「耳の遠い父と私」父のイメージは誰の投影!?
edit2023.07.11 441
【耳の遠い父と私】
サトミです。
両親が衰えたな、と感じることが多くなった。
でもそれは、自分のイメージが、親を衰えさせていたのかも。
5月連休のこと。
連休中に実家に帰り、
76歳の父の耳の聞こえが随分悪くなったように感じた
話しかけても、応答が無かったり、
父からも聞き返されたり。
元々、左耳は若い頃から鼓膜を損傷していて、右耳を頼りにしていたが、頼りの右耳も衰えてきたようだ
さすがに気になって父に補聴器を勧めたところ、
「命に関わることじゃないし」
と乗り気でない。
3ヶ月前に集音器を購入して、雑音を拾うことに嫌気をさしたこともあるらしい。
それでも、耳が聞こえづらくなったことで
毎日の散歩でも背後の車の音が聞こえなくて危ない思いをすることもしばしばとか。
「うーん」
補聴器は高額だし、本人が試したり、
何より購入後に着用しなくては意味がない。
私や母の話しは聞こえづらいようだが、
私の5歳の息子(父にとって孫)とは上手くコミュケーション取ってるようだから不思議だ
実家から自宅への帰り道に深堀ってみた。
今まで「父」の耳の聞こえが悪い、補聴器つけないと「父」を主語にして考えてたが、
「私」は「父」にどうして欲しいか、
何のために補聴器をつけて欲しいか、
を自分を主語にして考えた。
確かに、直前までは心の中で
補聴器つけないと
「事故などの危険性高まる」→「出歩かなくなる」
→「ボケる」→「介護状態になり、大変になる」
または「話しかけを何回も繰り返すのが面倒」
と、私の都合が満載なのに気づいた。
また、息子は一生懸命、伝わるまで伝えるが、
私は父を「話しの伝わらない人」にして、
伝えるのを諦めていたかもしれない。
また、歳を取り、衰えることに私自身が
「諦め」を感じていたかも。
改めて、補聴器をつけて欲しい目的をつけ直した。
補聴器をつけることで、今までの補完を超えて、
若い頃から聞こえていなかった左耳も合わせて、
両耳を使い、新しい世界を体験して、
これからの人生を新しい発見のオンパレードにして欲しい。
むしろ老後は、色んなテクノロジーを使って
どんどんチャレンジできる
何だか、父の張り切る姿が目に浮かび
翌日、父からラインが
「やはり補聴器考えてみようと思う」
父の新しい世界の始まり✨
つける言葉を変えると、世界が変わる瞬間を見た気がした。
それから数日後、父と母で、地元に補聴器専門店を見つけた。
しかも、その補聴器店はたいそう丁寧で、父の受診している耳鼻科とも連携しながら、納得いくまで調整をしてくれて、満足のいく補聴器を見つけた。
2ヶ月経った今では父は連日、近所のミニコンサートや映画などに忙しい
父曰く、「世界が急に明るくなったようだ」
私の中の父も、さらに輝いているように見えた。
サトミ
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