「人間の価値」という悩み
edit2022.02.11 1,301
近況報告
みなさんこんにちは。わしゅーです。
12月からココトモメンバーになり、みなさまのご相談を受けて、2ヶ月目も半ばとなりました。「話を聞いてもらってよかった!」とおっしゃっていただける方も多くいる一方、途中でお返事が途絶えてしまったり、「ちょっと真面目すぎて疲れる」みたいなコメントも頂戴してしまい、自分の寄り添い力の足りなさを痛感する毎日です。。
とはいえ、自分なりのペースも掴めてきたので、ひきつづき、多くの皆様のお役に立てるよう、頑張りたいと思います。このブログも、週1ペースでなんとか続けたいですね。
「人間の価値」
さて、本日は、「人間の価値」ということについて、語ってみたいと思います。「自分には価値がないんじゃないか」という悩みは、多くの人が持つものです。
現代は、人間すらも数値化して価値を量る時代です。学校にいけば成績で順番をつけられ、就職しようとすれば面接で順番をつけられ、仕事をすれば数字で順番をつけられ、結婚しようとすれば年齢や年収で順番をつけられる。。
際限のない競争社会で、結果が出なかったり、次々に上がる要求レベルに疲弊してしまう人も、少なくないと思います。
そして、「こんなにも価値のない自分は、社会の役に立たない人間だ」と自己規定するに至ってしまう人も、残念ながらいます。
「価値」とは何か
そもそも「価値」とは何でしょうか。18世紀の経済学者アダム=スミスは、価値には2種類ある、ということを見抜きました。ひとつは、モノの有用性からくる「使用価値」、もうひとつは、モノの値段である「交換価値」です。
よく例に出されるのは「水道水」です。「水道水」はきれいなので飲めるし、食器を洗い、沸かせば風呂になり、いろいろなものの役に立つ。だから使用価値が高い。
しかし、「水道水」の値段はとても安い。何百リットル使っても、せいぜい一ヶ月に数千円ですんでしまう。だから交換価値(値段)は非常に安い。
交換価値という言葉は、ちょっとなじみがないので、以降は「値段」ということにしましょう。
価値には二面性があります。すると、モノの価値は4つに分類できます。
- 使用価値も高く、値段も高い(例:ブランドバッグなど)
- 使用価値は高く、値段は安い(例:水道水など)
- 使用価値は低く、値段は高い(例:美術品、宝石など)
- 使用価値も低く、値段も安い(例:古くて使えないスマホなど)
さて、、これを人間にあてはめると、どうでしょうか。「自分には価値がない」というとき、それは、次のどちらの意味でしょうか?
- 使用価値が低い → 自分は「使えない、役に立たない」人間である
- 値段が安い → 自分は「代わりがいくらでもいる」人間である
どちらも、悩みとして、ありそうです。
「社会」とは何か
では、人間を「使えない」とか「代わりはいる」とか、決めるのは誰でしょうか?おそらく多くの人が「社会」とか「世間」と答えると思います。
「社会」とは何でしょうか。社会という言葉を辞書で引くと、以下のような意味であると記載してあります。
① 人々の集まり。人々がより集まって共同生活をする形態。また、近代の社会学では、自然的であれ人為的であれ、人間が構成する集団生活の総称として用いる。家族、村落、ギルド、教会、階級、国家、政党、会社などはその主要な形態である。② 一般的に、家庭や学校をとりまく世の中。世間。③ ある特定の仲間。同類の範囲。また、何人かが集まって構成する特定の場をいう。ー 精選版 日本国語大辞典より
そうすると、
- ① → 社会とは共同体であって、大きなものから小さなものまで、いろいろあるということがわかります。
- ② → おもに未成年の人の見方ですね。家庭や学校を除く、世間一般。「社会に出る」というときの意味で、いうなれば日本全体、世界全体のことです。
- ③ → ちょっとした仲間内のつきあいも、社会であるということがわかります。
もし誰かが、「自分は社会の役に立たない」と悩むとき、それはどの「社会」のことを考えているのか、ということも、大事な気がしてきます。
価値×社会
ここまで、
- 価値には2つの意味がある
- 社会には3つの意味がある
ことがわかりました。ということは、価値×社会 の組みあわせは、6通りあることになります。
- 役に立つ人になる × 家族や会社などの共同体において
- 役に立つ人になる × 世の中、世間において
- 役に立つ人になる × 特定の仲間内において
- 代わりのいない人になる × 家族や会社などの共同体において
- 代わりのいない人になる × 世の中、世間において
- 代わりのいない人になる × 特定の仲間内において
※ここでは、使用価値=役に立つ人、値段=代わりのいない人、としました。
人間は多面的な存在だということです。そうすると、ある人が「自分には価値がない、社会に必要とされない」と悩むとすると、その人は、どのパターンで悩んでいるのか?ということが、気になります。
たとえば、自分は家族の中では、ちゃんと役割を果たせているけれど、世間一般では役に立てていない、とか、仲間内では代わりのいない人になれているけど、家族の中ではそうではない、とか。あるいは、自分は役に立つ人間ではあるが、代わりがいくらでもいるんだ、という悩みかもしれない。
もちろん、「自分は全てのパターンにおいてダメ」ということも、あるかもしれません。
「分ける」ことは「分かる」こと
自分の価値を高めようと自分磨きをする人
さて、ここまで読んでいただいた方には大変申し訳ないのですが、「人間の価値」というのは、ほんとうに難しい問題で、簡単には解決できません。
さんざん御託を並べて、最後が「わからない」かよ!と、怒る方もいるかもしれません。ごめんなさい。しかし、悩みの解決のためには、その悩みが、どういうことなのか、正確に「分かる」ことが、第一歩になります。
「分かる」ためには、このように言葉ひとつひとつの意味を深く考え、問題を分析して「分ける」ことが有効です。普段何気なく使っている言葉を、本当はどういう意味だろうかと、深掘りしてみる。そうすると、自分で気付いていなかったものが、見えてくることがあります。
人間は、言葉で考えるので、正しい言葉で問題を捉えることが、悩みの解決にとても重要なのです。
ココトモのチャット相談を、悩みを具体的な言葉にする場として、ぜひ活用してください。
よろしくどうぞ
- ココトモInstagramはじめました♪
-
このたび、ココトモの取り組みや想いを発信するInstagramをはじめました。ココトモメンバーたちが試行錯誤しながら運用してくれているので、ぜひ応援&フォローいただけると嬉しいです(*´`)
Instagramはこちら