就労選択支援とは?2025年10月開始の新サービスを誰よりも詳しく解説
edit2026.04.23 visibility55
📌 この記事でわかること
- 2025年10月から運用開始された就労選択支援の全体像(目的・法的根拠・制度設計)
- 対象者・アセスメントの流れ・期間(原則1〜2ヶ月/週2〜5日)・費用
- 厚労省「就労選択支援 実施マニュアル」のエッセンス(多機関ケース会議・結果票の使い方)
- 特別支援学校での取り扱いと、卒業後進路選択に与える影響
- 事業所の指定要件・支援員の養成研修・2026年4月時点の普及状況
- 使うべき人・使わなくていい人を判定する独自フロー
- 他のアセスメント(WorkBIQなど)との違い/FAQ 8問
「A型・B型・就労移行支援、結局どれが自分に合うのか分からない」
「特別支援学校の先生から『就労選択支援を受けてから進路を決めよう』と言われた」
「2025年10月に始まったらしいけど、これは受けなきゃいけないの?」
就労選択支援(しゅうろうせんたくしえん)は、2025年(令和7年)10月から運用開始された、障害者総合支援法上の新しい福祉サービスです。一言で言えば「どの就労系サービスが自分に合うか、専門家と一緒に見立てるための“お試し&評価”期間」。
新しい制度のためネット上の情報がまだ整っていない中、この記事では厚生労働省「就労選択支援について」掲載の実施マニュアル・Q&A・指定基準通知などの一次資料を読み込み、ココトモが支援員視点で噛み砕いて解説します。2026年4月時点の最新情報で、特別支援学校の在校生、A型・B型利用中で進路を迷っている方、保護者・ご家族、そして事業所関係者まで、全員が「自分に何が必要か」を判断できるところまでお連れします。
就労選択支援とは?一言で言うと「自分に合うサービス選びのためのアセスメント」
就労選択支援とは、障害のある方が「就労移行支援・就労継続支援A型・就労継続支援B型のどれを利用するか」を決める前に、本人の希望・能力・適性を専門家と一緒に見立てるサービスです。本人が自分を深く理解し、働き方や職場の条件について納得のいく選択ができるようサポートします。
厚生労働省は、本サービスの目的を「就労アセスメントの手法を活用し、本人の希望、就労能力や適性等に合った選択ができるよう支援すること」と位置づけています。単なる「適性検査」ではなく、短期間の作業体験・面談・関係機関ケース会議を通して、本人と支援者が一緒に“働く像”を描いていく、伴走型のアセスメントサービスです。
💡 新制度の位置づけ(2026年4月時点)
2025年10月に運用開始され、就労系の5番目のサービスとして既存の「就労移行支援/A型/B型/就労定着支援」と並びました。中でも特徴的なのは、他のサービスを選ぶための“前段階”サービスだという点。制度全体を俯瞰すると、就労選択支援は「どの道に進むか迷ったときの道標」に近い役割を担っています。今後は段階的に、B型を新規利用する方は原則的に経由するルートへと整備が進んでいます。
出典:厚生労働省「就労選択支援について」(mhlw.go.jp)/同省「令和6年度障害福祉サービス等報酬改定の概要」(mhlw.go.jp)
法的根拠と制度創設の背景
根拠法:障害者総合支援法の改正(令和4年法律第104号)
就労選択支援は、障害者総合支援法の改正(令和4年法律第104号、2022年12月成立)で新たに位置づけられた障害福祉サービスです。この改正では「障害者の地域生活や就労の支援の強化」が柱の一つに掲げられ、その目玉施策として新設されました。法律の公布から約3年弱の準備期間を経て、2025年(令和7年)10月1日から運用開始されています。
背景:「雇用と福祉の連携強化に関する検討会」の議論
制度が生まれた直接のきっかけは、2020年11月に厚生労働省が設置した「障害者の雇用・就労の促進に関する検討会」(通称:雇用と福祉の連携強化検討会)です。ここでは長年の課題として、以下のような問題が指摘されました。
- 本人の希望や適性を十分に踏まえないまま、近くにあるサービスへ「なんとなく」通所が決まるケースがある
