【第16話】40代でバイトなの?

第15話から続きます。

工場でのアルバイトを諦めたわたしは、次に飲食店でのバイトを捜します。そこで見つけたのは、まかないつきのひと言。惹かれました。とてつもなく。

そこは早朝からやっている比較的安めなお蕎麦屋さん。メニューを見るともつ煮や、カレー、おいなりさん、天ぷら、久しく食べていないものばかりでした。

初日、わたしと同世代の女性がふたり、男性がひとり既に仕事に入ってました。自己紹介を済まし、仕事に入った途端、ひとりの女性から声をかけられました。

女性「あんた、いくつなの」

私「40代です。」

女性「仕事は何してるの?」

私「無職です。」

女性「! えー!あんたヤバイね!ちょっと、Bさん(もうひとりの女性)この人無職なんだって!」

Bさん「えー!40代で無職ってあんた、しっかりしなさいな!」

私「はい。。。」

改めて言われると、辛かったです。なんでそんなこと言われなきゃいけないんだ、と言う気持ちと、世間はそう思うよな、と言う気持ち、この人たちは変化球など投げず常に直球勝負なのかな、ある意味凄い。。。そして、ここでは長続き出来ないかも、と感じたのでした。

ところが。。。アルバイトが終わると女性ふたりからこう言われます。「好きなだけ食べていきな。蕎麦もうどんもカレーももつ煮も天ぷらも何でも好きなもの食べできな。で、また来なよ。」

美味しいものが食べられること、また仕事を捜さなくて済むこと、何より、書類審査で落ち続けている私に「また来なよ」の言葉は誰かに必要とされることがこんなにも嬉しいことなのだと気が付かせてくれました。その日、私は、お腹が引きちぎれるぐらい蕎麦とうどんともつ煮と天ぷらを食べたのです。

そして、まかないの写真を撮りました。転職活動が決まらない苦しみを記録するために 食べるものに苦労したことを忘れないために 誰かに必要としていただいた喜びを忘れないために 人の優しさを忘れないために そして美味しかったから(笑)

蕎麦を食べながら、ふと、思うのです 天使さんが幸せならいいな 忘れることなど出来ないから、彼女の幸せを願うことにしよう

無職の願い 迷惑かな 何故、こんなにも沢山失うのだろう アルバイト終わり、自宅への帰路で、そんな考えが浮かび、泣きながら帰ったのです

【第17話】 決まらない決まらない決まらない に続きます

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