雪コの日記『孤独な僕と孤独な彼女』

ぼくは友達がいない。

それが今は寂しいと思えなくなった。
まあ退屈ではあるけど。

それでも思春期の頃はそれがとても辛くてたまらなかった。

周りの人は普通にできているのに
どうしてぼくは普通になれない。

誰かから愛されたかった、必要とされたかった、心配されたかった。

でもそんな事を求めた所で悲しくなるだけだ。
ひたすら感情を殺して長らく孤独に生きてきた。

それでも人は自分の為だけに生きていけるほど強くはない。

いつかは人を求めてしまう。

そしていつの日かなんとはなしに交流をしてみようとなった。

なんとか苦労を経てそして通話をしてくれる人を見つける事ができた。同い年で田舎に住んでる人だ。

話を聞いてみると自分と似た何かを感じた。
孤独と抑圧された精神を抱えて生きているような人だった。

長らく関わっていく中でいつしかぼくは彼女に不幸になって欲しくないという同情に似た愛情がぽつんと芽生えはじめた。

けれどぼくはこれまで人付き合いを断ち切って生きてきた普通未満の人間だ。気の利いた事も面白い事もろくに言えない、そんな自分が心底嫌でならなかった。

自分がもっと交流したいと思ったのはたぶん普通になりたいからだと思う。普通になって彼女に笑ってもらいたい。今はただそれだけを求めて続けている。

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