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20代後半
女性
心の奥が空っぽなだけ
360 edit2023.07.27
何をされても悲しくない。
心にぽっかり穴が空いたような日々ばかり過ごしている自分に、焦燥感すら覚えない私は、一体何なのだろうか。
歳をとっていく度、私は大人になって、
歳をとっていく度、私は誰かを救えると思ってた。
でも実際はそんなことなくて、
人を羨ましいと思うことも
人を妬ましいと思うことも無くなっていた。
頑張ることは当たり前だし、諦めるのも当たり前。
幸せなんぞ私なんかに振り向くわけがないし、なんなら今が1番幸せだと思ってる。
不幸なんて何一つない。だって何も求めることは無いから。
何も要らない。何も欲しくない。
……そんな毎日に、価値をつけたくて足掻いてみるけど、やっぱりそれは無茶ぶりで。
相変わらず未来を思い描くことも出来ないし、やりたいことも、したいこともない。
世の中の全てのことが『どうでも』よくて。
あれから十年歳をとっても、36で死にたいという気持ちは、変わらない。
そんな私は、『生きている』と言ってもいいのだろうか。
こんなに物足りなくて、荒みきった日々を、『生きたい』と思えない日々を、人々は平気な顔をして生きているのだろうか。
だとしたら、彼らが生きていることに意味はあるのだろうか。……なんて。
そんなことを考えても、涙ひとつ、笑いひとつ、出ないのだから、どうしようもない。
車に轢かれた時も、微塵も怖いとすら思わなかった。
思ったのは『面倒くさいことになるな』っていうだけで。
周りが焦っているのを、私はぼんやりと見つめていることしか出来なかった。
苛立ちを覚えることも、泣き崩れることもなく
ただただ『どうでもよかった』。
むしろ、拾った命を、罪の重さを、お金なんぞで解決しようとする周りの方が、異端に見えた。
罪は、そんな事じゃ消えるわけが無いのに。
まあ、もうそんなことどうでも良くて
自分に向き合ったところで空っぽなのを再確認させられるし、
自分に褒めるところなんてどこにもないから、人に褒められてもただのご機嫌取りにしか聞こえない。
反対に責められても他人事にしか感じないから、特に改善する気も起きない。だって嫌われても、愛想尽かされても、どうでもいいからさ。
情に絆されてーなんて分からないし、好きも嫌いもどうだっていい。
だって、人はただの情報源でしかないから。
この心を満たすのに、一体私は何をしたらいいのだろう。
休息? そんなの、何を休めろと言うの?幸も不幸も無いのに。
希望? そんなのどこに落ちてるの。教えてよ。
足りない。何もかもが足りない。
人の底知れた思想も、欲望も、何もかもが在り来りで、それでもつまらないと思うことはほとんど無くて。
日に日に、心のピースが抜けていくのがわかる。
真ん中からひとつ、ふたつ。
それを埋める方法を、私は知らない。
だから、日に日に感じる自分の死期に、私は何も思えない。
恐怖も、憂いも。何一つ。
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