- 特別支援学校卒業時の進路選択が、学校・保護者・事業所の判断に偏り、本人の意思決定が弱くなりやすい
- B型で始まったら惰性で継続、A型に入ったが合わなかった、就労移行支援で就職活動を焦ってしまった……などミスマッチが起きている
- すでに行われていた「就労アセスメント(旧・直B要件)」が、形骸化している自治体もあった
こうした問題を解決するために、「本人が主体となって、中立的な第三者と一緒にサービスを選ぶ仕組み」が必要だと結論づけられ、就労選択支援が創設されました。
出典:厚生労働省「障害者の就労支援対策の状況」(mhlw.go.jp)/「社会保障審議会(障害者部会)」公開資料(mhlw.go.jp)
対象者|こんな方が使える(2026年4月時点)
就労選択支援の対象は、「これから就労系サービスを使おうとしている方/現在の利用を見直したい方」です。厚生労働省の実施マニュアルおよび運営基準では、以下のような方が具体的に想定されています。
🎓
特別支援学校の卒業予定者
高等部3年生を中心に、在学中から利用可能。学校・保護者以外の第三者視点で進路を検討したい方
🌱
就労経験が乏しい方
ひきこもり経験者、長期療養明け、卒業後に就労経験がない方など、「実際に作業してみないと分からない」タイプの方
🤔
どのサービスが合うか迷う方
A型・B型・就労移行支援のどれが合うか、家族や相談員と話しても決められないまま時間が経っている方
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A型・B型利用中の検討層
現在利用中で「他のサービスも検討したい」方。事業所の更新タイミングや、体調・環境の変化を機に再評価したい方
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新規B型利用希望者
2025年10月以降、新たにB型を利用しようとする方は原則就労選択支援を経由(50歳以上等の例外あり)
⏳
就労移行・A型の期間超過者
就労移行支援の標準利用期間(2年)を超えて継続希望する場合などに活用
段階的な対象拡大(B型→A型→移行へ)
対象範囲は段階的に広がる設計になっています。厚労省は、まず新規B型利用希望者を2025年10月から対象とし、新規A型・就労移行支援利用希望者は2027年(令和9年)4月から対象に加える方針を示しています。この段階的拡大に伴い、2027年度(令和9年度)の報酬改定で制度が大きくアップデートされる見込みです。
つまり、2026年4月時点では「B型を新規利用する人は原則必須/A型・就労移行は任意で利用可」というのが運用の実態です。任意で利用できる方も、自己理解を深めたい・進路に迷いがあるなどの動機があれば積極的に活用してよい制度です。「迷ったら使える」「経験が浅いほどメリットが大きい」というのが現場で見えてきている傾向です。
また、対象から除かれる「例外要件」は法令や通知で明示されています。代表的なのは50歳以上の方、障害基礎年金1級受給者、長年の就労経験があり体力面の低下から一般就労が難しくなった方などです。これらの方は、これまで通り直接B型に進むことが可能です。具体的な該当判定は、自治体の障害福祉窓口で確認してください。
出典:厚生労働省「就労選択支援について」掲載の実施マニュアルおよび令和6年度報酬改定関連資料(mhlw.go.jp)を基に作成
サービス内容|4つの要素と実施期間
厚労省「就労選択支援 実施マニュアル」では、アセスメントのプロセスが大きく4つの要素で構成されると説明されています。単なる検査ではなく、本人との協同作業である点が大きな特徴です。
-
1
本人との協同による情報整理(ニーズアセスメント)
面談を通じて、本人が「何をしたいか」「どんな働き方が合うか」「生活や通勤の希望」などを語る時間をとります。支援員は話をまとめる役。「一方的に評価される」のではなく、本人が自分の考えを言葉にする場です。家族・学校・相談員が同席することもあります。
-
2
