てこの日記『春耕秋収 - 其の十二 続・七夕 ー 5』

そんな感じの日向の道を汗して、ゆっくりゆっくりと歩を進める。稜線の風景も楽しみながら。まあ行程中、少々の特別感もあるが、区間的にすごく長いわけでもなく、稜線を登りきったところでまた樹林帯へ。その入口付近に分岐があり、稜線先に見下ろした場所に下る道と、最後のピークに向かう道と分かれる。無論ここでは最後のピークへと向かう。その後峠向かって少し高低差あるか。分岐から程なくの間は、きついというほどでもないが、ちょっとした下り。下りきった感じのところから平坦路に近いが、これも緩く下る感じか。

樹林帯の風景は、相変わらずである。先の様子は、おそらく初めてこの地に来た方にはわからぬだろうが、左は稜線上に落ちていて、右側は最後のピークが顔を出すには、まだ至らぬが、その方面に向かうので、両肩が切れている稜線上というより、谷に落ちていく感じ。見通せなくとも、微妙な地形の雰囲気の感じは伝わるところである。

結果的には、さして大きな違いも感じせず、多くはまた、ただただ樹林帯を往くだけだ。一つ手前のピークを巻いてから1時間弱で、最後のピークの2つ手前の分岐着。やはり少々遅れ気味。稜線上の開けたとこで電波が拾えたので最終までなら何時頃までに麓に付けばいいのかは確認した。無論山行なので、出立前に夕刻に麓着で帰れることは確認済みではあるが。

山頂を踏破しても、十分に最終には間に合うとは確認したが、さすがに麓で暮がかって、本数が減った公共交通を待つのも……。そしてこの縦走路、最後のピークを踏破して反対に落ちるのではなく、ピークからは一つ向こうの谷にではあるが、戻ってくるような形で下る。つまりはこの峠から下る道と一筋挟んで、ほぼ同じ場所に下る。登山道では交わることはないが、降りた先で交わり麓からのバス停は同じとなる。

「限界ぃ〜。」という程にはないが、無理に踏破して、上でさして休むことなく下るより、麓で少し乗車を遅らせても、麓にての時間を作ったほうが得策かと思い。今回は最後のピークを踏むことを断念した。そこで、その峠にて少々の休息を撮った後、麓に下った。山頂からの道を落ちてきてもそうだが、この峠からも木の根道で足場が悪い。どちらかというと下りに向いた道ではないような気はする。そのうえ無茶をしているほどにはないが、昨夜は仮眠の上でのこの山行なので、若干下りには足の踏ん張りも落ちているような感じでもある。結局下りも、思うようには進まず、端的にやはり時間を要した。

この下りの唯一の安堵を誘うのが、麓手前で沢筋に出逢うこと。かなり勾配のある木の根道を先を見通せず、ひたすら歩いて行くことになるが、それから歩みが遅かったとはいえ、1時間弱も歩くと遠く微かに水音が聞こえる。そしてそれがだんだんと大きく確実に、それと知れる。麓の車道へは、まだ先だが、もうすぐ林道への終点付近だと知れると、最後の気力がしぼれるというもの。そうして水音が確実になってより、数分して沢筋に出逢う。あいかわらず予定超過気味だが、暮方となるには、まだ間がある。むくんだ程ないようだが、ずっときつく結んだ登山靴の感触もありだったので、沢筋に降りて裸足になって沢に浸った。冷たい水が冷湿布のようでもあり、少し荷を下ろして休みながらも、当然のように汗は止まらず。生水ゆえ飲水こそしないが、頭から浴びるようにしたり、顔を洗ったり、なにしろ一日半の短くも長くの山行の締めくくりに、思いにもふけりながら洗い流した。結局、半時ほど休み、そして林道を行って、夕刻のバス停に着いた。

favorite読んでくれた人へのメッセージ

一日半の行程。ほぼ日記と等しきだが、実に5日分。飽きずに読んで頂いた諸氏の方が苦行であったのだろうと。
ご一読ありがとうございました。

ところで『鬼滅の刃』。言わずと知れた有名アニメ(漫画)である。で、登場人物の設定なるものは、さほどマニアでなくとも知れているものなのだろうか。縦走路2つ目頂きが、霞柱 時透無一郎の出身地の設定だそう。

行程中、頂・峠の名は伏せたが、ああ、あの縦走路のことかと。

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