martsunの日記『治水工事』
visibility406 edit2023.08.12

なんで午前十時に日記を書いているのかと言うと、どうせ今日もたいしたことは起きないから。台風が来るはずの空は青く晴れ渡っているが、旅行鞄を提げたどこかの美人と海辺の町で偶然知り合い小じゃれたパーラーのテラス席でそよ風に吹かれながら会話を楽しむなんてこと、僕の身には金輪際起きっこない。雲の上でうたたねをする神様はそんな太っ腹ではないし、いつも足を引っ張るばかりの僕の守護霊にも、そんな甲斐性はない。
それに、書く内容はいつも前日以前のことだ。一日の終わりには日記を書く気力もうせていることが多いので、大抵翌日以降に書くことになる。
とはいえ、仕事が決まった。惜しむらくは正社員ではなく、派遣だけど、離職中に取った資格が生かせそうな職場なので、頑張ってみようと思う。盆明けから仕事になるだろうから、休みの間は最後の羽伸ばしをしよう。新しい靴か、LのTシャツでも買いに行こうか。それとも久しぶりにスタジオで下手くそなギターでも弾くか…外が暑いので躊躇してしまう。
人生の岐路に立つと、それが大きなものでも小さくても、いつも悲観的な未来図を想像してしまう…今までの僕には、そんな癖がついていた。水が低きに流れるように、僕の心は不安という重力に抗えず、暗い地底に流れ落ちていった。だが、何かを選んだ時、何を求めてその道を選んだか、それを忘れるべきではない。そして求めた通りの未来を生きている自分を思い描くほうがいい。希望という上昇気流で、水を高きに導く、そんな試みを続けている。
だから、冒頭に書いたような投げやりな態度は、実はもうとっていない。半分はただのポーズ、残り半分は染みついた癖だ。午前十時に日記を書いているのは、本当は、ただ書きたい気分だったから。数日前から、「どうせたいしたことは起きない」から、「小さな幸せから起こしてみよう」へと、未来への見方を変えようと努力している。
とはいえ、一度癖になった考え方を変えるのは簡単じゃない。川の流れを変えるように、意識の流れを変えていく。言うなれば心の治水工事だ。ニヒリズムや悲観主義を捨てて、楽観的かつ前向きに。難しいけど、やってみます。
今日よかったこと♪
割と早く起きれた
読んでくれた人へのメッセージ
画像制作者 Donald Tong
提供サイト Pexels.com
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