蒼巻の日記『恩のためにいきるは呪いか』

今日は仕事で事件を起した。ミスの出荷をしてしまった。
取り消すために上司を走らせる。
申し訳ない。

だが、いつか起こることだった。仮に今日防げたとしても、俺の能力ではいつか別の日に事件を起しただろう。

だからまあ、しょうがないんだけど。
人に責められたわけでもないから、そこまで落ち込んではいない。
ただ、一つ思うのは「恩」を作ってしまったということだ。

「貸し」を作ってしまったら返さなければならないと思う。
すなわち次は相手がミスをした際にこちらがカバーすればチャラになる。
返してしまえばそれで終わりだ。

だけど、こういう事件に対しての「恩」というのは、どこまで頑張れば返したことになるのかわからない。
相手は上司。基本的に上に迷惑がかかることはあっても、俺にそのしわ寄せが来ることはない。きたとしても労働の範囲内だ。
だからまあ、普段の労働で返すしか無いわけだけど、それはつまり、「今以上に頑張ろう」という方向に心を持っていくことになる。

…自分で言うのも何だが、真面目な考え方をしている。生きづらい考え方だ。
これでは、これから先、恩は重なるばかりで、返しても返し切る日など来ないだろう。働いてればまたどこかで事件を起こすだろうし、そこで助けられたなら、また恩が重なる。
だから、恩を返そうと頑張る内に、組織から離れられなくなり、そうやって組織に根をはっていくのだろう。

仁義に沿った生き方。美しいとも言えるのかも知れない。

だけど呪いにも見える。
だって、恩のために生きることは、自分にとってはなんの幸せでもないことだ。ただ自分の信条を果たすためだけに、それを生きる理由にしてしまうのか。

そりゃ死ににくくはなるよ。社会に取っては良いことだ。
だけど生きたい理由にはならない。
死ねない理由になるだけなんだ。
「恩を返すまでは死ねない」
だから死ねない呪いになるんだ。

star今日できたこと♪

失敗したけど崩れなかった

favorite読んでくれた人へのメッセージ

閲覧ありがとうございます。変な価値観かもしれませんがなにとぞご容赦下さい

ログインするとこの日記をフォローして応援できます

keyboard_arrow_up