【第15話】冷凍サンマ
visibility341 edit2024.06.06

第14話から続きます
お給料は正社員のときの1/3になりました。生活はとても苦しく、冷蔵庫の中は納豆と豆腐が常備されるのみ。お酒も辞めざるを得ませんでした。
引越屋さんのアルバイトはフラフラになるぐらい疲れましたが、お客様の転機をご支援出来る点がとても魅力的でした。
家族が出来て新築へ引っ越す方、異動で単身赴任される方、初めてのひとり暮らしの学生さん、皆さんから、ありがとう、お疲れさま、と言われることが、とても嬉しくて、続けることが出来ました。
ただ、人の出入りがとても激しいマンションがあるそうです。入ってもすぐ出てってしまう。「何かあるんじゃない?あそこ」と先輩が教えてくれました。見えない世界はあるのだと思いました。
転職活動は酷い有様でした。書類審査通過率は3パーセントあるかないか。通過しても面接で落選の繰り返し。
アルバイトから帰ってきては、落選の通知を見るを繰り返します。病みました。
引越屋さんのアルバイトも三日連続だと体力的に辛くなり、またわたしは工場で時給の良いアルバイトに応募します。
冷蔵倉庫でお歳暮の様々なお魚を詰める簡単なお仕事です。の広告に引かれ、応募します。
工場に入った途端、クリスマスケーキの悪夢が蘇りました。お魚は冷蔵サンマ1種類。当たり前ですが頭から足までフル装備です。
クリスマスケーキ工場より寒い。。。手袋はしているものの冷蔵サンマをひたすら触っていると手の感覚が無くなってきます。
サンマだけをひたすら詰める 時給は確かに良かったのですが、やはり私には向いていない。休憩時間は話すひともいない、一日しか行きませんでした。
就職が決まらず、お金もない、体力もない。休みには必ず神社参拝をしました。神さまにお願いしたのは「就職出来ますように」でしたが落選を繰り返すうちに「お金はそんなにいりません。私のやりたいことをやらせてください。私のように病んでいる人のご支援が出来る仕事につかせてください。」に変わっていきました。
願いは届かず、アルバイトは続くのでした。
【第16話】40代でバイトなの? に続きます
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