作業場面での状況把握(ワークサンプル・体験実習)
実際に事業所の作業場面で、軽作業やPC作業などを体験します。集中時間、疲れやすさ、得意・苦手の傾向、周囲とのコミュニケーションなどを支援員が丁寧に観察。本基本プロセスにおける作業アセスメントは原則2週間以内と通知で定められています。
-
3
多機関連携のケース会議
ハローワーク、障害者就業・生活支援センター(ナカポツ)、医療機関、学校、相談支援事業所など、関係機関が一堂に会してアセスメント結果を協議します。これにより、1事業所の主観ではなく多角的・中立的な見立てが担保されます。
-
4
アセスメント結果票の作成・共有
面談・作業観察・ケース会議の内容を「結果票」としてまとめ、本人・家族・次に利用するサービスに引き継ぎます。これが後のサービス等利用計画や受給者証への記載に活用されます。
利用期間と通所頻度
| 項目 | 標準 | 備考 |
|---|---|---|
| 利用期間 | 原則 1ヶ月(最長 2ヶ月) | 就労経験のある方は短め、特別支援学校新卒など経験が少ない方は長めになる傾向 |
| 通所頻度 | 週 2〜5日 | 本人の体調・希望に合わせて調整。毎日通所する必要はなし |
| 1日の利用時間 | 数時間〜半日程度 | 1日4〜5時間を目安に調整する事業所が多い |
| 作業アセスメント | 原則 2週間以内 | 基本プロセス内で実施する作業観察の期間 |
| 延長の可否 | 可(最長2ヶ月まで) | 自己理解の深化やマッチングに時間が必要と判断された場合に延長可 |
出典:厚生労働省「就労選択支援 実施マニュアル」および関連通知(mhlw.go.jp)を基に作成
🙋 ポイント:「短期のお試し期間」だと思うとイメージしやすい
1ヶ月〜2ヶ月という期間は、ぱっと聞くと短く感じるかもしれません。ですが、就労選択支援はあくまで「合うサービスを選ぶための準備期間」。本格的な訓練や就労はこの期間で終わらせるのではなく、この後に本格利用するサービス(A型・B型・就労移行支援など)で行う設計です。だからこそ、短期集中の丁寧なアセスメントが意味を持ちます。
厚労省「就労選択支援 実施マニュアル」のエッセンス
厚労省が公開している実施マニュアルは本文だけで100ページ超の大ボリューム。ここでは、利用者・家族が知っておくべき「支援員がマニュアルに沿って何をやるのか」を4つに絞って紹介します。
① 「中立性」の徹底:自分のところへ誘導しない
マニュアルで最も繰り返されるキーワードが「中立性」です。就労選択支援事業所は、自分の法人の他サービスへ利用者を誘導してはいけないとされています。自法人のA型やB型に入ってもらったほうが収益にはなりますが、あくまで本人にとって最適な選択を優先するのがこのサービスの使命です。
② 本人の「意思決定支援」を軸に
支援員が結論を決めるのではなく、本人が自分で「このサービスに進む」と決められるようサポートするのが原則。そのために作業体験も、面談も、「やってみてどう感じたか?」を本人が言葉にする時間を必ず設けます。
③ ケース会議の構成員
多機関連携ケース会議には、本人・家族、就労選択支援事業所、相談支援事業所、場合によってはハローワーク職員、障害者就業・生活支援センター、特別支援学校教員、医療機関(主治医・精神保健福祉士など)が参加します。本人が同席しやすい形式で開催することもマニュアルで求められています。
④ アセスメント結果票の活用
作成された結果票は本人が持ち主であり、次のサービス事業所に渡すかどうかは本人の同意が必要。結果票には「強み」「配慮が必要な点」「環境調整のヒント」などが記載され、次に通所する事業所で“活きる情報”になるよう工夫されています。
出典:厚生労働省「就労選択支援 実施マニュアル(令和6年度)」(mhlw.go.jp)
特別支援学校での取り扱い|在校生が利用する場合の連携ルール
就労選択支援は特別支援学校にとって、卒業後進路の決定プロセスを大きく変える制度です。厚労省と文部科学省の連携通知では、以下の点が明記されています。
