てこの日記『春耕秋収 - 其の十二 続・七夕 ー 3』
visibility58 edit2024.08.19
その後あと数個は薄雲のなかから、もしかしたら、そうかな程度。ずっと準備をしてその瞬間を待つではなく、その日そこに着くまで5,6km。まがりなりにも山行をしてきたので星空のもと、疲れも伴ってうとうとと過ごした。ずっと観察していたのなら多少違ったのかも知れないが。
なんとなく、目覚めたのは夜2時頃。ちょっとピークは過ぎたかなという感じだが、夜空は全天が開けてきた。どれがアルタイルで、どれがベガなんだろうか、開けたのだから逢瀬もできたのだろうと。今度は夜空の星をぼーっと眺める時間となった。
しばらく空を見上げ楽しんでいたが、夜が明けきるまで間があり、また少しうとうとしながら過ごしていた。
そして、ゆっくりと空も白み始め、星明かりは一つ一つ朝の陽光に溶けていった。
シュラフカバーは夜露に濡れて、展望台の先の風景は朝靄に沈んでいた。夏の朝は、案外このようなものだ。日中の方が展望に恵まれる。せっかくの風景を前に多少残念ではあるが。
荷を詰め直した。そのまま元に下山することもできる訳だが、先のように終日フリー。一日は始まったばかり、迷うことなく縦走することにした。展望台より少し下り、巻道からの合流を過ぎてゆっくりと歩を進める。展望台近傍は、山頂と次のピークとの中間点あたり。そこそこ仮眠も取れたので、完璧ではないにしろ歩きにくい程でなく苦痛はなかったが、とても調子がいいとは言えない感じか。とはいえ辺りには朝の日差しがしっかり届き、今日も暑くなるのだろうななどと。出足から何ではあるが、まぁ程よい疲れは伴っても心地よい時間だ。
程なくして、次のピーク。まだ茶店が開いているような時間には、少し早すぎるようだ。展望台から起きて間もなく出立したので、歩みが遅くともそんな時間に到達したのだろう。その山頂広場のテーブル席に腰を下ろして、先に広がる下界とその先の山並みを眺めながら、休憩と朝食とした。
まだまだ足を踏み入れたばかり、まだ先は長いなとも思いつつ、案内板を眺めた。昼までに最後のピークを踏めればと考えていた。しばしの休憩の後、経つことに。最初の一歩が、やはり重いか。
※ 一応……。縦走とは山頂から折り返すことなく、山稜伝いに次のピークを目指すこと。
この縦走路があることも、低山にもかかわらず懐が深いところで魅力の一つなのかも。
読んでくれた人へのメッセージ
この展望台の場所は、其の八 朝焼けに記した場所と同じです。GPSログのため同じ場所のショットも残しましたが、本文のとおり朝靄に沈んでいました。夏姿も綺麗なのですがね。生活圏は海近の方なので、一応この方面まで来ると観光という感じになります。場所を記載しても差し支えないとも思いますが、どこまでセーフか掴めず記載はやめておくことにします。まぁ日本一の山が写り込めば多少は察しがつくかと。
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