「完璧主義」と向きあう ー 後編
edit2022.02.04 1,192
近況報告
こんばんは。わしゅーです。
この記事は、拙ブログ『「完璧主義」と向きあう』の後編となります。前編はこちら↓↓になります。
どうやって完璧主義を脱するか
わしゅーは、若いころ、完璧主義な性格で、そのためにずいぶんと悩み、また損もしました。しかし現在は、当時の自分から見れば、すごく「不真面目」になってしまいました。でも、その代わり、精神的にはずいぶんと落ちつくことができたと思います。
本稿では、どのように考えてみたら、そのように変わったのか、ということを、みなさんと共有したいと思います。
(1)何のためにやるのか?を考えるようになった
仕事って、多くの場合、大きな目的があります。そうすると、自分の仕事は、その一部の作業をこなす、ということになります。
わしゅーは、仕事をするときに、「もともとの、大きな目的」はなんなのか?ということを、分かったうえで作業をするようになりました。
「大きな目的」がわかると、仕事には、自分に与えられた作業の他にも、じつにたくさんの作業やタスクがあって、それを多くの人で分担しているのだ、ということに気付かされます。
その沢山の作業を実行するために、「働き手がいすぎて困る」ということはほとんどない。「作業は多く、人手は常に足りない」ということに気付くのです。
そうなると、「自分の作業を完璧にやればいい」などと言っている場合ではなくなります。。とにかく、やることが山のようにある。完璧など考えていたら、とても大きな目的は達成できない。こういう心境に変わってきました。
(2)責任の果たし方が「仕事の完璧さ」から「自分の判断の正しさ」に変わってくる
「忙しい、完璧なんて追いかけられない」となると、作業の完璧さで他人の評価を得ることが、難しくなることに気付きます。「やることは山のようにあって、全然終わっていない」が常態化するので、上司からは苦言を呈されたり、場合によっては怒られるばかりになります。
こういう中で、どうやって自分の自信を保つか?ということを考えるようになってきました。
そうすると、「自分はどれだけ作業を完璧にこなしたか」ではなく、「自分は、この状況で、正しく判断できたか?」ということに、悩むようになります。責任の果たし方が「仕事を完璧にやったか」から「困難に直面して自分はどう判断したか」に変化してくる。
これは最初は非常に辛い経験でしたが、判断を繰り返すうちに、しだいに「自分自身」に大きな自信が育ってきました。
(3)他人と話すことで救われる経験が増えてくる
「完璧主義」に心が囚われていると、他人が邪魔者に見えてきます。いろいろ口出ししてきて、自分の作業の完成度を下げるからです。
しかし、常にやることが山のようにある状態だと、他人の力をどうしても借りなくてはなりません。このため、嫌でも他人と会話することが必要になります。
もちろん、助けてくれる人もいれば、助けてくれなくて、邪魔になる人もいます。しかし、前とは違って「自分がこんなに忙しいのだから、他人もきっとそうだろう」という、他人を思いやる気持ちが生まれてきました。
そうすると、「自分を助けてくれる人には感謝するが、助けてくれなくても、気に留めない」という心境になってきます。今回は助けてくれなかったけれど、彼も大変だったんだろうから、気にすることはない、という、おおらかな気持ちが生まれてくるのです。
そうすると、自然と、助けてもらった記憶が残り、他人に救われたという経験が、たまっていくことになります。
完璧から脱することが自尊心を高める
完璧主義にとらわれていると、「作業を完璧にこなせなければ、自分の価値が下がる」という思考になりがちです。
しかし、完璧主義を脱すると、むしろ「完璧主義にとらわれることが、自尊心を下げ、それが自分自身の価値を下げてしまう」ということに気付くようになります。
人間のすることは、なにごとも完璧はありえません。それは、人間も、この世界も、不完全だからです。どんなに人間が将来を予測して計画を立て、完璧を目指したとしても、人間は病気にもなるし、世界には予測できないことが起きる。この世界は、せっかくの努力が報われないことがある、という、矛盾に満ちた世界なのです。
もちろん、そんな中でも努力は必要なことです。努力しなければ、進歩がありません。努力は必要条件なのです。しかし、もっとも重要なことは、矛盾に直面したときに、自分がどのように決断して動くか、ということです。
決断は、苦しい。しかし、この辛さから逃げてしまうと、世界の矛盾から目をそらし、いわば「箱庭の完璧主義」の世界から、人間は抜けだせない。箱庭から出て、予測不能の世界に漕ぎだす決断と勇気が、人間のほんとうの自尊心を高めると思います。
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