- 対象は高等部3年生(卒業年次)だけではなく、全学年で利用可能
- 在学中に複数回利用してもよい(例:2年次に自己理解のため、3年次に進路決定のため)
- 学校と就労選択支援事業所は、本人・保護者の同意を得た上で「個別の教育支援計画」を共有して連携する
- アセスメントは夏休み・冬休みなどの長期休暇や放課後を中心に実施されることが多い
- 結果票は進路指導・保護者会・ケース会議で活用される
💡 「卒業年次より前の早期利用」が推奨されつつある
自治体によっては、課題の早期把握や進路の検討のため、卒業年次よりも前の年次に実施し、卒業年次には実際に想定する進路を念頭に置いた実習を行うところも出てきました。早めに動いた方が、進路選択の自由度が高まる傾向があります。学校の進路指導担当教諭・特別支援教育コーディネーターに相談してみましょう。
出典:文部科学省「就労系障害福祉サービスにおける教育と福祉の連携の一層の推進について」(mext.go.jp)/厚生労働省「就労選択支援について」(mhlw.go.jp)
事業所の指定要件|誰がサービスを提供できるか
就労選択支援は、独立した新規事業所が始めるケースよりも、既存の就労系事業所が“追加指定”で担うケースが多いのが特徴です。これは、アセスメントの実施に必要な「職場環境」「関係機関との連携ネットワーク」「経験のある支援員」といった基盤が、既存事業所には揃っているためです。
指定を受けられる事業所
| 区分 | 該当する事業所 |
|---|---|
| A区分(直接提供) | 就労移行支援事業所/就労継続支援A型・B型事業所 |
| B区分(地域支援) | 障害者就業・生活支援センター事業の受託法人/自治体設置の就労支援センター/障害者職業能力開発訓練事業を行う機関 |
人員・設備の基準
- 定員:10人以上
- 就労選択支援員:利用者数を15で除した数(常勤換算)以上
- 管理者:1人配置(他職務との兼務可能なケースあり)
- サービス管理責任者:配置不要(他就労系サービスと大きく異なる点)
- 設備:訓練・作業室、相談室、事務室、その他の必要な設備
2026年4月時点の普及状況
運用開始から半年が経過した2026年春時点では、全国で徐々に指定事業所が増えている段階です。都市部では選択肢が複数ありますが、地方では「希望エリアに就労選択支援の指定事業所がまだ1〜2か所しかない」地域もあります。希望する場合は、まず市区町村の障害福祉窓口で「地域の就労選択支援事業所一覧」を確認しましょう。
出典:厚生労働省「就労選択支援の指定状況」関連通知および指定基準告示(令和7年3月31日厚生労働省告示第89号)(mhlw.go.jp)
支援員の要件|就労選択支援員養成研修
就労選択支援の質を担保するカギが「就労選択支援員養成研修」の修了要件です。ほかの就労系サービスにはない、本サービス独自の仕組みになっています。
養成研修の受講要件
以下のいずれかを満たす必要があります。
- 障害者の就労支援に関する基礎的研修(令和7年度開始)を修了していること
- または、障害者の就労支援分野で通算5年以上の勤務経験があること
養成研修のカリキュラム
一般的な構成はオンデマンド講義(約6時間)+対面演習(約5時間)の2部構成。対面演習では、ロールプレイを通じたニーズアセスメントの技法、アセスメントシートの活用、関係機関連携などが実践的に学ばれます。
経過措置
養成研修の開始から一定期間は、「基礎的研修」または「基礎的研修と同等以上の研修」の修了者を“就労選択支援員”とみなす経過措置が設けられています。これは、制度開始当初に支援員不足が起きないようにする配慮です。
出典:独立行政法人 高齢・障害・求職者雇用支援機構「障害者の就労支援に関する基礎的研修」(jeed.go.jp)/厚生労働省「就労選択支援について」(mhlw.go.jp)
アセスメント結果の「受給者証」への記載と影響
就労選択支援で作成されるアセスメント結果票は、サービス等利用計画・受給者証の内容に影響します。具体的には以下の流れです。
-
1
アセスメント結果票が完成する
