「人間の価値」という悩み

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近況報告

みなさんこんにちは。わしゅーです。

12月からココトモメンバーになり、みなさまのご相談を受けて、2ヶ月目も半ばとなりました。「話を聞いてもらってよかった!」とおっしゃっていただける方も多くいる一方、途中でお返事が途絶えてしまったり、「ちょっと真面目すぎて疲れる」みたいなコメントも頂戴してしまい、自分の寄り添い力の足りなさを痛感する毎日です。。

とはいえ、自分なりのペースも掴めてきたので、ひきつづき、多くの皆様のお役に立てるよう、頑張りたいと思います。このブログも、週1ペースでなんとか続けたいですね。

「人間の価値」

さて、本日は、「人間の価値」ということについて、語ってみたいと思います。「自分には価値がないんじゃないか」という悩みは、多くの人が持つものです。

現代は、人間すらも数値化して価値を量る時代です。学校にいけば成績で順番をつけられ、就職しようとすれば面接で順番をつけられ、仕事をすれば数字で順番をつけられ、結婚しようとすれば年齢や年収で順番をつけられる。。

際限のない競争社会で、結果が出なかったり、次々に上がる要求レベルに疲弊してしまう人も、少なくないと思います。

そして、「こんなにも価値のない自分は、社会の役に立たない人間だ」と自己規定するに至ってしまう人も、残念ながらいます。

「価値」とは何か

そもそも「価値」とは何でしょうか。18世紀の経済学者アダム=スミスは、価値には2種類ある、ということを見抜きました。ひとつは、モノの有用性からくる「使用価値」、もうひとつは、モノの値段である「交換価値」です。

よく例に出されるのは「水道水」です。「水道水」はきれいなので飲めるし、食器を洗い、沸かせば風呂になり、いろいろなものの役に立つ。だから使用価値が高い。

しかし、「水道水」の値段はとても安い。何百リットル使っても、せいぜい一ヶ月に数千円ですんでしまう。だから交換価値(値段)は非常に安い。

交換価値という言葉は、ちょっとなじみがないので、以降は「値段」ということにしましょう。

価値には二面性があります。すると、モノの価値は4つに分類できます。

  1. 使用価値も高く、値段も高い(例:ブランドバッグなど)
  2. 使用価値は高く、値段は安い(例:水道水など)
  3. 使用価値は低く、値段は高い(例:美術品、宝石など)
  4. 使用価値も低く、値段も安い(例:古くて使えないスマホなど)

さて、、これを人間にあてはめると、どうでしょうか。「自分には価値がない」というとき、それは、次のどちらの意味でしょうか?

  • 使用価値が低い → 自分は「使えない、役に立たない」人間である
  • 値段が安い   → 自分は「代わりがいくらでもいる」人間である

どちらも、悩みとして、ありそうです。

「社会」とは何か

では、人間を「使えない」とか「代わりはいる」とか、決めるのは誰でしょうか?おそらく多くの人が「社会」とか「世間」と答えると思います。

「社会」とは何でしょうか。社会という言葉を辞書で引くと、以下のような意味であると記載してあります。

① 人々の集まり。人々がより集まって共同生活をする形態。また、近代の社会学では、自然的であれ人為的であれ、人間が構成する集団生活の総称として用いる。家族、村落、ギルド、教会、階級、国家、政党、会社などはその主要な形態である。
② 一般的に、家庭や学校をとりまく世の中。世間。
③ ある特定の仲間。同類の範囲。また、何人かが集まって構成する特定の場をいう。
ー 精選版 日本国語大辞典より

そうすると、

  • ① → 社会とは共同体であって、大きなものから小さなものまで、いろいろあるということがわかります。
  • ② → おもに未成年の人の見方ですね。家庭や学校を除く、世間一般。「社会に出る」というときの意味で、いうなれば日本全体、世界全体のことです。
  • ③ → ちょっとした仲間内のつきあいも、社会であるということがわかります。

もし誰かが、「自分は社会の役に立たない」と悩むとき、それはどの「社会」のことを考えているのか、ということも、大事な気がしてきます。

価値×社会

ここまで、

  • 価値には2つの意味がある
  • 社会には3つの意味がある

ことがわかりました。ということは、価値×社会 の組みあわせは、6通りあることになります。

  1. 役に立つ人になる × 家族や会社などの共同体において
  2. 役に立つ人になる × 世の中、世間において
  3. 役に立つ人になる × 特定の仲間内において
  4. 代わりのいない人になる × 家族や会社などの共同体において
  5. 代わりのいない人になる × 世の中、世間において
  6. 代わりのいない人になる × 特定の仲間内において

※ここでは、使用価値=役に立つ人、値段=代わりのいない人、としました。

人間は多面的な存在だということです。そうすると、ある人が「自分には価値がない、社会に必要とされない」と悩むとすると、その人は、どのパターンで悩んでいるのか?ということが、気になります。

たとえば、自分は家族の中では、ちゃんと役割を果たせているけれど、世間一般では役に立てていない、とか、仲間内では代わりのいない人になれているけど、家族の中ではそうではない、とか。あるいは、自分は役に立つ人間ではあるが、代わりがいくらでもいるんだ、という悩みかもしれない。

もちろん、「自分は全てのパターンにおいてダメ」ということも、あるかもしれません。

「分ける」ことは「分かる」こと

自分の価値を高めようと自分磨きをする人

さて、ここまで読んでいただいた方には大変申し訳ないのですが、「人間の価値」というのは、ほんとうに難しい問題で、簡単には解決できません。

さんざん御託を並べて、最後が「わからない」かよ!と、怒る方もいるかもしれません。ごめんなさい。しかし、悩みの解決のためには、その悩みが、どういうことなのか、正確に「分かる」ことが、第一歩になります。

「分かる」ためには、このように言葉ひとつひとつの意味を深く考え、問題を分析して「分ける」ことが有効です。普段何気なく使っている言葉を、本当はどういう意味だろうかと、深掘りしてみる。そうすると、自分で気付いていなかったものが、見えてくることがあります。

人間は、言葉で考えるので、正しい言葉で問題を捉えることが、悩みの解決にとても重要なのです。

ココトモのチャット相談を、悩みを具体的な言葉にする場として、ぜひ活用してください。

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コメント一覧

全1件
  1. schedule2022.12.19

    000000059447

    細かい分類はピンと来なかったです。
    感情論、綺麗事と言われてしまうかもですが
    誰にでも価値はある
    生きているだけで価値がある
    必要とされなくても代わりがいくらいたって価値がある
    と、思いたい。

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