ゆいなの日記『翼』

あの子は空を飛びたがった
あの子は宙を舞いたかった
いつだって1歩を踏み出すのは怖い

だからずっと高いところに居た
高いところから見下ろしていた

スーツを着たサラリーマン
犬を連れたお姉さん
並んで歩く学生
自転車の後ろに子供を乗せて急ぐお母さん

なんでもない日々
何もない日々
くり返される日常

でもそこに交わることはできなくて
ただ高いところから見下ろしている

あの子へ踏み込もうとした
とある一声は
その子に勇気を与えた

その子はひらりと舞い上がった
みんなが帰った夜の街に
ただ一人飛び立った

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