本人・家族・関係機関で内容を確認し、合意のうえ確定します。
-
2
相談支援専門員がサービス等利用計画に反映
結果票を踏まえ、「A型が適切」「まずはB型で生活リズムを整える」などの方針をサービス等利用計画に記載します。
-
3
市区町村が受給者証を発行・更新
計画に沿って、次に利用するサービス名・支給決定量が受給者証に記載されます。ここから実際の通所が開始されます。
重要なのは、アセスメント結果は“絶対的な判決”ではなく、あくまで“判断の参考資料”だということ。結果票に「A型が適切」と記載されても、本人が「やっぱりB型から始めたい」と決めることは可能です。最終的に何のサービスを使うかは、本人と相談員で話し合って決めます。
使うべき人・使わなくていい人|判定フロー
就労選択支援は「原則B型新規利用者は利用」が基本ですが、「利用すると大きな恩恵がある人」と「必須ではない人」が現場感覚として分かれます。ココトモ独自の判定基準でまとめました。
✅ 使うことでメリットが大きい人
- 特別支援学校の在校生(特に高等部2〜3年生)
- 就労経験が乏しく、自分の適性が分からない
- A型かB型か、家族や支援者の間で意見が割れている
- 以前別の事業所でミスマッチを経験した
- 長期のひきこもり・療養明けで働く自信がまだない
- 「自分で選んだ感覚」を大切にしたい
- 多機関連携のサポートが得られる環境が欲しい
⚠️ 必須ではない・使わなくてもいい人
- 「就労移行支援で就職活動したい」と方向性が明確
- 就労経験が豊富で、自分に合うサービスが分かっている
- A型で働きたい企業・事業所が具体的に決まっている
- 50歳以上(B型新規利用の例外該当者)
- 障害基礎年金1級受給者などの例外該当者
- 体力面から一般就労が困難で、長年就労経験がある方
- アセスメント期間(1〜2ヶ月)を取る余裕がない
🙋 迷ったらまず市区町村窓口か相談支援専門員に聞く
「自分は使った方がいいのか」と判断に迷うときは、市区町村の障害福祉窓口か、お住まいの地域の相談支援専門員に聞くのが確実です。2026年4月時点では自治体ごとの運用にまだ幅があり、具体的な運用や例外適用については地域差があります。
他のアセスメントとの違い|WorkBIQ・基礎的研修内アセスメントとの比較
障害者の就労支援には、就労選択支援以外にもいくつかの「アセスメント」が存在します。違いを整理しておくと、自分が受けるべきものが分かりやすくなります。
| 種別 | 就労選択支援 | WorkBIQなど職業評価ツール | 直Bアセスメント(旧制度) |
|---|---|---|---|
| 性格 | 障害福祉サービス(通所型) | 紙・Web上の適性検査 | 就労移行支援事業所による2週間程度の評価 |
| 期間 | 1〜2ヶ月 | 数時間〜半日 | 2週間程度 |
| アウトプット | アセスメント結果票+ケース会議 | 適性プロファイル | アセスメントシート |
| 対象 | 就労系サービス利用検討者 | 幅広い層(自治体・企業でも利用) | 新規B型利用希望者(廃止・移行) |
| 関係機関連携 | あり(必須) | なし | 任意 |
| 費用 | 障害福祉サービス料(多くは無料) | ツール・運用主体による | 障害福祉サービス料 |
ポイントは、就労選択支援は「検査」ではなく「支援サービス」だということ。WorkBIQなどのツールが“点”で評価するのに対し、就労選択支援は1〜2ヶ月の“面”で本人を見立てるため、出てくる情報の厚みが違います。なお、就労選択支援の中で、WorkBIQなどの職業評価ツールを補助的に使うことも可能です。
費用|原則無料〜月額上限まで
就労選択支援の利用料は、他の障害福祉サービスと同じく世帯所得区分による月額負担上限制です。利用者の約9割が無料で利用しています。
| 所得区分 | 月額負担上限 |
|---|---|
| 生活保護受給世帯 | 0円 |
| 住民税非課税世帯 | 0円 |
| 住民税課税世帯(所得割16万円未満等) | 9,300円 |
| 上記以外 | 37,200円 |
