てこの日記『春耕秋収 ー 其の四 ー  ゆうさり』

夕暮は 雲のけしきを 見るからに ながめじと思ふ 心こそつけ
                           和泉式部

暮方の海に向かう。
日中は曇り空だったが、夜は次第に晴れるようだ。夕空には、幾分雲が残る。薄く雲が残り、空が薄紅色に染まり雲に映る。その辺りだけほの明るく、柔らかな夕空の陽光が包む。

夜を迎えるまでの一時は、曖昧さを纏ってゆっくりと変わっていくのも良いと思う。
海に照り返す光も、柔らかで穏やかだ。
陽が落ち切るまでには、しばらくの間がある。

こういった時間こそ、大切にすべきなのだろうが、開場時間内で、海を渡る必要がある。そう今日は、夕去り時の海岸を行って、海を渡る散歩なのだ。霜月より冬時間だとかで、閉場時間は18時。ちょっと、早くない?。
アプローチも含めると、海を渡るのでそこそこ距離もある。入口付近では、薄紅に染まった雲と夕去り時の柔らかな明かりが残っていたが、海上ではゆっくりと夜の景色へと変わってく。途中のんびりなぞしていると、終盤あわただしくなりそう。で、出口付近の休息所まで、少し急ぎ足。

まだ宵闇とまではならずに、ほんの少しだけ夕去り時を残してくれたような。
陽が落ちるの、早くなったななどと、海なのか、空なのか、町並みなのか、どこかに焦点をあわせるでもなく眺めて閉場時間付近まで、ひと時を過ごした。

ほんのひと月前に、この地で哉生明を仰いでいた。そして今日もその日なのだが、幾分残った雲が隠したか。月の入時間には十分間に合ったはずなのだが・・・。

西空が地平まで開けているところ、意外にない、ここら辺りでは。

ということで、海辺の夕去り時のお話。

favorite読んでくれた人へのメッセージ

新しい月となって、「月を愛でる」月はとりあえず終えたのだけど(月待ちは、また暖かくなった頃にね)。
哉生明は、仰いでもいいかなっと思って。
月すえの有明月も見るのは厳しいけど、案外三日月も見にくいものですよね。月待ちではなく、月追いとてもなるのでしょうか。三日月最近見た方います?。
低く落ちる間際の月って、街中では見にくくなりました。さらにこの時間だとお仕事もされている方も多いでしょうし。

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