不登校の体験談インタビュー『ちかげ』
visibility985 edit2023.02.27

ココトモメンバーインタビュー企画!
今回は「ちかげ」さんに不登校の体験談を聞いてみました。
まずは自己紹介をお願いします
初めまして。現在通信制高校2年生のちかげと申します。中学1年生の6月に不登校になりました。
趣味は読書と小説執筆、将来の夢は医療や福祉の仕事をして、人の役に立つことです。その思いから、ココトモの活動を始めました(まだまだお役に立てることは少ないですが…)。
不登校になったきっかけを教えてください
きっかけというきっかけはありません。
『どうしてみんな同じ服を着ているんだろう?』『どうしてみんなが当たり前にできることが自分にはできないんだろう?』『どうしてみんな悪口を言っているんだろう?』
などと学校や教室の雰囲気に疑問や違和感を覚えることが多く、ストレスでいつの間にか不登校に陥っていた…という感じです。
あとは自己肯定感が低くて、『勉強だけは頑張らなきゃ』と自分にプレッシャーを与えすぎたのも一因だと思います。
特に嫌なことやトラブルがあったわけではないので、「どうして学校に行けないのか」と聞かれるたびに困り果てていました。
不登校の時期はどんな風に過ごしていましたか?
読書と小説執筆とユーチューブをローテーションしていました。
とりあえず基本はユーチューブを見て過ごし、何かしなきゃという気になったら読書や小説執筆をする、という具合で。
ユーチューブは見てて楽しい、ということはなく、ただノンストレスに時間を潰せるから、という理由で見ていました。小説執筆も読書も、不登校真っ只中のときは何かに燃えていたわけではなく、現実逃避の手段として選んだだけです。
とにかく無気力に、ぼうっと過ごしていました。
不登校にたいして家族や友人はどんな反応でしたか?
父は烈火の如く怒り、吐くまで蹴られ殴られました。ヒートアップし過ぎたのか、教科書捨てろ、売女になれ、と言われましたね。
激怒ゾーンが過ぎたら、(本人にとっては)優しく諭す期に入りました。とは言ってもその内容は私に寄り添うものではなく、「中学校は楽しかった」「中学生時代に戻りたい」というもので。知らんがな、と思いました。
当然私が学校に戻るわけもなく、諭してもダメと思われたのか、しばらくしてまた責められ出しました。生活保護を受けろ、と言わたりしましたね。
しかしずっと酷かったわけではなく、カウンセラーと担任の先生にそのことを訴えてから暴言や暴力はなくなり、コロナ禍になって登校のプレッシャーが薄れたときからすごく優しくなりました。
母も時折私を責めたり、怒ったりすることはありましたが、だいたいは私に寄り添ってくれました。学校に行きたくないと通学路途中から戻ってきた日も、家に入れてくれましたし。
ストレスのあまり泣き叫んだときも抱きしめてくれたり、いちばん親身になってくれました。感謝してもしきれません。
友人は「下校のとき寂しいー」といった反応だけでしたね。過剰反応するわけでもなく、私の存在価値も認めてくれる言葉をかけてくれて、とても胸に沁みたことを覚えています。登校の有無に関わらず放課後によく遊んでくれたりして、それが心の支えにもなりました。
不登校の時期に救われたことや転機となった出来事があれば教えてください
小説投稿を続けているうちに、某ネット小説投稿サイトにてランキングに掲載されたことです。デカデカと目立つところに自分の作品のタイトルがある、というのは快感でした。
ただ気持ちいいだけではなく、心の回復にもなりましたね。不登校になってからというものの『自分は生きるに値しない人間なんだ』と思っていましたが、ランキングに掲載されてからは『自分の作品は評価に値する、つまり自分も評価に値する人間なのではないか』と少し思えるようになりました。
たくさんの匿名の人が私を救ってくださったのだと、勝手に思っています。
今、不登校で悩んでいる人へ
私は今、不登校になってよかったと思っています。
不登校にならなかったら、幼い子どもが死ぬほど追い詰められている現実に気づかなかったかもしれません。
不登校にならなかったら、時間ができず小説を書くこともなく、小説家になりたいとぼんやり思うだけで死んでいたかもしれません。
不登校にならなかったら、辛い人に寄り添うことができないばかりか、寄り添おうと思いもしなかったかもしれません。
だから私は、不登校の経験を誇りに思っています。
そんな一般人もいるよ、ということを頭の片隅に入れてもらえましたら幸いです。
――インタビューは以上です。
貴重なお話を聴かせていただき、ありがとうございました。
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