負担は発生しません。面談・職場訪問・ハローワーク同行・主治医との連携調整など、すべて無償です。これは、利用料の一部自己負担がある就労支援事業所との大きな違いのひとつです。

就労移行支援と並行して使っても問題ない?

問題ありません。むしろ併用がおすすめです。就労移行支援は日々の訓練と就職活動を担い、ナカポツは広域の相談・地域ネットワーク・卒業後の受け皿を担います。本人の同意のうえで両者が情報共有することで、支援に抜け漏れがなくなります。通所先の支援員に「ナカポツにも登録したい」と伝えれば、紹介や同行をしてくれることが多いです。

合わないと感じたら別のナカポツに変えられる?

原則として担当するセンターは居住地の圏域で決まっていますが、事情がある場合は隣接圏域のセンターや、別の機関(地域障害者職業センター・ハローワーク等)と併用する選択肢があります。まずは担当者に「別の相談員に変わってほしい」とリクエストするのも一手。運営法人によっては複数の相談員が在籍しており、相性面での調整に対応できるケースがあります。

まとめ:ナカポツは「地域の伴走拠点」として長く付き合える相談先

障害者就業・生活支援センター(ナカポツ)は、障害者雇用促進法を根拠にした地域の相談拠点です。全国340カ所、無料で、障害者手帳や受給者証がなくても利用でき、在職中・求職中を問わず、就業面と生活面の両方を相談できる――これだけでも貴重な存在ですが、本当の価値は「他の支援サービスと組み合わせたときの橋渡し役」にあります。

就労移行支援の卒業後、就労定着支援の3年終了後、A型/B型に長く通う中での外部相談、ハローワークや主治医との三角連携――こうした場面すべてで、ナカポツはシームレスに関わってくれます。「一つの機関だけに頼らず、地域の支援者ネットワーク全体で自分を支える」という発想に切り替えると、働くことの心細さはぐっと減るはずです。

📋 利用前に押さえておきたい7つのこと

  • 正式名称は障害者就業・生活支援センター。通称「ナカポツ」、根拠法は障害者雇用促進法
  • 全国340カ所(令和8年4月時点)、原則無料・手帳不要・契約不要で利用可
  • 就業支援担当者と生活支援担当者が就業面・生活面を一体的に支援する
  • 訓練そのものは行わない。相談・調整・紹介・職場定着が主な役割
  • 就労移行支援・A型/B型・就労定着支援・ハローワーク・主治医との併用が基本
  • 就労定着支援の3年終了後の主要な受け皿。終了半年前から引き継ぎを始めるのがコツ
  • 運営法人や圏域により対応スタイルに地域差あり。制度改正の可能性も見据えて公式情報を随時確認

「自分ひとりで何とかしなきゃ」と抱え込みそうになったときほど、ナカポツのような「呼べば来てくれる存在」があるだけで、働くことの景色は変わります。電話1本で初回面談を入れられるので、「必要になってから」ではなく「必要になる前」に一度、地域のナカポツをのぞいてみてください。

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