「完璧主義」と向きあう ー 後編

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近況報告

こんばんは。わしゅーです。

この記事は、拙ブログ『「完璧主義」と向きあう』の後編となります。前編はこちら↓↓になります。

どうやって完璧主義を脱するか

わしゅーは、若いころ、完璧主義な性格で、そのためにずいぶんと悩み、また損もしました。しかし現在は、当時の自分から見れば、すごく「不真面目」になってしまいました。でも、その代わり、精神的にはずいぶんと落ちつくことができたと思います。

本稿では、どのように考えてみたら、そのように変わったのか、ということを、みなさんと共有したいと思います。

(1)何のためにやるのか?を考えるようになった

仕事って、多くの場合、大きな目的があります。そうすると、自分の仕事は、その一部の作業をこなす、ということになります。

わしゅーは、仕事をするときに、「もともとの、大きな目的」はなんなのか?ということを、分かったうえで作業をするようになりました。

「大きな目的」がわかると、仕事には、自分に与えられた作業の他にも、じつにたくさんの作業やタスクがあって、それを多くの人で分担しているのだ、ということに気付かされます。

その沢山の作業を実行するために、「働き手がいすぎて困る」ということはほとんどない。「作業は多く、人手は常に足りない」ということに気付くのです。

そうなると、「自分の作業を完璧にやればいい」などと言っている場合ではなくなります。。とにかく、やることが山のようにある。完璧など考えていたら、とても大きな目的は達成できない。こういう心境に変わってきました。

(2)責任の果たし方が「仕事の完璧さ」から「自分の判断の正しさ」に変わってくる

「忙しい、完璧なんて追いかけられない」となると、作業の完璧さで他人の評価を得ることが、難しくなることに気付きます。「やることは山のようにあって、全然終わっていない」が常態化するので、上司からは苦言を呈されたり、場合によっては怒られるばかりになります。

こういう中で、どうやって自分の自信を保つか?ということを考えるようになってきました。

そうすると、「自分はどれだけ作業を完璧にこなしたか」ではなく、「自分は、この状況で、正しく判断できたか?」ということに、悩むようになります。責任の果たし方が「仕事を完璧にやったか」から「困難に直面して自分はどう判断したか」に変化してくる。

これは最初は非常に辛い経験でしたが、判断を繰り返すうちに、しだいに「自分自身」に大きな自信が育ってきました。

(3)他人と話すことで救われる経験が増えてくる

「完璧主義」に心が囚われていると、他人が邪魔者に見えてきます。いろいろ口出ししてきて、自分の作業の完成度を下げるからです。

しかし、常にやることが山のようにある状態だと、他人の力をどうしても借りなくてはなりません。このため、嫌でも他人と会話することが必要になります。

もちろん、助けてくれる人もいれば、助けてくれなくて、邪魔になる人もいます。しかし、前とは違って「自分がこんなに忙しいのだから、他人もきっとそうだろう」という、他人を思いやる気持ちが生まれてきました。

そうすると、「自分を助けてくれる人には感謝するが、助けてくれなくても、気に留めない」という心境になってきます。今回は助けてくれなかったけれど、彼も大変だったんだろうから、気にすることはない、という、おおらかな気持ちが生まれてくるのです。

そうすると、自然と、助けてもらった記憶が残り、他人に救われたという経験が、たまっていくことになります。

完璧から脱することが自尊心を高める

完璧主義にとらわれていると、「作業を完璧にこなせなければ、自分の価値が下がる」という思考になりがちです。

しかし、完璧主義を脱すると、むしろ「完璧主義にとらわれることが、自尊心を下げ、それが自分自身の価値を下げてしまう」ということに気付くようになります。

人間のすることは、なにごとも完璧はありえません。それは、人間も、この世界も、不完全だからです。どんなに人間が将来を予測して計画を立て、完璧を目指したとしても、人間は病気にもなるし、世界には予測できないことが起きる。この世界は、せっかくの努力が報われないことがある、という、矛盾に満ちた世界なのです。

もちろん、そんな中でも努力は必要なことです。努力しなければ、進歩がありません。努力は必要条件なのです。しかし、もっとも重要なことは、矛盾に直面したときに、自分がどのように決断して動くか、ということです。

決断は、苦しい。しかし、この辛さから逃げてしまうと、世界の矛盾から目をそらし、いわば「箱庭の完璧主義」の世界から、人間は抜けだせない。箱庭から出て、予測不能の世界に漕ぎだす決断と勇気が、人間のほんとうの自尊心を高めると思います。

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コメント一覧

全1件
  1. schedule2022.12.19

    000000059447

    度々失礼します。心に残った部分は
    他人と話す経験を重ねていくうちに助けてくれる人には感謝、ここは当たり前なのですが「助けてくれなかった人を気にとめない」というところです。

    心に余裕が無いと、後者の存在がものすごくクローズアップされて、他者は邪魔者、世界は非情だと言うような孤独と怨嗟が渦巻くことがあります。
    でも、目の前の助けてくれた人への感謝をしっかり持つことができれば、そちらには気が向きません。
    思いやりの心を大切にしたい。とても平凡な、とてもとても優しい気持ちです。目の前の感謝に気づける人間になりたい。
    そして、このようなことを考えさせてくれるわしゅーさんのブログに感謝です。

    完璧主義については、この分野にはものすごくズボラなのに、この分野では完璧にこだわるというのもありますね。
    この分野では何がなんでも上手くやりたい、失敗したくないという強い拘り。しかし拘りが強すぎると自分で自分の首を絞め、周りにも窮屈な思いをさせてしまいます。
    いずれにせよ完璧主義は、少しでもゆるめたいものです。大局において良ければよし、みたいな。気持ちでいけたらいいですが。
    あとは、ミスをものすごく気にしてずーっと残ってしまう人とか気持ちを切り替えられる人とかにもよるかもしれませんね。
    自信を育てるというのは大変なことですね。判断をすることはとても大変で勇気のいることだからです。心にエネルギーがない時には何も決められないように。

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