てこの日記『春耕秋収 - 其の十二 続・七夕 ー 4』

ここから峠まで、少しきつい下り。峠で、ちょうど次のピークとの中間点くらいか。普通は軽く休むか、そのまま飛ばすがのスポットのはずだが、ここでも多少長めの休憩。森の中なので眺望は望めず、ただしそれ故木陰になり、木々が風防となって風が渡ることもないが、酷暑にもならず。まあこの時節としては過ごしやすいところ。

さて、未だ山中ゆえ進まないことには何もならず再び歩み始めた。そこから1時間少し歩いて次のピークまで到達。そこでも少し長めの休憩。出立時間を考えると、かなりペースは遅めで着いた。けれど早くの出立であるので、まだ午前中の早い時間。微妙な感じだが、最後のピークまでの参考タイムが2時間半程。なので遅めのペースでも昼過ぎ頃に、最後の峠かピークを踏めるかくらいか。そしてピークに達すれば下りもあるので、夕刻までに麓にもどれるかなという感じ。

この頃になると平日にも関わらず、いくらかの登山者も来て、そしてどんどんと追い越されてゆく。途中の峠がすべてエスケープルートになっていて、逆に言うと途中からこの縦走路に合流することも可能であるのだ。いったいどの辺りから登り始めたのであろうか。どこからにしても元気なことをうらやましくもあり、さりとて現況自分にはできぬこと、自分の速度で歩むしかないわけだ。競争ではないのでマイペースで往くだけだ。

このコース、殆どを低山の樹林帯を行くことになるので、あまり抑揚がなくずっと展望が開けるわけでもなく、悪く言うと少しつまらない。きつい起伏で、ある程度登り返しなどがあると、大変だけど達成感があったりもする。そして展望が開ければなおのこと。まったく日差しを浴びないかと言えば、峠やピークに向かう中でふと開けたりもするので、その折では少しにやけてしまう。ちょっとつれない異性にでも遊ばれいる気分だ。山行のある意味苦行をこう捉えるのも変なもんだが……。
つまらないと言いつつ、それはそれで楽しんでいたりするのだ。最後の一つ手前のピークは、迷ったが巻いた。ほんの少しピークを踏むのに縦走路からはずれるのと、他のピークと異なり、山頂が開けていないのだ。山頂を示す道標とその近くに、少し腰を下ろせる場所、10名弱も山頂にあがってくれば、たちまち目一杯となるところ。なので疲労も溜まってきたので、今回は巻いた。

そこから少し行くと、しばらくは樹林帯を抜けての登り。縦走路中、日差しの中を歩くのはこの区間と、昨夜の野営地近傍だけかと思う。野営地は夜通過だったので今回の行程では、この区間のみ。ずっと樹林帯で木漏れ日はあったものの、直接の日差しを浴びるのは途中のピークの広場を除くと初めて。忘れかけていたが、連日の猛暑日もしくは、それに近い気温で今日も相変わらずの様子。で、登りである。じわっと、汗ばんでくる。山行とて運動なので嫌な汗ではないのだが、暑いなと改めて思う。そうした感じで歩速は多少落ちたような気もする。それと引き換えに、稜線上の展望もあるので違った風景を映した。結局の所、どのような環境におかれても普段と違う一時は、それは楽しいものなのだと思う。日常がつまらないとまでは、言わないが。

favorite読んでくれた人へのメッセージ

この項、1308文字。
字数制限までには、まとめられそうである。けど、とりあえず、アップ。
次回、終章予定。

あと歩行工程上、少しつまらないと記したが、懐が深いだけでなく、案外山野草も多い。
なので、捉え方次第で素敵な山旅となり、良い縦走路だと思う。

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