ネガティブなりに真っ直ぐな彼と曲がりに曲がった私の性根

58 0 優樹 2024.09.01

恋人がいる。
人と連絡を取り合うだとか人と遊びに行くだとか自分のペースを乱されるだとかいったことが大の苦手で、自分にも相手にも不利益しかないのだから恋愛などしないと決めていたつもりだった。
けれど様々な事情が重なって憔悴しきった同期を可愛がっているうちにお互いに好きになってしまった。
私は、恋愛は自分に自信と余裕のある人間にしかできないものであると思っている。
彼は絵に描いたようなネガティブである。
人というのは何かしら没頭できたり得意だと思えるものがあり、それによって自尊心を維持できるといったことがままあると思う。
彼にはそれがないらしい。
そばにいればそれなりに彼の好きなもの嫌いなものもそれに対する入れ込み具合も見えてくるものであるが、私は未だに彼の自信を形作るような好きなものを私以外に見つけられていない。
彼は私が大好きで、それ以外の人間は大抵嫌いである。信用していないという方が正しいかもしれない。
私としては、世界でただひとり信頼する人間が私というのは明らかな判断ミスである、と思う。
信頼してもらえるのは嬉しい。しかし私は様々な面において信頼に足る人間とは言い難く、正直重荷としか感じられない。
周りの人間を信頼していないから、我々の関係も誰にも明言していない。誰かに相談もできないし、愚痴のひとつもこぼせやしない。
彼の心身が限界に近く、私にはとても支えきれなくなって教授に相談しようとしたら、泣いて怒られた。泣きたいのはこちらもである。
ネガティブを地でいく彼には辟易しているが、私は彼が誰よりも好きだ。なぜなら彼にはまっすぐ通った軸があるからだと思う(何を軸としているかはあまり考えないことにしたいが)。
私には軸がない。
何を考え何を言い何をするか、それらに一貫性がまったくなく2秒前と主張や行動が一致しない。
ネガティブ思考などあとからなんとでもなる。ソースは私だ。
彼の軸がネガティブから何かに変わり、他人を信じるだとか信じないだとかの折り合いがつけられるようになることを切に願う。

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