《小説》時には素敵な色を
visibility1,649 edit2018.05.04
「お姉ちゃん、一緒に福井行こうよ!」
その言葉をキッカケにして、私は今、特急列車に揺られている。片耳にはイヤホンをはめ込み、右隣には妹がいる。 ときどき、ちょっと不安げに瞳を揺らす妹、それでもこれに乗れば目的地に着くとわかっている分、ちょっとワクワクしているようだ。
何のことはない、母方実家への帰省である。
同じ道を5年前の冬、親友と共に辿ったことがある。
その時は私自身も電車で行くのは初めてで不安ばかりだった。あの時見た景色すら、ろくに憶えていない。ただ憶えているのは、親友といろいろな話をしながら笑っていたことである。
あの頃はかなり遠い道だと思っていた。
今は随分と遠出するようになった。そもそも大学へ行くのに2時間はかかるのだから当たり前なのだけど。だからこそ、特急列車に乗るための駅までの距離すらあの頃よりも近く感じる。
そして、そっと窓を見るといろいろな景色が見える。
いつもの電車で見る景色とは、また全然違った景色。そこには田んぼがあって、畑があって、店や工場があって、その町の暮らしがある。
普段から電車からの景色を見るのは好きだけど、こうやって見る景色はまた全然違って美しい。
隣に座る妹は、一心不乱に窓を覗いている。
私と妹が見る景色は、きっとそれぞれ違って見えるのだろうけれど、それでもその景色が妹の心に鮮明な色合いのまま残っていて欲しいと思う。
時には素敵な色を心のキャンバスに残すのもいいのかもしれない。
あとがき
現在進行形で愛すべき末の妹と電車旅してます雪灯です。
今回は「景色」をテーマに小説を書いてみました。何となくまとまっているのかどうなのか不安ではありますが、何となく書きたくなってしまったのです。旅の思い出を書き残しておく、というより私が景色を見て感じたことを書きたいなと思って書きました。
また余裕がある時にしっかりした小説書けたらいいなと思っています(*ˊ˘ˋ*)♡
ご愛読ありがとうございました!
.*・゚雪灯.゚・*.
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