銀ノ月の日記『鏡花水月#079〈Interlude〉』

≪ベトナムに伝わる、とあるお話🌙≫

天の宮殿に住んでいた2人の輝く娘たち。
ある日、お父さんが姉の太陽を呼んで言いました。

「太陽よ。これからは夜明けとともに空高く昇りなさい」

太陽が地上を明るく照らしたので、田んぼには黄金色の稲が一面に広がりました。

妹の月は、姉の太陽が羨ましくてたまりません。
そんな妹を見てお父さんは言いました。

「月よ。人々が夜も稲を刈れるよう、太陽が沈んでから空へ昇りなさい」

月は喜んで飛び出し、太陽に負けないぐらいギラギラと夜の世界を照らしました。

しかし、人々は稲を刈るどころか暑くて仕事が出来ません。
そこでお母さんは、月を呼んでアドバイスをしました。

次の日、月がお母さんの言った通りに輝くと、喜んで稲刈りを始める人々。
それを見た月は初めて、人の役に立つ嬉しさを知りました。

月は今もお母さんの言葉を思い出しながら、柔らかな光を届けています。

『貴方のいいところは”明るさ”じゃない。”優しさ”よ』

star今日できたこと♪

『心を楽にする秘訣は、弱みを曝け出すことである』
(/真言宗の開祖・空海)

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