出典:厚生労働省「障害者の利用者負担」(mhlw.go.jp)/通所系サービスは住民税課税世帯でも9,300円上限。
実質的な費用負担
ほぼ 0円(多くの方)
1〜2ヶ月の間に受けられるアセスメントとしては、非常に手厚い公的サービスです
対応事業所の見つけ方
2026年4月時点では、就労選択支援の指定事業所がまだ限定的な地域もあります。以下のステップで効率的に探しましょう。
対応事業所を見つけるチェックリスト
- 市区町村の障害福祉窓口で「就労選択支援の指定事業所一覧」を依頼する
- お住まいの地域の相談支援専門員に「就労選択支援を使いたい」と伝えて候補を挙げてもらう
- 「就労選択支援+地域名」でインターネット検索し、指定済み事業所のHPを確認
- 特別支援学校在校生は、学校の進路指導部・特別支援教育コーディネーターに相談
- 既存の就労移行・A型・B型利用者は、通所中の事業所に「就労選択支援は扱っていますか?」と直接確認
- WAMNETの事業所検索で「就労選択支援」カテゴリから探す
- 対応事業所が近隣にない場合は、送迎対応の有無や、オンライン面談などの代替手段を確認
⚠️ 希望エリアに対応事業所がない場合の対応
「市内に就労選択支援事業所が1つもない」「使いたい事業所はあるが定員がいっぱい」という地域もまだあります。その場合は、①待機登録、②近隣市町村の事業所を検討、③従来の直Bアセスメント等で対応可能か相談、という選択肢があります。市区町村によって対応が異なるので、窓口で具体的に相談しましょう。
利用までの流れ|相談からアセスメント開始まで
-
1
市区町村窓口または相談支援事業所に相談
「就労選択支援を使いたい」と伝え、地域の対応事業所情報を得ます。特別支援学校在校生は学校経由でも可。
-
2
見学・事前説明
指定事業所を見学し、アセスメント内容・スケジュール・想定される作業内容などの説明を受けます。
-
3
受給者証の申請
市区町村で「就労選択支援」の支給決定を申請。通常の受給者証申請と同じ流れです。
-
4
サービス等利用計画を作成
相談支援専門員が利用計画を作成。セルフプランで対応する自治体もあります。
-
5
アセスメント開始(1〜2ヶ月)
週2〜5日通所し、面談・作業体験・ケース会議を経て結果票が完成します。
-
6
本人が次のサービスを選ぶ
結果票を踏まえ、本人の意思で就労移行支援・A型・B型のいずれかへ進むか、あるいは一般就労や他の選択肢を選びます。
よくある質問
アセスメント結果と違うサービスを選んでも大丈夫ですか? ▼
はい、大丈夫です。アセスメント結果票はあくまで「参考情報」であり、最終的にどのサービスを利用するかは本人が決定します。たとえば結果票に「A型が適切」と書かれていても、本人が「まずはB型で慣らしたい」と判断するのは正当な選択です。結果に違和感がある場合は、相談支援専門員や就労選択支援事業所と再度話し合うこともできます。
途中でアセスメントを中止することはできますか? ▼
できます。体調不良や環境変化などでアセスメントの継続が困難な場合、途中での中止・再開は本人の意思で可能です。市区町村窓口および事業所に相談すれば、手続きをサポートしてくれます。無理に最後まで通所する必要はありません。再開時は残期間を使うか、改めて申請するかは自治体判断となります。
希望する事業所が就労選択支援に対応していない場合はどうすればいい? ▼
2026年4月時点では、地域により指定事業所が少ない現実があります。対応策としては、①近隣市町村の事業所を検討する、②市区町村窓口に「従来の就労アセスメントで代替できないか」と相談する、③待機登録しつつ別の準備(見学等)を進める、の3択が現実的です。特にB型新規利用で就労選択支援が原則必要なケースでは、自治体の経過措置運用を確認しましょう。
就労選択支援を利用したら、必ず結果通りのサービスに進まないといけない? ▼
いいえ。アセスメント結果はあくまで推奨であり、一般就労(障害者雇用・オープン就労)を選ぶこともできますし、「今はサービスを使わずに家で療養する」という選択も可能です。就労選択支援は「選択肢を広げる場」であって、「特定のサービスに縛る制度」ではありません。
