「死にたい」と打ち明けられたら|相談員・傾聴ボランティアの対応
edit2026.05.14 visibility105
相談を受けていて、相手から「死にたい」と打ち明けられたら——。頭が真っ白になり、「何と返せばいいのか」「自分の対応で悪化させたら」と怖くなるのは、当然のことです。この記事は、相談員・傾聴ボランティアが、そんなときに落ち着いて関わるための基本を、安全に配慮してまとめたものです。※具体的な手段には一切触れません。
まず知っておいてほしいこと
あなたがすべてをひとりで背負う必要はありません。命に関わる緊急性を感じたら、迷わず専門の窓口や運営につなぐのが、いちばん正しい対応です。
【緊急の窓口】いのちの電話 0570-783-556/よりそいホットライン 0120-279-338/#いのちSOS 0120-061-338/生命の危険が差し迫る場合は119
「死にたい」は、多くの場合「助けて」のサイン
まず大切な前提です。「死にたい」と打ち明けてくれたのは、あなたを信頼し、助けを求めているからであることが多いです。多くの場合、その気持ちは「消えてしまいたいほどつらい」という叫びであり、打ち明けられたこと自体が、関わりの入口です。怖くても、まずはその言葉を受け止めることから始まります。
やってしまいがちな、4つの反応
- フリーズして黙り込む|沈黙が長すぎると、相手は見放されたと感じることも。
- 否定・励ましで蓋をする|「そんなこと言わないで」「がんばって」は、気持ちを置き去りにします。
- 驚いて過剰反応する|本人の意思を無視して慌てて動くと、信頼が崩れます。
- ひとりで抱え込む|「自分が何とかしなきゃ」と背負いすぎない。
基本の関わり方(QPRの考え方)
自殺予防のゲートキーパー研修で知られる「QPR」の考え方が参考になります。
- Q(Question):率直にたずねる|「死にたいくらい、つらいんですね」と、気持ちを言葉にして受け止める。たずねることで悪化することはない、と知られています。
- P(Persuade):評価せず聴く|否定も説得もせず、「話してくれてありがとう」と、ただそばにいる姿勢を伝える。
- R(Refer):専門につなぐ|緊急性を感じたら、本人と一緒に専門の窓口や受診を考える。ひとりで抱えず、運営にも共有する。
※相手が話した範囲を丁寧に聴くことが大切で、こちらから具体的な手段を尋ねたり例示したりはしません。
あなた自身のケアも忘れずに
重い相談を受けたあとは、相談員自身も動揺し、消耗します(代理受傷)。「自分が動揺する」のは自然なことです。ひとりで抱え込まず、運営やスーパーバイザー、仲間に話してください。「救えなかったかもしれない」という罪悪感も、ひとりで背負わないでください。
ひとりで抱えない仕組みがある|ココトモの場合
ココトモでは、深刻な相談を相談員がひとりで抱え込まないためのサポート体制が整えられています。対応に迷ったとき、つらい相談を受けたときはメンバー相談室で運営に相談でき、緊急時の窓口案内や、相談員自身のケアの仕組みもあります。支える人が、ちゃんと支えられる——だから、未経験でも安心して関われます。
支える人を、ひとりにしないために
ココトモでは、深刻な相談を相談員がひとりで抱え込まないよう、メンバー相談室や緊急窓口の案内などの体制を整えています。相談員として活動する前に、こうした安全設計も大切にしています。活動の様子や体制は、募集ページでご覧いただけます。
よくある疑問
「死にたい」と聞いて、こちらから死について尋ねてもいいの?
「死にたいくらいつらいのですね」と気持ちを受け止めるのは大切です。一方で、具体的な手段などをこちらから尋ねたり例示したりはしません。緊急性を感じたら専門窓口や運営につなぎます。
自分の対応で、悪化させてしまわないか怖いです。
その怖さは、誠実さの表れです。完璧な対応は誰にもできません。ひとりで抱えず、運営や専門窓口とつながりながら関われば大丈夫。受け止めようとする姿勢そのものが、支えになります。
参照:WHO 自殺報道ガイドライン(2017)/QPRゲートキーパーの考え方ほか一般的知見。緊急時は上記の窓口へ。ココトモの活動内容・サポート体制は2026年6月時点のボランティア相談員募集ページに準拠します。