特別支援学校高等部3年生です。卒業後B型に進みたい場合、いつ利用すればいい? ▼
在学中に利用するのがおすすめです。夏休み・冬休みなどの長期休暇期間を使ってアセスメントを実施し、卒業前に結果票を受け取っておくと、卒業後すぐにB型利用へ進めます。学校の進路指導担当教諭・特別支援教育コーディネーターに早めに相談しましょう。自治体によっては2年生からの前倒し利用を推奨しているところもあります。
現在B型に通っていますが、就労選択支援を受けることはできますか? ▼
はい、可能です。現B型利用者で「他のサービスも検討したい」「A型や就労移行支援に挑戦したい」と考える方は対象になり得ます。ただし自治体によって運用が異なるため、市区町村窓口や相談支援専門員に「現在B型通所中ですが、就労選択支援を使いたい」と具体的に相談してください。支給決定の調整が必要になります。
A型やB型のすべての新規利用者が、就労選択支援を必ず使わないといけないの? ▼
原則は「2025年10月以降の新規B型利用者は就労選択支援を経由」です。ただし、50歳以上の方、障害基礎年金1級受給者、長年の就労経験があり体力面の低下から一般就労が難しくなった方などは、就労選択支援を経ずにB型を利用できる例外があります。A型・就労移行支援については、2027年4月から段階的に対象が広がる予定です。詳細は市区町村の障害福祉窓口に確認してください。
就労選択支援を受けた後、就職活動や一般就労に進むこともできますか? ▼
もちろん可能です。アセスメントの結果、「一般就労を目指してハローワークで職探し」「障害者雇用枠で企業に直接応募」という選択をする方もいます。ケース会議にはハローワーク職員が同席することもあり、その後の就職活動のサポートにもつながりやすい仕組みです。就労移行支援を使わずに、就労選択支援からダイレクトに一般就労へ進むルートも明確に想定されています。
まとめ:就労選択支援は「自分に合う働き方を納得して選ぶ」ための時間
2025年10月に運用開始された就労選択支援は、「なんとなく選ぶ」から「本人が納得して選ぶ」へと、就労系サービスの入り口を大きく変える制度です。1〜2ヶ月という期間は短いようでいて、自分の強み・苦手・環境のフィットを専門家と一緒に丁寧に見つめ直すには十分な時間です。
📋 就労選択支援 利用前に押さえておきたい7つのこと
- 2025年10月運用開始の新制度(障害者総合支援法 令和4年改正が根拠)
- 対象はB型新規希望者・特別支援学校在校生・進路を迷う方が中心
- 期間は原則1ヶ月、最長2ヶ月。週2〜5日、1日数時間通う
- アセスメントは面談+作業体験+多機関ケース会議+結果票の4要素
- 結果票は「参考資料」。最終的なサービス選択は本人が決める
- 費用はほとんどの方が無料(世帯所得による)
- 対応事業所は地域で拡大中。まずは市区町村窓口へ相談
新しい制度ゆえに、自治体や事業所によって運用に幅があるのが2026年4月時点の実情です。迷ったら、市区町村の障害福祉窓口・相談支援専門員・特別支援学校の進路指導担当・通所中事業所の誰かに声をかけてみてください。「自分に合う働き方を、自分で選ぶ」その最初の一歩を、就労選択支援はそっと後押ししてくれるはずです。
就労系サービス全体の整理は 就労支援事業所とは?5サービスの特徴・対象者・費用・選び方を完全解説 を、個別のサービスについては 就労継続支援A型とは/就労継続支援B型とは/就労移行支援とは もあわせてご覧ください。
- 全国の就労支援事業所を掲載中!
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ココトモでは、全国の就労移行支援・就労継続支援A型・B型事業所を掲載しています。2万件以上の事業所を都道府県/対応障害/訓練分野などから探せます。
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